麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

不安定な天気と『女の平和』

2008年08月29日 | 区民上演グループ
 昨日の天気はなんともはや
 降ったり止んだりな上に、降るときは、とても日本じゃあない勢いの土砂降りで。。。
 帰宅してニュースを見たら、東海から関東・・・東演も公演でよく寄せていただく豊橋や岡崎、劇団員の住む八王子等、被害が大きく驚きました。
 本当に異常気象の脅威がとどまりませんね

 被災された方にはお見舞い申し上げます。

                 

 そんな中、日本じゃあない「ギリシャ」を舞台にした、しかも時代も随分遠くて・・・紀元前411年あたりの戯曲を読んでました。
 B.C.500ってえと、僕はまだ生まれてなくて、東演の誕生にもしばし時間のいる頃。

 有名人(?)で言うとソクラテスさんとかが活躍した時代に書かれ上演された『女の平和』を下北沢演劇祭のグループ「さぎそう」で出来るかしら、と。
 候補の一つに過ぎないのだけれど……。

 第3回の下北沢演劇祭からスタートした区民上演グループ。その初期の頃に上演した作品でもある、アリストパネスさんの書いた喜劇。

 毎度のことながら女性の応募者が多く、できるだけ多くの方に出演いただくために白羽の矢を立ててみました。繰り返しますが、あくまで候補の一つです。

 僕の担当し始めた10年ちょい前は、応募してきた面々を他のグループそれぞれ(当時は3グループ)が、その作品に合った方をピックアップして、上手いとか下手ではなく、たまさかそれらの作品にはフィットしなかった皆様とワークショップをしながら「よし、今年はこの作品を…」ってパターンで進めていました。

 ここ数年は、その形だと成立させるのが難しくなって・・・無理すれば出来なくはないけど、積み重ねた一定のレベルをクリアし続ける面でチト困難になって・・・我々「東演組」も戯曲を元に選考する体制に移行したのダ。

 まあ歴史はこれくらいにして。
 ところが08-09シーズンの今回は、ちょいと準備不足で、あるいは8/25の弊ブログにも少し書いたけれど、軽めのクラッシュアンドビルドを試みたいナ、などとも考えていて・・・。
 ま、そんなこんなで要するにレパートリーが決まらず、少し焦ってるって話でございました。

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ガラスの仮面

2008年08月28日 | 鑑賞
 まずはじめに、女優の鷲尾真知子さんに一言御礼を。

 埼京線の「与野本町」にある彩の国さいたま芸術劇場へ向かっていた僕は、東演の次回作『空ゆく風のこいのぼり』でも美術を担当していただく小池れい嬢とおしゃべりしながら通勤快速に乗っていた。とある駅でやけに人が降りるなぁとか思って車窓の外を見たら、そこに鷲尾さんが立っていて、どー考えても彼女も目指す場所は一緒だよなと瞬時に思い、咄嗟に下車。
 ホームの表示板を見たら、やはり与野本町はスルーであった。ありがとうございます、鷲尾さん。あなたがいなければ大宮まで行って、そこから折り返していたら、きっと開演に間に合わなかったでしょう…。


 さて。本題です。

 あの、未完の傑作漫画『ガラスの仮面』が音楽劇となって、今、日本各地を巡演中です。

以下、文中敬称略

 美内すずえの原作を、青木豪が脚色、そして演出は“世界の”蜷川幸雄!

 42巻に及んでなお、フィナーレは遠い作品を約3時間に収めるのは困難だ。
 それを青木-蜷川は「演劇愛」に昇華させてみせた。

 彩の国ファミリーシアターと銘打って上演された『ガラス~』。
 記者会見で蜷川が「家族そろって劇場に観に来られる作品がほしかった。“演劇の愉しみ”を描いたこの作品が最適だった」と語った言葉を見事に具現化していて、劇中の人物が演劇を愛する姿を描くだけでなく、観た者が「演劇ってこんなに面白いのか、こういう刺激的な舞台があるのか!」と感じるステージになっていた。

 例えば、客席(主に通路)での演技を多用して、間近に俳優の表情を見せたり。。。原作生き写しの月影先生を演じた夏木マリがスッと客席から立ち上がったら、吃驚するし嬉しいヨ
 或いはニナガワ演出お得意の本雨を、これでもかと3回降らしたり。。。これがまた今時のゲリラ豪雨並みに凄い量降るわ降るわ
 セットを建てずに、舞台面積約1,300平方メートルの、奥行き18.18m+18.18mをフルに使った(※)演出も、また彼らしいケレンの効いた見せ方だった。

