東京・台東借地借家人組合1

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地主の相続人から契約書の作成要求 (東京・足立区)

2011年08月31日 | 契約・更新・特約

 足立区興野で土地を賃借しているAさんは、今年7月に昨年11月に死亡した地主の相続人から「新しく契約書を作成したいので」という通知をもらった。

すぐに2軒隣の組合役員に相談。役員が契約書を見てみると、契約は平成22年3月で期間が満了し、法定更新に入っているとの説明を受けた。また、組合では更新期日後も地代を受け取っている事実を含め、地主側に内容証明郵便で通知するよう助言した。

 

東京借地借家人新聞より

 

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底地の買取交渉が決裂 (東京・大田区)

2011年08月30日 | 地上げ・借地権(底地)売買

 大田区池上地域に約30坪の土地を賃借中のAさんは、父親の代からの組合員で、約20年前の入会している。

 当時組合事務所を訪ねたAさんは、契約更新を控えて地主から土地を返還してほしいので、「一代限り」の契約にしたいといわれての相談だった。横暴な地主の請求を拒否し、借地法に基づき引続き20年期間の更新契約を求め、従前通り更新契約書を締結させることが出来た。Aさんは11年前に死去されて息子さんが借地権を相続した。

 この程、地主の死去に伴い相続問題により、土地(底地)の買取、借地権の売却を不動産業者を介して申し込まれた。Aさんは、組合役員との相談に基づき、売るか買うかと迫る業者に、売値や買値を明らかにさせて交渉するが合意に至らず、従来どおり借地権を継続することと、「今後の交渉は組合を通して頂きたい」と申し入れた。

 後日、組合役員に不動産業者より電話があった。「Aさんが賃借権の継続を主張することは当然の権利で、売買等の交渉は打ち切ったのでご理解頂きたい」と言ってきた。

 

東京借地借家人新聞より

 

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雨漏りの修繕工事費を家賃で相殺 (東京・葛飾区)

2011年08月29日 | 修理・改修(借家)

 葛飾区金町に住むBさんは、賃借中の家屋の雨漏りの修繕を組合を通じて家主に要求した。家主の代理人弁護士より組合に「修繕の実行については回答を保留する」との回答があった。

 雨漏りの修繕を拒否されたBさんは、やむなく工務店に修繕を依頼し、工事を完了させた。当然その工事見積書は家主に送付した。修繕費の支払を家主に拒否されたので、毎月支払う家賃の半額を家賃から相殺し、修繕費が回収されるまで家賃からの相殺を続ける予定だ。

 

東京借地借家人新聞より

 

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大震災と借地借家問題

2011年08月27日 | 民法・借地借家法・裁判・判例

 東借連は、夏季研修会を全借連と共催で7月23日午後1時半から豊島区のラパスホール会議室で37名の参加で開催した。今年は東日本大震災を受けて、首都圏や全国各地で大規模な地震などによる建物の倒壊などの問題に備えて「大震災と借地借家問題」というテーマで行なった。研修会は、佐藤富美男会長(全借連副会長)が司会を行い、冒頭河岸清吉全借連会長が開会の挨拶を行なった。

 はじめに、尼崎借地借家人組合の田中祥晃組合長より「阪神・淡路大震災での借地借家相談活動について」とテーマで報告がされた。阪神・淡路大震災当時、尼崎市の市民の26%が老朽化した木造借家に住んでいて被災を受け、マンションへの建替え等を理由に明渡し相談が激増した。大震災直後に全借連の支援を受け、「震災被災借地借家人の会」を立上げ、被災した借地借家人の権利を守るためのリーフレット2万部を作成し宣伝し、活発な相談会活動を行った。無料会員が3ヶ月で2千人入会し、その後の尼崎借地借家人組合の母体となった。当時の地上げ屋との交渉や立退き問題の調停裁判の様子などがリアルに報告された。

