麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

帽子

2016年03月23日 | 身辺雑記
「母さん、僕のあの帽子どうしたんでせうね」

昨日の弊ブログのおしまいは、この
『人間の証明』の宣伝に用いられ
一世を風靡したキャッチのパロディだ。

森村誠一の小説であり、それを
角川映画がメディアミックスで売り、
(最初から映画化を前提に執筆依頼され
出版、映像、音楽等広くビジネス展開)
映画の興行収入だけでも22億超。

もとは西條八十の詩で、
「ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで、
谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ」
と続いていく『ぼくの帽子』という作品。

松田優作が刑事・棟居弘一良を、
八杉恭子を岡田茉莉子が演じ、
メガホンは佐藤純彌。77年公開の
「証明シリーズ第一弾」でもあり
翌年には早くもテレビドラマ化。
林隆三、高峰三枝子コンビだった。

あの頃は当たった映画をキャストを変えて
テレビでも流すのがはやっていた。

例えば同じ77年の邦画配収No.1の
『八甲田山』も翌年テレビでオンエア。
名台詞「天は我々を見放した」の
神田大尉は北大路欣也(映画)と
村野武憲(テレビ)が務めた。

村野は『日本沈没』のテレビ版(75)
でも主人公・小野寺俊夫を演じている。
映画(73年公開)では藤岡弘。

最近は逆でテレビの映画化が多いよな~。
閑話休題。

『人間の証明』は時を経て、
93年、01年、04年にもドラマ化された。
が、やはり最初のインパクトが大きく、
テレビ版の印象は薄い。

さて「証明シリーズ」は他に、
『青春の証明』『野生の証明』とあり、
後者は高倉健と薬師丸ひろ子で映画に。

で、こちらのキャッチは
「お父さん、怖いよ。何か来るよ。
大勢でお父さんを殺しに来るよ」

見事に『人間~』の母と息子に呼応して
父と娘という図式になっていた。
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無菌

2016年03月22日 | 身辺雑記
食事を終え、食器を下げて、洗う。
テレビコマーシャルが頭をよぎる。

このスポンジには三角コーナー以上に
菌がたくさんいるんだそうだ。

企業は商品を売らねばならないし、
同時に、有り難くも我々の健康に
心を砕いてくれているのだ。

洗剤に限らず、消臭剤等「除菌」が
最近の世の中には溢れかえっている。

そうそう。
砂場は雑菌だらけだから禁止!
という衝撃のニュースに出くわしたのは
どれくらい昔だろう(゜_゜)(。_。)
そのあたり改善されたとは聞くが…。

いずれにしろ「無菌化」の流れは
加速しているように見える。

逆によくぞ無事に生きてこれたよな、
と己の半生を振り返って思う。
怪我をして帰ると叱られるからと
ちびの頃、転んで血が出た膝小僧を
地面の砂利で止血治療してたもんな。

かさぶたに当初は小石が混じるが、
発熱もなく、最終的には痕も残らない。
たまたま運が良かっただけのことで
真似して欲しいわけではない(^_^;)

けれども昭和のがきんちょは、
翼くんがボールと友達なように、
菌と上手に(?)付き合っていた。

いや大人だって。
コマーシャルによれば、まな板も
これまた相当の菌まみれだそうだが、
今時の抗菌コートではない木のやつで
母ちゃんも婆ちゃんも料理を作ってた。

そんなものはノスタルジーで、
サイエンスの進歩に我々は
余りに多くの恩恵に預かっている
\(^o^)/
どんどん抵抗力をなくされて
巨悪国家に支配される布石などという
途方もない妄想こそ「除菌」すべきだ。

話は変わるが。
昭和の台所洗剤といえば、
ママレモンがその代名詞だったが
最近めっきり名前を聞かなくなった。
元気にしているのでしょうか……

「母さん、僕らの黄色い容器の洗剤
どうしたでしょうね・・・」
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開幕と斉唱と初制作