 つまり、芝居体験の少ない人々の心を鷲づかみする舞台だったのダ。
(※解説)
 お城だった場面が一転未来の大都会へ変わるような時、そのどちらも舞台に乗る大きさである必要があるから、西洋などの普通の劇場は「主舞台」と同じスペースが「袖(両サイド)」や「後」にちゃあ~んとある。
 でも残念ながら、日本では少ない
 まあ、そこで工夫して「え!こんなモノ何処から出てきたの?」と驚かす面白さや、いっそシンプルに、でもカッチョいい舞台を創る努力をしていて、それはそれで楽しいのだけれど。
 とにかく、今回は全部とっぱらって、舞台の大きさ、その奧から人がグワーッといっぱい出てくる迫力や、長い距離を人が去っていくことで感じる寂しさ切なさを観客に届けていました。閑話休題

 
 オーディションで選ばれた若い俳優たちも魅力的で、主役の北島マヤを演じた大和田美帆も、小さい身体からエネルギーを放出して、庶民派ヒロインという役どころにもマッチして実に良かった。

 音楽劇にしなくても…とか、するにして曲数減らせたな、或いはやるならもっとちゃんと歌おうヨ、など思ったりもしましたが。。。
 開場時間、劇場入口のテラスでファンファーレが演奏されるところから始まって、全てにおいてサービス精神に溢れた、原作に負けない、舞台『ガラスの仮面』でした。

 僕は、冒頭書いたように、彩の国さいたま芸術劇場大ホールで観劇。
 首都圏ではこの「埼玉公演」のみで、既に全22公演が終わっています(8/8~24)。このあと「大阪公演」が8/29~シアターBRAVA!(8/31迄)、「福岡公演」は9/5~北九州芸術劇場大ホール(9/7迄)。 
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阿片と拳銃

2008年08月27日 | 鑑賞
東京は久しぶりの青空。
 そんなお天気と同じくらい清々しい作品だったのが『阿片と拳銃』(作・演出/マキノノゾミ)だ!

 劇団M.O.Pのファイナルカウントダウン公演の1本目。

 この突然の解散宣言に惜しむ声が上がりまくっていますネ
 サザンの活動休止クラスのショッキングな“事件”と、演劇界では言えるかもしれません。
 でもきっと、正解なんだろうなあ~と、僕は思います。

 優れた作・演出家を中心にまとまっている集団においては、鮮度が何より大切な“演劇”では、残念だけれどタイムリミットはある。
 「創る側」を支える「観る側」があって、言うまでもなく観る人がいないと成立しない・・・特に演劇は、残しておいて、いつか観て評価してくれる人を待つことが出来ない芸術・・・だから、観客を特に大事にせにゃならん(媚びるのとは違うから難しいけど…)わけだが、だからこそ100%の力を出せるうちに「劇団」を閉じる決断は、結果「観る側」にもきっと親切なんだと思う。

 つか「マキノ・オフィス・プロジェクト」でM.O.Pだもんね、何つったって…。
 それに、M.O.Pの面々が芝居を続ける限りは、容易ではないけれど、マキノ作演出、キムラ・三上・小市主演の作品は、今後も創ることはできるだろうし。。。

 おっと。東演の創立五〇周年を前に、ついつい「集団論」を語っちまいました。

 しかも偉そうにゴタクを並べたけど、M.O.P初見なのだ
 それも紀伊國屋ホールを見逃し、北とぴあへ……。大阪から始まった(7/11~松下IMPホール)ツアーの大楽(*)を滑り込みセーフで観劇。

(*)大阪の後、四国3都市☆、東京は新宿にて8/6~18、とそれぞれに千秋楽はあって、8/20の王子☆がオーラスとなった『阿片と拳銃』。
 ただし☆は一般発売のない、会員限定観劇の公演。

                 

 大変解りやすい作品で、つまりかなりベタで、愛する女の為に殺される芝居を打つあたりなんかは完全にマンガなのだが、それでも尚、ちゃ~んと大人の芝居になっているのがスゴかった!
 