 次に、東借連常任弁護団の西田穣弁護士より「罹災と借地借家問題」と題して、罹災都市借地借家臨時処理法(罹災法)について、罹災法の権利内容として(1)罹災借家人の敷地優先賃借権、(2)罹災借家人の借地優先譲受権、(3)罹災借家人の建物優先賃借権以上について解説され、罹災借家人に特別な私法上の権利を付与しているのが罹災法の特徴であると指摘された。これらの権利について、日本弁護士連合会は改正を求める意見書を出しているために、政府も東日本大震災の被災地に適用する政令による指定が見送られている。罹災法がなぜ適用すると問題になるのか等について同法の問題点が明らかにされ、西田弁護士は罹災法について実効性のある制度にするために「建物を震災で失った借地人が簡易に借地権譲渡を可能とする規定の創設、借家人に対し優先賃借権を中心とする救済制度の再構築、家賃補助制度の創設が必要である」と強調した。

最高裁判決を受け更新料の対応学習
 西田弁護士は余談として、更新料・敷引契約をめぐる最高裁判決について報告。更新料をめぐる訴訟としてA更新料支払請求事件、B建物退去もしくは建物収居土地明渡請求事件(更新料不払による債務不履行)による賃貸借契約の解除、C支払済み更新料の不当利得返還請求事件について3つの類型毎に今後の対応について報告した。借家契約で更新料条項が明確で、1ヶ月~1・5ヶ月の条項で無効を争うのは困難であり、今後「更新料条項のない家屋を賃借する」といった運動を作っていく必要があるのではと問題提起した。討論の最後に、更新料の学習会を秋に開催することを確認した。

 

東京借地借家人新聞より

 

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地上げ屋に明渡交渉の終了を通告 (東京・北区)

2011年08月26日 | 地上げ・借地権(底地)売買

 北区東十条の組合員であるAさんとBさんは、同じ地主と借地契約を結び各々結婚以来50数年、この地で生活してきた。1年以上前に突然関西の不動産業者(地上げ屋)が来て、地主より委任を受けたとのことで土地の明渡しを要求してきた。

 両人は組合へ全て依頼をしているという事で明渡しを拒否。その後業者は組合と話し合いを数回行い、明渡しの条件を提示。条件は①マンションに建替えるので完成後各々好きな部屋で一生生活してほしい。②それが不満であるという事であれば底地を買い上げたいというもの。組合としては両人とも高齢で住み慣れた場所を離れるわけにいかない。これ以上無駄な営業活動をしても無意味であると通告し、話し合いを終了させた。

 

東京借地借家人新聞より

 

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地主の値上げ要求に、拒否回答 (東京・板橋区)

2011年08月25日 | 地代の減額(増額)

 東京の板橋区に住むAさんに今年の夏に「地代の値上げのご通知」という書類が届けられました。

 2年前の春に地代値上げの通知が送られてきて、交渉事が苦手で面倒くさいと考え、「坪100円の値上げならば」と承諾して払ってしまいました。

 今回の通知には、3年間(値上げの時期さえ間違え)値上げしなかったのだからとあたりまえのように、坪あたり100円の値上げを請求し、一方的に7月分より入金するよう通知して来ました。

 その上、この通知には、4年後の更新時には、本人の居住を理由に更新拒絶を行い、話合いにはいつでも応じる用意がありますと書かれていました。

 そこで借地借家人組合の相談会に来ました。組合では地代の増減は①経済事情の動向②公租公課の増減③近隣との比較の要素があることが説明し、今回の値上げには応じられないとする通知を出すことにしました。

 

 

全国借地借家人新聞より

 

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建物明渡通知を白紙撤回 (神奈川)

2011年08月24日 | 建物明渡(借家)・立退料

 Aさんは平成15年より木造2階建テラスハウス(面積72.96㎡)を敷金48万円、賃料1ヶ月15万2000円で18年間賃借してきました。突然、家主代理人の管理会社から家屋の老朽化を理由に更新を拒否され、6ヶ月後の明渡通知を受けました。Aさんは友人に相談したところ、組合を紹介され、組合をを訪ね入会しました。