2016年03月21日 | 身辺雑記
さっむ~い(><)と、
まだまだ口をついて出ちゃうけど、
季節は着々と春に向かっていて
「センバツ」も開幕しましたよ。

その開会式。国歌を歌ったのが、
なんと旧知の間天憑氏のご子息だった。

劇団四季でリトルシンバを演じた彼は
昨年の学生声楽コンクールの優勝者として
甲子園の土を踏んだのだ。

第69回「高校生の部」戴冠は二人。
よって三好優夏さん(香川・坂出高)と
間聖次朗くん(東京・芸術総合高)、
この春卒業する男女の歌声が響いた。

高校球児の晴れ舞台は、同時に
放送コンクールの優秀者が司会
(70回大会より)や、前段の歌
(こちらは71回から)で「出場」する
総合的な「センバツ」でもあり、
それもすっかり定着した。

そんな88回大会。
義足の選手も話題だが
(釜石は本日第一試合に登場。
同じ21世紀枠出場の小豆島と対戦)
初日の試合にはサングラスプレイヤーも。
アレルギー反応対策で特別許可だという。

さて、栄冠はどのチームに・・・

※※※

昨年の反省から制作本数を絞ると、
密かに誓った2016年。
前年の流れから2月は4作品と張り切った。
が、4月にすっかりレギュラーの
J-Theaterの本番を初旬に終えたら、
5月は下旬の黒田玄事務所までない。
ゆったりとしたテンポだ。

月一ロングランの『ROSE』が
今月は休演ながら弥生も皐月も水無月も
もちろん続くのだけれども( ̄0 ̄;)

あ。5月の劇場はどちらもシアターΧ。

その黒田玄事務所。初めてお世話になる。
実は冒頭の間さんの仲介による初参戦。

顔合わせがまもなくの23日(木)。
狭い業界ゆえ知る顔もなくはないが
ほとんどがその日初めて会う役者さん。

1994年旗揚げ。
もともと歌い手である宮下弘二が
プロデュース及び作演出するユニット。
(出演は宮下、作演出は黒田名義)

直近の作品は全てシアターΧで
次回作『仕切り直して、前向いて』
(5/25~29)で5作品連続となる。

どんな舞台になるだろう・・・
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沙翁/J―5

2016年03月20日 | 制作公演関連
リオ五輪マラソン代表が決まった。
女子は順当に。
男子は三枠を使うか否かの声も出た中、
福岡を2時間8分台で走った佐々木悟と
最終選考会の上位二人に切符が渡った。

3/7のブログにも書いたけれど
東洋大卒業の北島寿典、石川末広だ。

さて我が母校はOBばかりでなく
現役にもリオで活躍が期待される
アスリートが多くいる。

まずは陸上短距離の桐生祥秀。
今季初戦となった世界室内選手権
(ポートランド)の60M準決勝に進み、
自己ベスト6秒56を叩き出したが、
惜しくも決勝進出は逃した。
その差わずか0秒01。

昨夏、故障から断念した世界陸上。
10月には追い風参考ながら
初めて五輪参加標準記録を突破し、
復調をアピールした桐生は
順調にターゲットを捕らえているようだ。

一年先輩の萩野公介は世界水泳を欠場。
右肘骨折の理由は自転車での転倒。
そんなお茶目(?)な「ハム」も
早いもので4月に最上級生になる。

そして五輪選考を兼ねた日本選手権も
4月4日開幕(10日まで辰巳国際)だ。
マラソンと異なり一発勝負で決まる。
得意のメドレーは勿論、自由と背泳、
多種目でのブラジル行きを狙う。

同じ4日に劇場入り。
J-Theater・シェイクスピアコレクションvol.1
「Shakespeare garden Live」
~生演奏によるシェイクスピアの世界~
でハムレットという大役に挑む
高岩明良と僕は同じ高校出身。
また「高岩」は芸名で本名は
僕と同じ高橋姓である……と
実はこの件も以前ブログに書いた。

そしてなんと!
妖精の王・オーベロンを演じる
永野和宏と、構成演出に出演の小林拓生
(そしてJ-Theater主宰でもある)が
中学の先輩後輩だということが判明した。

「判明」するくらいだから、
互いに知らず会話の中で「えっ」
となったわけである。

隣家まで数キロあるような村ではなく
前者は神奈川県の政令市・川崎、
後者は東京の下町の深川あたりと
人口の多い場所でのことではあるが、
それでも稀有なことだと思う。

と。
今日は先輩後輩がらみの一席になった。
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沙翁/J―4