 1939年の上海-59年の京都-79年の浜松を繋ぐ、2人の男と1人の女の物語なんですが、戦争があって戦後になって、年齢の関係でケツは昭和でいうと54年…インベーダーゲームが流行ってた時代で終わるのだけれど、普遍的なテーマなので見事に“今”を射抜いているのが、この作品の背骨がシャンとしているところダ。

 他のブログの感想を見渡しても、前述した劇団3枚看板のキムラ緑子、三上市朗、小市慢太郎を絶賛するものが多い。
 確かに、良い。

 1984年の関西での旗揚げの頃は、つか芝居のみ。それは5年続いて、マキノ作品の登場は89年の第14回公演『HAPPY MAN』を待つことになる。
 やがて東京進出も果たし、マキノ氏はNHKの朝ドラまで書く売れっ子作家になったの周知のこと。M.O.Pは今年24年目を迎えているわけダ。

 そういう意味で、古手の牽引力だの、若手までの距離感だの、最高の状態なんだろうなあ~と。
 いやいや諸々大変で、だからこそのカウントダウンって解った上で。

 東演もそーだけど、M.O.Pにも持ち役があるようで。。。個人的には“拳銃”を持って守山(小市)のオフィスに乗り込んでくる着物姿のキヨを演じた勝平ともこさんが良かったです
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カンクン

2008年08月26日 | 東演
僕の夏休みは終わり、世の中のそれも、ぼちぼち終焉に近づいているので「宿題」をやってない子供たちはそろそろバタバタする頃ではなかろうか。
さて。夏休みといっても、秋の公演の宣材の進行が遅れに遅れて、結局事務所に何度か顔を出したのだけれども・・・そんなわけで、つい旅行代理店のラックなんかが、いつもは気にしないのに、目に入ったりする。
ハワイやグアム、アジアにヨーロッパ・・・定番の“海外旅行”のパンフレットの中で、僕の目を引いたのは、

        カンクン

 カンクン? 聞いたことないゾ。

 僕の夏休みが終わった途端、急に秋めいて、少しは心も落ち着いたところで、謎を解明しようと思った。
「Cancún」はメキシコ合衆国の南東部に位置するカリブ海沿岸の都市で、マヤ語で“ヘビの巣”の意味のリゾート地なんだそうな。

 へえ~

 しかし、いったい何時からメジャーになったのだろう?
 1981年にはサミットも開かれていて、これが脚光を浴びる一因にもなっているようだが…当時中学生だった僕は、神戸で開催されたポートピアに行ったのは覚えているけど、サミットの記憶はないな~。

 そうそう。三宮のデパートで僕が集合時間に遅れ、店内放送で名前を呼ばれたのだが、15歳にもなって呼び出されるのも恥ずかしいが、それより「東京都からお越しの…」とアナウンスされ、「何で川崎じゃあないんだ?」という問いに親が答えて曰く「川崎って言ったら店員が『川崎?それは東京の方ですか?』と聞き返され、どうやら川崎を知らないみたいだった」と。

 当時、既に政令指定都市であったビッグシティ・川崎を知らない人間がいたことに大いにショックを受けたものだった。
 そりゃあ、川崎は1972年の指定都市移行で、大阪、名古屋、京都、横浜とともに5大都市として、1956年に指定を受けた神戸の後輩ではあるけどサ・・・。

 さて、カンクンを知らなかった僕は、デパガのことを言う資格を持たないのだろうか?
  
 ちなみに僕が、六甲山からの夜景を堪能していた8月、東演は恐らく『歌え!悲しみの深く淵より』(作/アンダーソン、演出/木村光一)の稽古に励んでいたことだろう。
 創立者の八田元夫を76年、その翌年に下村正夫を相次いで失い、78年、下北沢に拠点を移し、ようやく新時代が軌道に乗った頃で、『歌え!~』は9月に第47回公演として世に問われるのだが、大きな反響を呼んで全国各地を巡演、83年の再演では芸術祭優秀賞を受賞している。

 時は過ぎて。。。 
 間もなく稽古に入る『空ゆく風のこいのぼり』も芸術祭参加作品だ。久しぶりの受賞を目指す、素敵な作品である。

  
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終幕☆開幕

2008年08月25日 | 区民上演グループ
 北京五輪の最終日・・・つまり昨日、第19回下北沢演劇祭の、世田谷区在住在勤在学者を対象にした企画「世田谷区民演劇上演グループ」の説明会が開かれました。
                            