 組合の協力を受けて管理会社との折衝に入り、再三折衝を重ねた結果、具体的な条件提示が書面にて正式に送付されました。Aさんと組合で検討を加え、条件提示に対して修正案を提示し、回答を求めたところ、管理会社から全面的に了解の回答が送付されました。

 明渡期間を5ヶ月とする合意契約書を取り交わし、Aさんも移転先を探す努力をしましたが、どこの物件も条件が折り合わず、明渡しを断念することとなりました。その旨を管理会社に書面で正式に提出し、回答を待ちました。管理会社からは、止むを得ない事情であり、今回の明渡しの件については、一切白紙撤回する旨の回答があり解決しました。Aさんは組合の全面的な対処に感謝し、今後も組合員として継続して組合に協力していきたいと確約してくれました。

 

全国借地借家人新聞より

 

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大震災と老朽化を理由に明渡請求 (千葉)

2011年08月23日 | 建物明渡(借家)・立退料

 6月に入り、家主の代理人の不動産業者より電話で協議の申し出がありました。Mさんと話し合いの上、協議に応じることにしました。Mさんに再度、今後とも現在の借家に住み続けることを確認し、当日はMさんは少し疲れ気味で、私は初めてのことなので緊張気味で臨みました。

 話し合いの内容は明渡しに当って、4か月~5か月分の賃料免除、次に契約は定期借家で1~2年で明渡してほしいとのことでしたが、到底のめる話でないので、全て断りました。話し合いの最後に家主から安い賃料でかつ更新料もとらずに貸しているのにと文句を言って話し合いは決裂しました。

 7月に入り、家主よりMさんあてに、不動産譲渡証明書がきました。家主がMさん借りている家を不動産業者に売ったのです。不動産業者からすぐに、不動産譲受通知及び建物明渡し予告通知書が送られてきました。Mさんと話し合い、改めて不動産業者の明け渡しには応じられない旨を文書で送りました。不動産業者は再度、明渡しを告げてきましたので、供託することにしました。まず初めに家賃の支払い方法をMさんに聞くと家主が家賃を取りにくるとのことなので、借家人の住所を管轄する法務局に供託するので近くてよいので供託して闘うことを確認しました。

 

全国借地借家人新聞より

 

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更新料支払特約のない契約書の場合は更新料の支払義務がない (東京・中野区)

2011年08月22日 | 更新料(借地)

 中野区沼袋の駅から5分のところで借地しているAさんは20年前の更新の時に、古くなった家の建替えを検討し、家の建て替えを地主と交渉し、2年以内に建て替えをすることに合意し、建替え承諾料を支払って、合意更新をした。

 20年が経過し、地主の代理人の不動産会社から、20年前と同じ更新料だといって更新するなら更新料を支払えと通知してきた。以前から借地借家人組合を知っていたAさんは、組合が毎月行っているA百貨店の無料の相談会に来て相談した。

 契約書を相談員に見てもらったところ、契約書には更新料支払う特別な約束点は、「契約更新として(1)期間満了時に更新を希望するときは、更新料を支払ったうえ、更新契約を締結することができる。(2)更新料の金額は時価相当の7割を借地権価格としてその10%相当額を更新料の基準額として協議の上定める。(3)更新契約が締結されなかったときは、本契約と同一条件で更に更新されるものとするという更新料支払い特約が記載されており、絶対に認められない契約書であると説明した。

 Aさんは地主宛に「更新料について(1)支払い特約がない場合、最高裁判決(*)で明らかなように支払義務がないが更新料を請求をする法的根拠を示せ。(2)具体的な金額についてもその根拠を示せ。(3)このような契約書案を提示したが借地人にとってプラスになることがあるのか以上3点について回答を求めた。

(*)
【判例紹介】 更新料を支払う借地契約上の合意がない場合に更新料請求は認められない

【判例】 *更新料支払の慣習を否定し、更新料支払義務なしとした最高裁昭和51年10月1日判決 (1)

