東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

保証金/敷金トラブル/原状回復/法定更新/立退料/修繕費/適正地代/借地権/譲渡承諾料/建替承諾料/更新料/保証人

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家主から原状回復費用請求訴訟申立をされる (神奈川・川崎市)

2006年04月27日 | 敷金(保証金)・原状回復・消費者契約法

 川崎市内の賃貸マンションを退去したKさんは家主から敷金10万4000円を上回る20万円を請求され、組合に加入した。 

 組合の支援と協力を得てkさんは家主と再三折衝を重ねた。しかし、家主は一方的に川崎簡易裁判所に原状回復費用請求訴訟を申し立てた。

 裁判所から訴状が送付され、Kさんは組合と相談した上で家主側の訴状を慎重に検討し、答弁書を作成して裁判所に提出した。

 第1回は裁判官から原告(貸主)と被告(借主)双方の事情聴取で終了した。

 第2階は被告(借主)側の答弁書に焦点が絞られ、原告(貸主)側に対して具体的な質問が集中され、次回判決を言い渡すことで終了した。

 第3回は原告(貸主)が欠席し、裁判官が被告(借主)に対して勝訴の判決を言い渡し5分で裁判は終了した。

 その後、原告(貸主)側から異議申立がなされず、借主の勝訴で判決の確定となた。

 

全国借地借家人新聞より

 

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家賃+消費税で支払え (東京・豊島区)

2006年04月25日 | 家賃の減額(増額)

 豊島区のJR池袋駅から歩いて10数分。通り沿いにラーメン店を営む中村さんは組合に入会して10数年が経っている。

 毎回の更新時に家主とその代理人である不動産屋から嫌がらせを受けている。その他にも、店の前に置いてある自転車の度重なるパンク、店の前に、上からたまごが落とされるなど。

 今回の更新では「家賃は現行通りとする。しかし消費税5%を上乗せして支払うこと」という通知を受けた。そこで、組合に相談し、相手の不動産屋に応じられないので現行通りの家賃で支払う旨返答したところ、不動産屋は「それなら裁判だ」と脅かしてきた。 

 心配になった中村さんは、組合に相談し、家主に対して次のような文書を作成してもらった。それは、「現在、消費税は内税ですでに納めている。今回の新たな請求は賃料の値上げ請求であるので、一方的な値上げには応じられない。本来ならば値下げ請求をしたいくらいであるが、現状維持ならば、合意更新するが駄目ならば法定更新にする」という内容で、その日のうちに文書を家主に郵送した。

 

東京借地借家人新聞より

 

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不当な遅延損害金を取り戻す (東京・練馬区)

2006年04月21日 | 敷金(保証金)・原状回復・消費者契約法

    不当な遅延損害金を消費者契約法で取り戻す

 練馬区に住む関口さんは体調を崩し、仕事ができなくなり生活保護を受給する事になった。生活保護費の受給が月初めなので、それを待って家賃の支払をした。

 ところが、建物を管理している会社は、契約書に「賃料は月の28日までに翌月分を支払うこと」と書かれており、「1日でも家賃が遅れた場合は1か月相当分の遅延損害金を支払うこと」という約定を楯に遅延損害金26000円を支払えと請求して来た。

 管理会社は、借主に無断で入室するという非常識を繰返し、更に常識を超える頻度で請求の電話を掛けてきた。これらの不法行為を繰返し行われることに対して関口さんは精神的にまいってしまい、管理会社の言うがままに遅延損害金を全額支払ってしまった。

 それらのことを心配した母親が組合に相談に来た。組合では即刻相手に電話で「不法な遅延損害金の返却と嫌がらせの中止」を警告したが、管理会社の社員は消費者契約法を理解しておらず、改めて消費者契約法違反を文書で通知した。

 後日、関口さんの母親から遅延損害金が戻ってきたと電話で報告があり、「法律相談で弁護士から約束だから支払わなければ駄目だと言われた。だが、諦めずに組合に相談して頑張った甲斐があった」と感想を述べてくれた。

東京借地借家人新聞より

 


 

 消費者契約法
(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)
第9条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。

 1 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分

 2 当該消費者契約に基づき支払うべき金銭の全部又は一部を消費者が支払期日(支払回数が2以上である場合には、それぞれの支払期日。以下この号において同じ。)までに支払わない場合における損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額に年14.6パーセントの割合を乗じて計算した額を超えるもの 当該超える部分 