 今回は男性10名、女性27名の応募があって、当日欠席者を差し引いた28名が、北沢総合支所の一室に集まりました。
 今回、Aグループ改め「さぎそう」と言うレーベルで2月の本番を目指す面々の演出には鷲田照幸氏をお招きしました。
 東演在団時代からフリーランスとなり活動の幅を広げられている現在まで、これが5回目の登板となる氏は、区民グループをもっとも知る演出家の一人と言えます。
 前述の改名は単なる看板の掛け替えではなく、中身にも踏み込んだリニューアルを目論んでいるので、その点でも大いに期待しています。
更地にして建て替えるのじゃなく、あくまで改装なので「この家」のことをよく知る人物が適任。
 
 さて「さぎそう」の栄えある最初の作品を、一緒に紡ぐのは、なかなか面白い顔触れになりそうです。本多劇場グループの指導によるBグループの選考を待って、まずは当事者に葉書で合否が伝えられるので、ここではこれ以上、言えないのですが…。
北島の連続二冠、女子レスリングの全階級メダルで前半は沸き、フェンシングの五輪史上初の表彰台や上野の意地の413球がもたらした女子ソフト悲願の金メダルと興奮は続き、トラック競技80年ぶり…男子で言えばオリンピックで初めてのメダルを奪取した400mリレーと。。。いや、悔しいのや残念なのもあったけれど。。。大いに盛り上がったオリンピックが閉幕した日に、「さぎそう」は第一歩を踏み出しました!

 稽古は、ちょいと間を置いて10月上旬になります。
 2/21~22の本番まで、東演の公演ともども折をみて、この場でお知らせして行きたいと思っています。
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夏休みのお知らせ

2008年08月20日 | 東演
 皆様、夏休みはお済みですか?

       

 東演は、『朗読劇/月光の夏』の公演を終えたのも束の間、9月アタマからは第130回公演『空ゆき風のこいのぼり』の稽古が始まります。
 その前に今月24日(日)には来年2月の下北沢演劇祭・世田谷区民上演グループの説明会(含むオーディション)も。
 そんなこんなの前に・・・。
 常勤者はカワリバンコに夏休みをいただきます(ので、誰かしらはいます。事務所は日曜以外開いてます。)

 今、変換したら「空いてます」と出てナニゲに素通りしてしまいましたが、それじゃあ泥棒に入られてしまうわナ

「空いてます」は「アいてます」とも読めますが「スいてます」とも読めます。

 昨日、南保の外部出演作品『満州の星くずと散った子供たち』を観て来ましたが、横浜みなとみらい小ホールは440席もあって、他人様の公演ながら心配していましたが、テーマがしっかりしている上に海老名芸術プロジェクトの皆様の力は大したもので、老若男女の熱気に会場は包まれていました。
 そう、つまりはまったく「空いてません」でした 
 余計な心配でした「すいません」

 海老名の時とは構成が変わっていましたが、大変整理されて内容的にも素晴らしかったです。
 

 そんなわけで、久しぶりの横浜は若干ひと足早い夏休みな感じでもありましたが・・・不肖私は、明日21日より3日間お休みをいただきます。

 ブログは早くとも24日からの再開になります。
 よろしくお願いします。
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発展と成熟と

2008年08月18日 | 東演
 蝉の声がガザついてきた今日この頃、少し秋めいても来たような気がします。

 北島康介が貫禄のブレスト2冠(100&200)に加え、メドレーでも日本新での銅メダルの原動力になった北京五輪。花形競技の100mやマラソン女子が終了し、残すところ一週間…。早いなあ。

 今日、決勝の高校野球を含め、スポーツ観戦は頑張っているものの、まるで運動不足な自分を大いに反省していたりもする

 08.8/2付の弊ブログに書いた、近藤良平氏の指導(?)のもと“にゅ~盆踊り”に挑んだ際(イドムって程でもないか…)にも大いに感じたことですが、部活引退以来(しかも中学だからな。ただ高校では帰宅部での激務の傍ら、たまに中学行ってコーチはしていたが…)激しい運動から遠ざかっています。
 でもこれは、僕に限らず大半の人がそーだろう
 それで、仕事に余裕ができる立場になるか、医者に言われて運動しないと死ぬくらいのノッピキならない立場に追い込まれるかして、第二のスポーツ期に入るのも、また多いと思う。