【判例】 *更新料支払の慣習を否定し、更新料支払義務なしとした最高裁昭和53年1月24日判決 (2)

【判例紹介】 借地法定更新で更新料支払いの慣習は認められないとした事例

 

東京借地借家人新聞より

 

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罹災法で学習会を開く、日弁連の意見受け実効性ある制度に

2011年08月20日 | 民法・借地借家法・裁判・判例

 東日本大震災を受けて、7月23日の午後1時半から全借連と東借連は共催で「大震災と借地借家問題」というテーマで夏季研修会を開催しました。会場の東京都豊島区のラパスホール会議室には東京を中心に全国から37名が参加しました。研修会は、佐藤富美男副会長が司会を行い、冒頭河岸清吉全借連会長が開会の挨拶を行ないました。

 はじめに、尼崎借地借家人組合の田中祥晃組合長より「阪神・淡路大震災での借地借家相談活動について」とテーマで報告がされました。

 阪神・淡路大震災当時、尼崎市では老朽化した木造借家に住んでいる多くの市民が被災を受け、マンションへの建替え等を理由に明渡し相談が激増しました。大震災直後に全借連の支援を受け、「震災被災借地借家人の会」を立上げ、被災した借地借家人の権利を守るために活発な相談会活動を行ったことが報告されました。当時の地上げ屋との交渉や立退き問題の調停裁判の様子などがリアルに報告されました。

 次に、東借連常任弁護団の西田穣弁護士より「罹災と借地借家問題」と題して、罹災都市借地借家臨時処理法(罹災法)について、罹災法の権利内容として(1)罹災借家人の敷地優先賃借権、(2)罹災借家人の借地優先譲受権、(3)罹災借家人の建物優先賃借権以上について解説され、罹災借家人に特別な私法上の権利を付与しているのが罹災法の特徴であると指摘されました。

 これらの権利について、日本弁護士連合会は改正を求める意見書を出しているために、政府も東日本大震災の被災地に適用する政令による指定が見送られていると報告されました。

 西田弁護士は罹災法について実効性のある制度にするために「建物を震災で失った借地人が簡易に借地権を譲渡を可能とする規定の創設、借家人は優先賃借権を中心とする救済制度の再構築、家賃補助制度の創設が必要である」と強調しました。

 西田弁護士は、7月に判決が下された更新料・敷引契約をめぐる最高裁判決について報告。更新料をめぐる訴訟としてA更新料支払請求事件、B建物退去もしくは建物収去土地明渡請求事件(更新料不払による債務不履行)による賃貸借契約の解除、C支払済み更新料の不当利得返還請求事件について3つの類型毎に今後の対応について報告がありました。罹災法と更新料問題で講師に対して質疑応答がありました。

 

 

全国借地借家人新聞より

 

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【判例】*借家契約の更新料支払特約に関する最高裁判決 (2011年7月15日判決)

2011年08月18日 | 更新料(借家)

判例紹介

事件番号・・・ 平成22(オ)863

事件名・・・ 更新料返還等請求本訴、更新料請求反訴、保証債務履行請求事件

裁判所・・・ 最高裁判所第二小法廷

裁判年月日・・・ 平成23年7月15日

裁判種別・・・ 判決

原審裁判所・・・ 大阪高等裁判所

原審事件番号・・・ 平成21(ネ)2690

原審裁判年月日・・・ 平成22年2月24日

裁判要旨
1 消費者契約法10条と憲法29条1項
2 更新料の支払を約する条項の消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」該当性

 

主     文

 1 原判決中、被上告人Xの定額補修分担金の返還請求に関する部分を除く部分を破棄し、同部分に係る第1審判決を取り消す。

 2 前項の部分に関する被上告人Xの請求を棄却する。

 3 上告人のその余の上告を却下する。

 4 被上告人らは、上告人に対し、連帯して、7万6000円及びこれに対する平成19年9月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 5 訴訟の総費用のうち、上告人と被上告人Xとの間に生じたものは、これを4分し、その1を上告人の、その余を同被上告人の負担とし、上告人と被上告人Zとの間に生じたものは同被上告人の負担とする。