(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第10条 民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

 

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借地での建替え (東京・大田区)

2006年04月19日 | 増改築・改修・修繕(借地)

 借地非訟手続で裁判所から 
   建替承諾の許可を得て2階建てを新築

 大田区北糀谷1丁目に居住する河原さんは、3年前に借地(約36坪)の更新料を支払い、更に近隣の平均よりも高額な地代への改定にも同意して更新契約を締結した。

 それは総て地主の建替承諾を得るためである。仲介の不動産業者が地主の言い値で更新料と地代値上げを認めるのであれば、引換え条件として地主の建替承諾許可の同意を取り付けるという提案があたからだ。当時、地主(5人の相続人全員)は建替承諾を口頭であるが、了承して共有賃貸人として合意したものである。

 河原さんは、建替えの挨拶をしたところ、共有賃貸人の1人から相続での取り分が少ないという理由で借地の返還を求められた。不動産業者に相談しても我関知せずの態度のため、組合に相談し入会した。

 早速、組合は借地借家法17条に基づく増改築承諾許可の非訟手続を裁判所へ申し立てた。増改築許可申立の際に、共有賃貸人の1人が死去し、その相続人4人が加わり計8人相手の申立となった。

 後日、裁判所の許可の条件は、更地価格の3%の承諾料ということで決定した。

 しかし、地主側は承諾料と地代の受領を拒否している。止むを得ず、それらは法務局へ供託している。

  地主の嫌がらせは続く、非訟手続申立の際に図面に塀の設置が書き込まれていなかったことに難癖をつけ、工事の妨害をするなどである。

 河原さんは、地主の妨害をはねのけて新築建物を完成させ、塀の工事も完了させた。 玄関脇の柿木は風雪に耐えて見事な実をつけた。

東京借地借家人新聞より

 


 借地借家法
 借地条件の変更及び増改築の許可
第17条 > 建物の種類、構造、規模又は用途を制限する旨の借地条件がある場合において、法令による土地利用の規制の変更、付近の土地の利用状況の変化その他の事情の変更により現に借地権を設定するにおいてはその借地条件と異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる。

 増改築を制限する旨の借地条件がある場合において、土地の通常の利用上相当とすべき増改築につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、その増改築についての借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。

3 裁判所は、前2項の裁判をする場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、他の借地条件を変更し、財産上の給付を命じ、その他相当の処分をすることができる。

4 裁判所は、前3項の裁判をするには、借地権の残存期間、土地の状況、借地に関する従前の経過その他一切の事情を考慮しなければならない。

 転借地権が設定されている場合において、必要があるときは、裁判所は、転借地権者の申立てにより、転借地権とともに借地権につき第1項から第3項までの裁判をすることができる。


6 裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、第1項から第3項まで又は前項の裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない。
 
 (注) 借地権者=借地人   借地権設定者=地主
 
 

東京借地借家人新聞より

 

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保証金が戻った (東京・豊島区)

2006年04月17日 | 敷金(保証金)・原状回復・消費者契約法

  豊島区要町で料理屋を経営している大石さんは、3年前の店舗の更新問題で組合に入会した。その時には組合が作成した文書を家主に送り、更新時の更新料2ヶ月分を1か月分に変更、家賃40万円を5万円減額させた。

 今回、家主は更新料を2万円負けるから契約更新しようと催促してきた。長引く不況で、この店舗を借りた10年前に比べると売上は半分以下に減少しており、営業を続ける上でも大変と考え組合に相談した。駄目で元々となのだからと家賃、更新料、共益費の減額などを請求することにした。

 契約書を検討したところ、バブルの頃の契約で保証金が1000万円もあることが判明し、保証金の返還も合わせて請求することにした。組合で文書を作成し、家主に提示したところ保証金500万円を返還すると回答してきた。

 大石さんは「保証金の返還は考えてもいませんでした。返還された保証金は店の回転資金として使います。本当に助かりました。」と喜んでいた。

 

東京借地借家人新聞より

 

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明渡しで家主敗訴 (東京・豊島区)

2006年04月14日 | 建物明渡(借家)・立退料

 豊島区長崎のマンションに上山さんは平成8年から住んでいる。家主の借金が原因で、家主が交代するという通知を平成13年11月に受けていた。

 その後、立退き問題が浮上し、新家主との間で金銭補償で話合いが行われたが、合意に至らなっかた。 そんな中で、給湯器の修理修繕で問題が紛糾し、新家主との関係が悪化していた矢先に突然、家主が建物明渡しの訴訟を提起して来た。