 で、タイトルの発展と成熟。
 若くてエネルギー余ってる頃と経験を積んで哲学的意味合いも探りながらの時期と。

 オリンピックを行う都市も、同様に“発展と成熟”、つまりは僕が生まれる前の東京五輪や、僕が出場を目指した(笑)ソウル五輪など、国が成長する過程で、インフラ整備も含んだ「都市力(そして概ね主要都市開催なので国力になる)」の向上=発展の効用。
 まあ、オリンピックに限らずイベントごとはこっちが大半なんだろうけど…。

 これからは、エコも叫ばれる時勢を鑑みて、古都というか侘び寂びな都市でのオリンピックも良いのでは…と思ったりします。

 勿論、東京はまだまだ成熟には程遠いわけで…。いや反対ってわけじゃないんですヨ、あからさまには。
 ただ、8年後にやる必要性を問われれば・・・ねえ

 是非、違うところに「お金」をかけて欲しいです。都民の一人として。
いや。
 そーゆーコナマイキな話をしたかったのではない。
 来年五十周年を迎える東演として、“成熟した舞台”をお届けしなくちゃねって決意である。
 と同時に、若手の育成を含む“発展”も視野に入れつつ

 その具体的作品・・・『空ゆく風のこいのぼり』
 『月光の夏』も一段落、稽古をいよいよ9月4日から始めます!
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月光の夏08、タウンホール報告

2008年08月16日 | 東演
 8月15日を含む“夏”に届ける『ピア・ノソナタ「月光」による朗読劇/月光の夏』がお陰様で無事3公演とも終了しました。

 連日多くの方々にお越しいだだき、改めてこの作品への思いを・・・我々創り手と同じ想いで《平和》を希求する観客に支えられていることに、勇気づけられた3日間でした。



 上はバラシ風景。
 『月光』を描いた“キャンバス”が無地に戻って行く途中です。
 15日昼の公演で、二度と繰り返してはならない戦争について訴える演劇を上演したタウンホール。夜は映画が上演されます。

 そして下は打ち上げ風景。
 この日のピアニスト=仲道祐子さん(左端)にも加わっていただき、東演の拠点パラータで手作りの「お疲れ様」

 

 このあと13日に『月光』を奏でていただいた根岸弥生さんにも駆け付けていただいた打ち上げは、大いに盛り上がりました。

 恐らく役者のブログにも、舞台には載らないおはなしがアップされると思いますが・・・まずは、3日お休みをいただいた弊ブログの、08年『月光』終演のご報告でした。
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振り返るには早すぎる

2008年08月12日 | 鑑賞
お待たせしました。
  いよいよ明日から
  『ピアノ・ソナタ「月光」による朗読劇/月光の夏』
  北沢タウンホールにて公演開始です!


                 


 以下は、北沢タウンホールと同じくシモキタにある、駅前劇場で観た芝居のお話です。

東京Ne+wS『振り返るには早すぎる』
2008年8月7日(木)~11日(月)
下北沢・駅前劇場

 この芝居の稽古が東演パラータで行われていた縁もあって(※)観劇しました。

 ※パラータは現在貸劇場が中心ながら
  空いている場合は稽古場としても
  ご利用いただいております。

“芝居で世の中を変えたい!と大きなことをいう気はありませんが、日々頑張っている人たちが東京Ne+wSの芝居を見て、明日からの毎日を、ちょっぴりでも楽しく愛おしくなってくれれば、という想いで活動しています”(公式HPより)

 という、良き小劇場の心根を持っている劇団は“2002年、奈々恵と+Nヲで始動。現在はその二人に杉谷順也、坪井康浩、スタッフの赤黙の5名に客演を加え、下北沢を拠点に年2回ペースで公演をしている”そうだ。

 過去の公演を紐解いてみたら、2003年『モンキーマン(仮)』に川久保壮一くんが出演していた。
 彼は、弊団の第122回公演『浄瑠璃の庭』(04年)に客演していただいた俳優さんだが、やはりこの世界は狭いナ~。