理     由

  第1 上告代理人田中伸、同伊藤知之、同和田敦史の上告理由について

  1 上告理由のうち消費者契約法10条が憲法29条1項に違反する旨をいう部分について

  消費者契約法10条が憲法29条1項に違反するものでないことは、最高裁平成12年(オ)第1965号、同年(受)第1703号同14年2月13日大法廷判決・民集56巻2号331頁の趣旨に徴して明らかである(最高裁平成17年(オ)第886号同18年11月27日第二小法廷判決・裁判集民事222号275頁参照)。論旨は採用することができない。

 2 その余の上告理由について

 その余の上告理由は、理由の不備・食違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、民訴法312条1項及び2項に規定する事由のいずれにも該当しない。

 3 なお、上告人は、被上告人Xの定額補修分担金の返還請求に関する部分については、上告理由を記載した書面を提出しない。

 第2 上告代理人田中伸、同伊藤知之、同和田敦史の上告受理申立て理由について

 1 本件本訴は、居住用建物を上告人から賃借した被上告人Xが、更新料の支払を約する条項(以下、単に「更新料条項」という。)は消費者契約法10条又は借地借家法30条により、定額補修分担金に関する特約は消費者契約法10条によりいずれも無効であると主張して、上告人に対し、不当利得返還請求権に基づき支払済みの更新料22万8000円及び定額補修分担金12万円の返還を求める事案である。

 上告人は、被上告人Xに対し、未払更新料7万6000円の支払を求める反訴を提起するとともに、連帯保証人である被上告人Zに対し、上記未払更新料につき保証債務の履行を求める訴えを提起し、この訴えは、上記の本訴及び反訴と併合審理された。

 2 原審の適法に確定した事実関係の概要等は、次のとおりである。

 (1) 被上告人Xは、平成15年4月1日、上告人との間で、京都市内の共同住宅の一室(以下「本件建物」という。)につき、期間を同日から平成16年3月31日まで、賃料を月額3万8000円、更新料を賃料の2か月分、定額補修分担金を12万円とする賃貸借契約(以下「本件賃貸借契約」という。)を締結し、平成15年4月1日、本件建物の引渡しを受けた。

 また、被上告人Zは、平成15年4月1日、上告人との間で、本件賃貸借契約に係る被上告人Xの債務を連帯保証する旨の契約を締結した。
 本件賃貸借契約及び上記の保証契約は、いずれも消費者契約法10条にいう「消費者契約」に当たる。

 (2) 本件賃貸借契約に係る契約書(以下「本件契約書」という。)には、被上告人Xは、契約締結時に、上告人に対し、本件建物退去後の原状回復費用の一部として12万円の定額補修分担金を支払う旨の条項があり、また、本件賃貸借契約の更新につき、① 被上告人Xは、期間満了の60日前までに申し出ることにより、本件賃貸借契約の更新をすることができる、② 被上告人Xは、本件賃貸借契約を更新するときは、これが法定更新であるか、合意更新であるかにかかわりなく、1年経過するごとに、上告人に対し、更新料として賃料の2か月分を支払わなければならない、③ 上告人は、被上告人Xの入居期間にかかわりなく、更新料の返還、精算等には応じない旨の条項がある(以下、この更新料の支払を約する条項を「本件条項」という。)。

 (3) 被上告人Xは、上告人との間で、平成16年から平成18年までの毎年2月ころ、3回にわたり本件賃貸借契約をそれぞれ1年間更新する旨の合意をし、その都度、上告人に対し、更新料として7万6000円を支払った。

 (4) 被上告人Xが、平成18年に更新された本件賃貸借契約の期間満了後である平成19年4月1日以降も本件建物の使用を継続したことから、本件賃貸借契約は、同日更に更新されたものとみなされた。その際、被上告人Xは、上告人に対し、更新料7万6000円の支払をしていない。

