東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

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借地の明渡し訴訟 (東京・台東区)

2005年08月31日 | 建物明渡(借家)・立退料

      占有移転禁止仮処分をされて貸倉庫の収入がストップ 

 竹内さんは、台東区谷中で17坪を借地している。地代は月額28300円。何十年も、3~6ヶ月分纏めて、地主に払っていた。それが一昨年9月に地代の受領を拒否され、そのまま地代を支払うことなく放置していた。

 2003年6月に地主は、建物占有移転禁止の仮処分を東京地裁に申請し、竹内さんの住宅と賃貸している倉庫部分が仮処分の執行を受けた。竹内さんはこの時点で組合に加入し、放置していた地代15ヶ月分を一括して供託した。 7月地代の不払いを理由に無催告注)で契約解除を通告され、土地の明渡し訴訟を提起された。裁判は組合の二人の弁護士が担当した。

 今一番の痛手は、仮処分を受けたことで倉庫を貸していた会社がトラブルを恐れて倉庫の契約を解除して退去した。そのため倉庫の賃料収入が途切れてしまったことだ。仮処分は裁判の結果を見るまで殆ど継続され、取消は認められないのが通例だ。そのため仮処分の取消があるまでは、二度と倉庫を貸すことが出来ない。この不景気の時世に地主の仮処分による損害は多大だ。

 裁判では、地主側のミスで債務不履行とされたが、借地人の債務不履行は存在しないことが確認され、地代は間違いなく支払われていたことが証明された。

 だが、半年分後払いが履行滞納なのか、慣習化して地主も暗黙の了承していた支払い方法であったのかが問題になった。半年分後払いが10年以上に亘って長期間行なわれ、その間地主から何らかの異議もなかったという事実がある場合には、支払い方法の変更の黙示の合意があたとみなされる。

 それが証明されれば、履行滞納を理由にした契約解除は否定される。だが、竹内さんは銀行振込の控えを殆ど保存していなかったので、半年分後払いが証明できなかった。

 長期間の領収書等の支払いを証明するものがあれば問題がなかったのだが、残念な結果であった。裁判所の結論は4年半後に建物はそのままで借地を明渡すというものであった。

 これに付随して、毎月約15万円支払い続けていた父親の遺した銀行の借金(約450万円)が清算されたことには驚いている。組合に言われ、抵当権を設定している銀行に、今回の判決文を持参して担当者に読んで貰った。その結果が借金0ということである。

 組合は、借地期間が5年に満たないので銀行が竹内さんの建物を競売に掛けても買い手がいないのと競売をやっても経費倒れになるので債権放棄をして、仕方なく自ら不良債権処理をしたのだと説明してくれた。

 (注)契約の解除をするときは、予め相当の期間を定めて履行を催告しなければならない(民法541条)。又、借家の事例であるが、11ヶ月分の家賃を遅滞し契約を無催告で解除された事案で、原判決を破棄し催告は必要であるとしている (最高裁1960年6月28日判決

 借地の場合、借地権及び建物は経済的価値を有し解除に伴う借地人の損失は甚大である。信頼関係を損なわない軽微な義務違反で解除を認めることは権利の濫用である。

 

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