『振り返るには早すぎる』は、観劇後に“明日からの毎日を、ちょっぴりでも楽しく愛おしくな”ることはなかったけど……これはまぁ劇団全体のコンセプト。
 本公演の当日リーフレットに書いてあった“心は少しだけ温かくなっていたら嬉しいです”は、クリアできていたのではないでしょうか。

 つか、東京Ne+wSの言葉の端々からは「あったかさ」とか「謙遜」を感じるけれども、実際の舞台は、その逆で、結構ハイ・アートっぽい作りになってたりするのダ。
 こりゃ、クセになる集団だと、僕は思いました。
 

 またまた当日リーフから引用すれば“今回のお芝居、漠然とではありますが「ここではないどこか」をイメージして作っております。(中略)といっても、圧倒的世界観ってやつもほぼゼロです。むしろ中途半端です。(中略)中途半端に全力で取り組んでいます”と、ここでも控えめですが、なかなかどうして《近未来》の「ここではないどこか」を描いていました。
 東京Ne+wS風にいえば「描き切らず、描いたような感じで放り出した」とでも言いますか・・・。

 その国は川で隔てられていて、こちらの国で暮らす若者はどうやら「夢」を見づらいようで……でも、それはまさに今の若者の姿であるわけで・・・。
 みたいな。
 なんか芝居の世界に引きずられて、ブログの文章自体ゆる~い言い回しになるナ~。

 どーでもいいことですが。
 『振り返るには早すぎる』HPの出演者のページの、エンドウ役松井基展さんとルナ役タクシセイコさんのバックに写っているのは東演パラータです。
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夏の路地

2008年08月11日 | 鑑賞
                     【文中敬称略】

 戦後生まれ最初の芥川賞作家・中上健次(1946-1992年)。最後の無頼派とも言われた氏の『岬』は、彼の自伝的な作品でもあり、前述の芥川受賞作でもある。

 その『岬』を元にした舞台を昨日観た。

  シンクロナイズ・プロデュース
  次への回路♯1『夏の路地』
  (台本・演出/久次米健太郎)
  8月5日(火)~10日(日)
  ベニサン・ピット

 非常にハイ・クオリティな舞台であった
 最小限に止められた美術、照明、音響。
 何しろ、舞台には四角い盆(*1)があるきりだ。
 色もベニサンのブラックボックスを生かした黒一色。
 時折、卓袱台や戸や障子が登場するくらいで、かわりに俳優が踏切や町の木々等々になり、警報や虫の音等々を発する。

 そんなシンプルな演出が「土と一体化する肉体労働こそ、その血という呪縛から解放される手段だと感じている路地という土地と、そこに流れる複雑な血と性が、彼を取り囲んでいる」
。。。と、当日リーフレットに書かれている中上の世界観を際立たせて見せた!

 若さの中に実父の血に対する敵意を静かにたぎらせる主人公・秋幸を演じた梁瀬満の物語を牽引する演技がまず良かったが、その母を演じた草光純太が秀逸だった。
 圧倒的な存在感の母を、男性ながら見事に演じ切った。体のさばきなどあえて「女性じょせい」しなかったことが逆に「強い母」を観客に突き刺すことに成功していた。

 誤解のないように言えば、2人が突出していたのではなく、出演者12人が21の役を巧みに演じ。。。複数の役の振り方にまた妙味があって、例えば光子の夫・安雄と、光子の新しい恋人を同一人物が演じるなど面白かった。。。素晴らしいアンサンブルを創り上げていたことが、この芝居の強みであった。


*1=回転する舞台。
   通常円形ですがこの作品では正方形でした。

         ※      ※      ※
 
 97年の旗揚げは、自前のアトリエ(川崎市)での『エンジェル ハイロゥ』。第2回公演『JIKEN-1(事件)』で早くも首都圏(川崎)-関西(大阪)の二都市公演。第7回『Kyo-ko』で外の劇場に打って出て(パンプルムス)、第12回公演『僕が、木漏れ日の道を歩くとき』でベニサンピットに進出・・・と確実に歩んできたシンクロナイズ・プロデュースは、本年1月、10周年記念公演となった第20回公演『約束』で再び東京-関西(兵庫)公演を実施。

 そして、この公演は「次への回路♯1」とクレジットされている。
 僕は初めての観劇で、ここにどのような変化があったのか解らないけれど、『夏の路地』一編を観た限りでも、この集団の力は十二分に感じることができた。

 今後、要注目だ
 
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