 3 原審は、上記事実関係の下で、本件条項及び定額補修分担金に関する特約は消費者契約法10条により無効であるとして、被上告人Xの請求を認容すべきものとし、上告人の請求をいずれも棄却すべきものとした。

 4 しかしながら、本件条項を消費者契約法10条により無効とした原審の上記判断は是認することができない。その理由は、次のとおりである。

 (1) 更新料は、期間が満了し、賃貸借契約を更新する際に、賃借人と賃貸人との間で授受される金員である。これがいかなる性質を有するかは、賃貸借契約成立前後の当事者双方の事情、更新料条項が成立するに至った経緯その他諸般の事情を総合考量し、具体的事実関係に即して判断されるべきであるが(最高裁昭和58年(オ)第1289号同59年4月20日第二小法廷判決・民集38巻6号610頁参照)、更新料は、賃料と共に賃貸人の事業の収益の一部を構成するのが通常であり、その支払により賃借人は円満に物件の使用を継続することができることからすると、更新料は、一般に、賃料の補充ないし前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である。

 (2) そこで、更新料条項が、消費者契約法10条により無効とされるか否かについて検討する。

 ア 消費者契約法10条は、消費者契約の条項を無効とする要件として、当該条項が、民法等の法律の公の秩序に関しない規定、すなわち任意規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重するものであることを定めるところ、ここにいう任意規定には、明文の規定のみならず、一般的な法理等も含まれると解するのが相当である。そして、賃貸借契約は、賃貸人が物件を賃借人に使用させることを約し、賃借人がこれに対して賃料を支払うことを約することによって効力を生ずる(民法601条)のであるから、更新料条項は、一般的には賃貸借契約の要素を構成しない債務を特約により賃借人に負わせるという意味において、任意規定の適用による場合に比し、消費者である賃借人の義務を加重するものに当たるというべきである。

 イ また、消費者契約法10条は、消費者契約の条項を無効とする要件として、当該条項が、民法1条2項に規定する基本原則、すなわち信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであることをも定めるところ、当該条項が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるか否かは、消費者契約法の趣旨、目的(同法1条参照)に照らし、当該条項の性質、契約が成立するに至った経緯、消費者と事業者との間に存する情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の事情を総合考量して判断されるべきである。

 更新料条項についてみると、更新料が、一般に、賃料の補充ないし前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有することは、前記(1)に説示したとおりであり、更新料の支払にはおよそ経済的合理性がないなどということはできない。また、一定の地域において、期間満了の際、賃借人が賃貸人に対し更新料の支払をする例が少なからず存することは公知であることや、従前、裁判上の和解手続等においても、更新料条項は公序良俗に反するなどとして、これを当然に無効とする取扱いがされてこなかったことは裁判所に顕著であることからすると、更新料条項が賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載され、賃借人と賃貸人との間に更新料の支払に関する明確な合意が成立している場合に、賃借人と賃貸人との間に、更新料条項に関する情報の質及び量並びに交渉力について、看過し得ないほどの格差が存するとみることもできない。

 そうすると、賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらないと解するのが相当である。

 (3) これを本件についてみると、前記認定事実によれば、本件条項は本件契約書に一義的かつ明確に記載されているところ、その内容は、更新料の額を賃料の2か月分とし、本件賃貸借契約が更新される期間を1年間とするものであって、上記特段の事情が存するとはいえず、これを消費者契約法10条により無効とすることはできない。また、これまで説示したところによれば、本件条項を、借地借家法30条にいう同法第3章第1節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものということもできない。

 5 以上によれば、原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな違法があり、論旨はこの趣旨をいうものとして理由がある。なお、上告人は、被上告人Xの定額補修分担金の返還請求に関する部分についても、上告受理の申立てをしたが、その理由を記載した書面を提出しない。