2016年03月14日 | 制作公演関連
オランダ・ヘーレンフェインでの
スピードスケートW杯女子団体追抜で
日本は見事に総合優勝を果たした。
メンバーは、押切美沙紀(富士急)、
高木菜那(日本電産サンキョー)、
高木美帆(日体大)の三人。
そして菜那と美帆は実の姉妹。

本番まで三週間、J-Theaterの
『Shakespeare garden Live』でも
姉妹が活躍している。
大森姉妹だ。

姉の璃帆が出演、妹の渚帆は、
素敵な絵を描いてくれ、
それがフライヤーの表面を飾った。



偶然だが、合わせて四人の姉妹の
名前に三つの「帆」。
劇聖シェイクスピアの中でも、
多くの人に知られる『マクベス』
『ハムレット』『夏の夜の夢』
『ロミオとジュリエット』の
四作品を網羅したJ-Theaterの
四月初旬の舞台は、
参加するキャスト・スタッフで
「帆船」に乗り込で大海原を行く。
風を孕んで、ぐいぐいと。
乞うご期待あれ!!



さて。
11季ぶりの団体追抜の金メダル。
押切の所属する富士急は
岡崎朋子、田畑真紀らを輩出した
名門だとスポーツ好きにはピンと来る。
が、高木姉の日本電産サンキョーには
正直馴染みがないな、と調べたら。

オリンピックの金銀銅メダルを持つ
清水宏保をはじめ、長島圭一郎、
加藤条治、島崎京子ら、
きら星のスケーターが名を並べる
あの「三協精機」だった。
……なるほど。

M&Aを強力に展開する日本電産と
資本・業務提携したのが2003年、
翌々年から現社名になったそうだ。
そうか~長島入社年には、
もう新社名になってたんだな。

弱冠二十歳のウィリアムソン師円に
期待が掛かるが、J-Theter主宰の
小林拓生が以前「ウィリアム館」を
立ち上げていたのは、また別の話だ。
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2016のK

2016年03月13日 | 身辺雑記
プロ野球の開幕も近づいたところで
また大変なことになっている。

さて。2月5日付の弊ブログに
「今年はKの話題が多い」と書いた。
ゲス不倫の男性がK谷さん、
あとに続いた国会議員はK介さん。
奥様はK子という名字で活動。

所持から使用での再逮捕になった
元プロ野球選手はK原容疑者……。

ついには破局になったそうだが、
タレントの痴話喧嘩の面々は
芸人のK野さん、歌手のK本さん、
とジャンル不明のK藤さん。

関西落語界の大物Kさんの謝罪、
民放アナウンサーK林さん、
突然の退社と続いて・・・
NPBに野球賭博で告発されたのは、
連続無敗記録を更新中のK介投手。

※※※

演劇界では予約のチケットを
カウンターに五十音順に並べて、
速やかにお渡しする方法を
多くのカンパニーが取っている。

スタイリッシュでなく、また、
個人情報の観点からも改めよう
との声があったりもするが、
それは今日は横に置く。

並べると「あ行」と「か行」が多い。
絶対ではないが、わりかし。
あ行は母音だからアルファベットだと
A~Oに5分割される。結果、Kが断トツ。
しかも前段は名字と名前がごっちゃ。
と、自ら種明かし。

今稽古中の舞台に出演する役者の
ファースト&セカンドネームで
試してみた。人数は21名。
Nが最多の6、KはTとMと並んで5。
微妙な結果ながらリアルでもある。

※※※

いずれにしろ。
芳しくないニュースで多かったK。
残す2016年は、ポジティブな方で
名前が挙がると良いですね。

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沙翁/J―3

2016年03月10日 | 制作公演関連
とゆーわけで2223回目です。
あ、このブログが(^_^;)
(詳しくは一昨日付を読んでください)

※※※※※

神保麻奈

永野和宏、木村圭吾、篠崎旗江

中井亮、奥畑幸典、
米川塁、長瀬充男、築城隼人

戸田梨恵、前田博美、植松優、
小原也実、福永奈津美、井村万里子、
三浦小季、鈴木乃衣、大森璃帆

伊谷厚彦、高岩明良、小林拓生

いきなり名前を羅列してしまったが
(゜_゜)(。_。)(゜_゜)(。_。)
昨日稽古2日目だったJ-Theater
4月頭の公演キャストです。

このブログの「沙翁/J2」に
書いたけれど長い題名の舞台。

その稽古初日は月曜日でした。
只今NYに居る木村、他2人を欠いたが
ワークショップを経ているので、
早速、本は持ちながらだが粗立ち。
中には半ば台詞の入った役者もいた。