 明渡し理由は、上山さんがこのマンションの住所に自分の会社の登記をしていたことが居住以外の使用を禁止する契約条項に違反するというものである。所謂、用法違反を理由に訴えたものである。

 裁判を起こされてから組合に入会した上山さんは、弁護士を頼まずに組合の指導と援助を受けて裁判所に答弁書、準備書面などを提出した。裁判の途中で和解の話合いも持たれたが、金額で折り合いがつかずに不調に終わり判決となった。

 6月に行われた判決で、家主の敗訴が確定した。上山さんは、引き続きこのマンションに住み続けることになった。

 

東京借地借家人新聞より

 

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更新に際して家主に家賃・保証金の減額を要求してみたら (東京・中野区)

2006年04月13日 | 敷金(保証金)・原状回復・消費者契約法

      賃料は15%減額、保証金は25%返還
             減額請求に対し、更新料も免除と家主が回答

 中野区の新井薬師でビルの1階を賃借し,料理屋を経営している佐藤さんは契約更新の時期を迎えた。年々営業が苦しくなる中で、契約更新に際して、家主に対し幾つかの交渉をして経営の安定を目指したいと考え、そのことで組合に相談した。

 契約書の中にはバブルの頃の影響もあって、保証金は5年間で40万円。その上更新に際しては、新賃料の1か月分と書かれていた。代理人の不動産会社は当然のように賃料は現行通り、更新料は1か月分を請求してきた。

 組合との相談で佐藤さんは、賃料の2割値下げ、保証金の約5割の返還、更新料の減額を家主に請求した。家主への手紙には「今年の3,4月は売上が極端に悪くなり、先の見通しもつきかねる現状です。もう少し営業の継続をさせていただきたく、お話合いをお願いいたします」と訴えた。

 家主側は「今回限り更新料の免除、賃料については約15%の減額、保証金は25%を返還する」という回答をして来た。

 佐藤さんは「要求はして見るべきですね」と喜んでいた。

 

東京借地借家人新聞より

 

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地代坪当り1000円値下げ (東京・練馬区)

2006年04月11日 | 地代の減額(増額)

    坪当り2500円は近隣地代の約3倍

 練馬区に住む中曽根さんが4月に組合事務所を訪問してきた。今までずと地主の言いなりに地代の値上げを認めてきた。この先このまま値上げが続いたら年金生活では住み続けることが出来ないので、何とか地代を値下げ出来ないかという相談だった。

 地代が近隣相場の約3倍の坪当たり2500円ということなので値下げ請求をすることにした。地主が近所に住んでいるというので組合の名前を出さずに文書を作成し、値下げの通知書を出した。

 地主は不動産会社を代理人として「大幅に値下げします。坪当2000円で了承してください」という回答をしてきた。

 だが、中曽根さんは納得がいかない。「大幅な値下げというが近隣相場の約2倍である。せめて1500円位にして欲しい」というのが希望である。

 そこで、今度は組合名で「本来ならば1000円位が妥当な地代であるが、1500円ということであれば了承する」という旨の通知を出した。

 程無く、地主の代理人から坪当り1500の地代で同意するという回答が来た。

 中曽根さんは「組合の名前で通知したら、早速の、希望額での値下げ返事。さすが組合ですね」と感想を述べた。

 

東京借地借家人新聞より

 

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新地主から突然の高額地代請求 (東京・葛飾区)

2006年04月07日 | 地代の減額(増額)

  新地主から突然の高額地代請求され組合に加入

 大江さんは葛飾区立石にて親の代より、50坪を借地している。契約書はなく、地主に直接地代を支払うのではなく、地主の代理人不動産業者に地代を支払っていた。約40年前に明渡しを求められ、賃料の受領を拒否されたため、やむなく供託とあいなって現在に至ったのである。

 供託の賃料は長期間値上げしておらず、かなりの少額であった。突然、新地主である(所有権を取得した)という人物が現われ、地代15万円(坪当たり3000円)を支払え、又は底地を買取れと要求された。 大江さんは思い余って葛飾借地借家人組合に相談し、その場で直ぐに入会した。