 第3 結論

 以上説示したところによれば、原判決中、被上告人Xの定額補修分担金の返還請求に関する部分を除く部分は破棄を免れない。そして、前記認定事実及び前記第2の4に説示したところによれば、更新料の返還を求める被上告人Xの請求は理由がないから、これを棄却すべきであり、また、未払更新料7万6000円及びこれに対する催告後である平成19年9月19日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める上告人の請求には理由があるから、これを認容すべきである。なお、被上告人Xの定額補修分担金の返還請求に関する部分につての上告は却下することとする。

 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。


(裁判長裁判官 古田佑紀  裁判官 竹内行夫  裁判官 須藤正彦  裁判官 千葉勝美)

 

 

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【Q&A】 地上げ屋の対処 どうしたらよいか

2011年08月03日 | 地上げ・借地権(底地)売買

 (問) 私の賃借している土地(底地)が地上げ屋に買取られ、借地権(家屋)を売るか、土地を買取るかと求められて悩んでいます。


 (答) 新たな賃貸人なのかを土地の謄本等を提示させて確認し、地代の支払い方法も確認することが必要です。新賃貸人が確認できない場合や地代の受領を拒否された場合は、供託することになります。

 地上げ屋から家屋を売るか買うかといわれても恐れることありません。あなたが賃借人(借地権者)であること。さらに、家屋の保存登記がしてあれば土地が第三者に売られても対抗力があるので、臆することなく整然と対応することが大切です。

 土地の買取を検討する場合は、相手の提示額を考慮するのではなく、自らの経済状況を踏まえて家族と話し合い、生活に無理のない金額を提示し、協議が整わない場合は直ちに交渉を打ち切ることです。何も躊躇することはありません。何故ならあなたは、買取をお願いされている立場であり、あなたの提示する金額で折り合わない場合は、売買協議を打ち切ることは当然で、商法の原則です。よって、賃借人として地代の支払いを継続することを伝えれば、事は完了となります。

 従って長く話し合うことは必要ありません。長時間居座られて嫌な思いをするような場合は直ちに警察に連絡することが大切です。最も重要なことはイエス、ノーをはっきりと伝えて毅然と対応することです。

 

全国借地借家人新聞より

 

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事業用店舗、敷金より高額な礼金 (兵庫・尼崎市)

2011年08月01日 | 敷金(保証金)・原状回復・消費者契約法

 昨年12月、Aさんは事業用店舗として賃借しました。契約内容は、家賃月額43万円、敷金150万円、礼金180万円を支払い、4月分家賃1か月分を未納のまま4月末に明渡しました。

 4月分家賃は、保証会社が家主に支払いましたが、Aさんは保証会社に家賃をし払わなければなりませんが支払うことができません。その保証会社がAさんに組合を紹介してくれたといいます。

 組合と保証会社の関係は以前に家賃が払えないから滞納しているにもかかわらず、無理な高額家賃を期日までに支払えと強引な家賃取立てに対し交渉したことがありました。

 Aさんが建物を引き渡す場合、原状回復といって、故意・過失で造作を毀損した時は造作などを借りた状態にすることであり、通常損耗まで原状回復する必要はありません。今回、家主から受け取った修繕見積書は百数十万円、Aさんの知り合いの修繕見積書は数十万円。比較すると大きな開きがあること。4か月借りたのに礼金180万円が帰ってこないことに疑問を持ち組合に相談したといいます。

 きっと、家主は礼金を返す必要はない。敷金返還も原状回復費用で相殺できると考えているのではないでしょうか。しかし、大阪簡易裁判所で礼金返還を求める新たな判決が出ました。礼金は賃料の前払いであって、未使用期間分の礼金は消費者契約法第10条に反するとして賃借人に返還を命じています。

 敷金は基本的には返ってきます。家賃の未払いや故意・過失など、債務は敷金から差し引かれて返還されます。組合は、当事者が解決に向けて話し合いを持つことにしています。

 

全国借地借家人新聞より

 

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