長くて少々恥ずかしくもあるが、
ここで再度タイトル絡みを書くと

J-Theater
シェイクスピア・コレクションvol.1

『Shakespeare garden Live』
~生演奏によるシェイクスピアの世界~

『ロミオとジュリエット』『ハムレット』
『マクベス』『夏の夜の夢』より

あ、前回より若干増えたぞ(><)

そう、上記4作品を織り込んだ上演。
一部ダブルキャストを組むが、
詳細は近々決定の運び。

さて今回も若手が沢山出演。
それぞれプランを練って稽古場に
挑んではきているが、そこはそれ、
初々しい役者の卵たち。

悲しそうな台詞を哀しく発し、
楽しい場面は「まぁまぁ楽しそう」……

確かに文面だけ読めば切ないのだ(--;)
また、彼らなりに元気なんだろうが、
板の上で「弾けて」見えるには、
大勢の観客に向かってのエネルギーが
余りに少なすぎるのです。

演出から当然駄目だしが出る。
そんな経験を積み重ねて、
少しずつ戯曲を読めるようになり、
俳優の表現力を身につけるのわけだ。

明日からは洋行帰りの圭吾も加わる。
彼ら中堅に、神保をはじめとする
ベテランの味が絡まったシェイクスピアは
下北沢の小劇場B1にて、4月5日と6日、
全4ステージでお届けいたします。
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2222

2016年03月08日 | 身辺雑記
東京オリンピック・パラリンピックの
話を書くつもりが「2」を連打
……してしまったわけじゃ~ない。

お陰様で、このブログが2222回目なの。
\(^o^)/

当時いた劇団の若い衆に、
「これからの時代はブログですよ」
と唆されたのが2005年の春。
「愛・地球博」が華やかに開幕した
3月25日から1ヶ月経たない4月20日に
よちよち歩きをはじめて……。
以来、まもなく丸11年になる。

単純に割れば、1年に200本綴った計算、
だが実は、09年夏から11年春に
『敏腕Pの新たな旅立ち』と改題、
とゆーかお引っ越しをして500回書いた。

つまり約4000日で2722回。
……まぁ、多くはないだのだろう(^_^;)

☆☆☆

1952年、米子に誕生した寿製菓(株)は
「因幡の白うさぎ」などを発売し
規模を拡大していき、96年には
コトブキチョコレートカンパニー
(現在は別名称)を北海道に展開する等、
日本国内はもとより海外にも進出。

現在は〈全国各地の文化・伝統を
お菓子の形で発信〉というコンセプトの
寿スプリッツ株式会社として、
グループ企業を束ねているようだが、
その東証一部の証券コードが2222。

このぞろ目で検索すると他に、
《このエンジェルナンバーは
全てうまくいく、奇跡が起こる》
なんて喜ばしい頁にも当たります。
(^_^;)

寿だったりエンジェルだったり、
いずれにしろ目出度いではないか
(^^)v(^^)v(^^)v(^^)v

てなわけで、まずは2223回目を
目標に呑気に続けてまいりますm(__)m
〈全国各地の文化や伝統を、
演劇を通して広めたり交流させ〉
られるように・・・。
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いざ、リオデジャネイロへ

2016年03月07日 | スポーツ
なでしこの苦戦が続いている。
事実上、五輪出場はないだろう。
が可能性は0ではないのだから
最後まで闘わねばp(^-^)q

さて昨日。
男子マラソンの五輪最終選考
「びわ湖毎日マラソン」が行われた。

なんと日本人1、2位は東洋大勢だった。

2時間9分16秒、全体2位の北島寿典。
箱根は第82回に4区8位(3年)、
翌年最上級生時は8区区間賞。
そして安川電機へと進む。

当時の鉄紺軍団はまだシード権を
獲得するかしないの力で、
上記も総合順位は10位と5位。
翌84回は9位。
黄金時代は暦をもう一枚手繰った
2009年の初優勝から始まる。

さて北島は、ニューイヤー駅伝で
08年6区3位、11年と13年の3区3位等、
安定した力をみせて、昨年2月、
初マラソンに挑み2時間12分28秒で優勝。
続く9月のシドニーも制した。

学生時代は、昨日のびわ湖も走った
後輩の黒崎拓克(コニカミノルタ)の
影に隠れた存在ともいえたが
日々の努力で一躍五輪候補に!!