 あまりの高額地代の請求に当組合では土地の登記(所有権移転)を確認し、土地(固定資産税)の評価証明書により税額を算出し、適正と思われる賃料4万円(坪当たり800円)を現金書留郵便にて新地主に提供し、地主(静岡県浜松市在住)は受領した。

 今後は地主の出方次第で臨機応変の対応となる。

 

全国借地借家人新聞より

 

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【Q&A】 土地・建物が共同所有に変わった場合

2006年04月06日 | 借地・借家に共通の問題

     共有による複数の貸主に対して賃料は 
           別々に持分割合に応じて払うのか

 (問) 建物や土地の所有者が死亡し、複数の相続人による共同相続により、単独所有から共同所有によって建物や土地が共有に変わった。その場合、借主は賃料を各人に分割し、それぞれの相続割合に応じて各人にそれぞれ支払わなければならないのか。


  (答) 土地や建物の貸主が死亡した場合、相続人は土地や建物の所有権を相続すると同時に貸借関係についての貸主の地位を承継する。相続人が数人あるときは、相続財産は、共同相続人の共有に属する(民法898条)。

  最近は、不動産小口化商品の1つとして投資者等が細分化された建物の共有持分を買受けるケースが多くなっている。

  共同相続人や共有持分取得者が貸主人の地位を承継した場合貸主が複数になる。その場合、借主は相続割合に応じて賃料を各人にそれぞれ分割して支払わなければならないのか、それとも、貸主の内の1人に賃料を全額支払えば、それで全員に弁済したことになるのかが問題になる。

  この問題に対して、共有物件の賃料は「不可分債権」であるという判例(東京地裁1972年12月22日判決)がある。

  家賃・地代は金銭で支払う債務であるから一見したところは分割債務とするのが素直なように思われる。即ち分割が出来る可分債権に思える。しかし、共有賃料を可分債権とみなすと色々不都合が生じる。

  例えば貸主の各自は自分の共有持分の賃料しか請求・受領が出来ないし、借主からすれば、複数貸主の各人に別々に賃料を支払わなければならず、どちら側からも不便である。

  そこでこの不都合を避けるために判例は、共有賃料はその性質上不可分債権とみなした。①不可分債権には性質上不可分給付と意思表示による不可分給付がある。②不可分債権においては、債権者の1人が債務者に履行を請求すると、総ての債権者が履行を請求したのと同様の効果が生じる。③債務者が債権者の1人に履行すると、総ての債権者に履行したものと同様の効果が生じる(①②③は民法428条)。

  このことから、共有賃料は共同貸主の内の1人に賃料の全額を支払えば、それで総ての貸主に弁済したことになる。

  弁済供託を行う場合も同様に考えればよいことが判る。


 追伸
 最高裁平成17年9月8日判決は「相続開始から遺産分割までの間に共同相続に係る不動産から生ずる賃料債権は,各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し、この賃料債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けない」ということで賃料は不可分債権から分割債権へと判例が変更された。

 従って、相続開始後遺産分割の時までに、遺産である不動産から生ずる地代や家賃など法定果実は、遺産分割の対象にはならず各相続人が相続分に応じて取得することになる。

 前記最高裁の判決が出るまで、下級審では、①遺産分割協議の結果、そのマンションの所有者になった相続人が、相続開始後遺産分割までの賃料債権を取得する、という見解と、②相続開始後遺産分割までの賃料債権は、共同相続人がその相続分の割合で取得する、という見解に分かれていた。

 この両説の対立に終止符を打ったのが、前記最高裁判所判決である。民法898条の「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する」という規定で、この規定は、遺産分割協議の結果、マンションが1人の相続人に帰属することになっても、それまでは、マンションは共同相続人の共有であるのだから、その間に生ずる賃料債権も、共同相続人のものになる。賃料は可分債権なので、共有ではなく、共有の割合、つまり相続分に応じて分割されるという訳である。

 しかし、賃借人は相続の遺産分割協議が確定するまでは相続割合が判らない。従って、賃料の支払いは相続開始から遺産分割協議が確定するまでは民法494条に基づく「債権者不確知」(*)を理由とした「弁済供託」で対応しなけばならないことになった。

 相続人の遺産分割協議が確定すれば、その後は相続分に応じて夫々に賃料を支払うことになる。

(*)相続や債権譲渡などがあったことによって真正な債権者が誰であるか確知出来ない場合である。

 

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