努力といえば、石川末廣だ。
東洋大2年、第76回大会で9区を走るも
襷を繋げることはできなかった(涙)。
区間1時間19分13秒は、トップから
実に10分13秒差。脱水症状での
2000年2年生での走りだった。

そして01、02年と東洋は予選会で敗退。
雪辱できずに卒業しHondaに入社。

36歳のベテランのリオの可能性は?

陸連の目標タイムには及んでいない。
ただ高温レースで、北島と9秒差だ。
3枠を使わない可能性も示唆される。

卓球男女は揃って銀メダル。
さて鉄紺揃ってのオリンピックは……

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ロマンスをもう一度

2016年03月05日 | 身辺雑記
下北沢駅北口を出て左右を確認する
熟年夫婦の横をすり抜けて、
こないだ小田急線に僕は乗った。

それにしても小田急ロマンスカーの
コマーシャルは格好良い。
♪あ~なたは今、どの空を見ているの~
虹の向こうの遠い日を見ているの~♪

『ロマンスをもう一度』をバックに
箱根に誘う素敵な映像……そこに
登場しそうなナイスミドルが
頭に書いたご夫婦であった。

一瞬左右を見たところまでが事実。
以下は妄想である。

「うわぁ~シモキタ変わったなぁ。
昔の面影まるでないじゃん」と
周辺に目を配る夫、61歳。

それもそのはず、南口に出たつもりで
彼らは北口に降りたのだった。
実際、地下化した下北沢駅は、
現在大規模な工事中で風景が一変。
久しぶりに訪れると戸惑うばかり。

二人は若い頃、この街で出逢い結ばれ、
仕事の関係で長らく北関東で暮らし、
授かった二人の子供は独立した。
戸建てのローンも間もなく完済する。

大学の同窓会、とはいっても
大規模なものではなく、ゼミの、
中でも仲の良かった男3人だけ。
かわりに何かと彼らの世話を焼いた
当時院生で、4学年上の先輩と、
面子の一人が2年下の留学生と
できちゃった婚した経緯から
その代の彼女含めた4人(女2、男2)。
そして噂を聞きつけた、間の学年の一人。
兎に角調子が良くて、学年の、
更には学科の垣根を越えて
どこにも顔を出す男で、昨日の集まりも
中下ゼミでないのは奴だけだった。
~奴とはいえ、彼は二浪したから
現役合格の夫氏より実年齢は上だ。

そんな面子で昔よく行った店
~居酒屋というほど野暮じゃないが
バーというほど気取っていない~
「Philosophy」に集い、
昨夜というか日を跨いで盛り上がり、
タクシーで長女宅についたのは4時。

妻の合鍵でそ~ぉっと入るつもりが
長女はもう起きて弁当をこさえていた。
上の子が越境でバレーの名門に通っている。
地方遠征も多く、土日に妻が
下の子のために泊まりに来ることが多く、
この春から鍵を持たされているのだ。

妻は2時まで頑張ったらしいが
待ちくたびれて寝ていた。
リビングに布団を敷いて休む妻の
部屋の奥に、三段飾り。

そういえば、もうじき雛祭りだ。
嫁入り道具と一緒に雛人形も
栃木から初め千葉の社宅に嫁ぎ、
上の子の小学校入学にあわせて、
東京に程近い埼玉のマンションに
七段飾りも越してきたのだ。
ただ柏でも朝霞でも五人囃子まで。
右大臣左大臣らの出番は長らくない。

『うれしいひなまつり』の作詞は
サトウハチロー。多くの童謡を残したが
宮沢賢治らと参加した同人誌は
確か「銅鑼」だったな~と、
すっかり忘れていた豆知識が零れた。
酔いのせいだろうか……。

早く酒を抜いて、昼には下北沢へ。
四半世紀ぶりの街を妻は楽しみにしている。
麦酒と角と芋焼酎のせいで
妻の寝顔が「あの頃」に見えた。

※※※

銅鑼といえば。
『池袋モンパルナス』を明日まで
俳優座劇場にて上演しているのは、
劇団銅鑼である。
その話は、ゆっくりと別に。
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