東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

保証金/敷金トラブル/原状回復/法定更新/立退料/修繕費/適正地代/借地権/譲渡承諾料/建替承諾料/更新料/保証人

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新家主の不動産業者から明渡請求をされる (東京・足立区)

2012年08月28日 | 建物明渡(借家)・立退料

 足立区千住で60年以上借家に住むAさんは本年5月末、練馬の不動産屋(新家主)から「老朽化し倒壊の危険あり」と明渡し請求の内容証明郵便が送られた。

 突然の通知に地元の区議に相談したところ「借地借家人組合に相談する方がよいので紹介します」と言われ相談に来た。「住み続けるのか、明渡し条件によっては応じる気持ちがあるのか、その上で話し合いに臨みましょう」と助言し、高齢でもあるので組合を窓口にして交渉することにした。

 最初、新家主の条件は家賃の数10か月分を提供するというもので、組合は「低額の家賃でも一定の保障は必要」と申し入れた。2回目の交渉で「新家賃の数10か月分を提示し、物件も提供する」条件提示され、詰めの交渉中。

 

東京借地借家人新聞より

 

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更新料は支払う必要がない (東京・豊島区)

2012年08月24日 | 更新料(借地)

 Aさんは池袋から10分位の住宅街に祖父母の代から借地していた。建物の名義は死亡した祖父のままで、今回更新の時期を迎えた。

 数年前までは、介護が必要な祖母が住んでいたが、今は施設に入居している。20年前に高額な更新料を支払ったので、建物の売却(借地権の譲渡)を考組合に相談に来た。

 相談の中で、更新料については支払特約がないので支払う必要がないことなどを説明した。Aさんは高い更新料のために売却しようと考えていたが、その必要がないならば、引き続き住み続けることも検討することにした。その上で、建物の名義を祖父から相続人である祖母や母の名義にすることなどを説明した。その際、名義書換料なども不必要なことを説明した。Aさんは「知らないと損してしまいますね」と語った。

 

東京借地借家人新聞より

 

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【判例紹介】 借地権とは、建物所有の目的でなければ借地借家法の適用がない

2012年08月23日 | 借地権

判例紹介

そもそも借地権とはなにかー東京地方裁判所平成22年3月25日判決

 借地権は、「建物の所有を目的とする」地上権又は土地の賃借権といいます(借地借家法第2条1項)。「建物の所有の目的」でなければ、借地借家法の適用がなく、民法の賃貸借になるので、借地借家法の法定更新等の保護は受けられません。

 <事案>は、契約書には「鋼材及び駐車場」と書かれていましたが、「プレハブ構造の仮設建物」がありました。
 <判決>は「借地権ではない」として次のように判断をしました。「被告が設置した仮設建物も、いわゆるプレハブ構造のものであり、撤去も容易である上、建物の登記を経由しておらず、本件土地の所有権を取得した者に対して対抗要件を備えていなかったこと、本件土地の主たる目的は「鋼材置場及び駐車場」であり、仮設建物の敷地の広さも約1190坪の本件土地に比して僅少であり、本件土地が建物所有目的であるとは認めるに足りない。したがって、本件賃貸借契約につき、借地借家法の適用がないことが明らかである。」

 

 借地の一部を駐車場して第三者に貸すのは転貸か(地主の承諾がいるか)―東京地方裁判所平成5年3月29日判決

 <事案>は、駐車場部分の面積は約15ないし18平方メートル程度で、土地全体の面積125.48平方メートルの12ないし15パーセント程度でした。駐車場の契約内容は、自動車1台の駐車場として賃料を月額2万5000円ないし2万6000円と定めるほか、敷金、第三者への賃借権の譲渡転貸の禁止等について詳細な条項を定め、賃貸期間については1年間で合意による更新可能としています。

 <判決>は「地主の承諾は必要」と判断をしました。
 「民法612条(賃貸人の承諾なく賃借人が賃借権を譲渡し目的物を転貸することを禁じ、これに反したときは賃貸人が賃貸借契約を解除することができるものと規定)の趣旨に照らせぱ、第三者に使用収益をさせた対象が賃貸借の目的物である借地の一部であるからといって民法612条にいう「転貸」に該当しないということはできない。

 本件においては、契約内容及び利用形態であることに照らせば、本件駐車場部分を駐車場として使用させたことは転貸に該当する。たしかに、借地上に商店、飲食店、劇場等の、不特定多数の顧客の来訪を伴う建物を所有ないし管理する場合において、自動車を利用する顧客の来訪を容易ならしめるために、右建物に付属して不特定多数の顧客を対象とするいわゆる時間貸しの駐車場を設置するような場合には、第三者を対象とする駐車場として借地の一部を使用することが、社会通念上右建物所有ないし管理の目的の範囲内の利用行為と認められ、転貸に該当しないものと認められることもあり得るものといえる。

 しかし、特定の賃借人を対象として賃貸期間1年間しかも更新を前提とする駐車場契約を締結しているのであって、本件駐車場部分を第三者に駐車場として使用させたことについては、社会通念上本件建物所有の目的の範囲内の使用と認めることは到底できないものであり、転貸に当たることは明らかである。」 

 

(2012.08.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

 

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地主が地代増額調停の申立て? (東京・練馬区)

2012年08月22日 | 地代の減額(増額)

 東京の練馬区に借地して住んでいるAさんは更新をめぐり地主と争いになって、現在供託しています。

 平成24年の1月にその地主が死去し、3月に新しく相続したという地主から「私たちが相続しました」という通知と併せて相続人の弁護士から「現在供託中の地代は適正な賃料とはいえないので近々簡易裁判所に賃料増額の調停申立をして、適正な賃料を決めたい」と通知してきました。

 その後、測量を行いたいという通知もきました。Aさんは心配になって組合に相談に来ました。Aさんが借地しているところはいわゆる囲い地で現在、この地主とは関係ない土地を通路として確保しています(註)。そこで、賃料の値上げの調停が行われた場合も想定し、今回、測量も行われたことで、この通路の確保をこちらの請求として通知することにしました。

 Aさんは「一人では自信がないけれど組合と一緒にがんばってみます」と決意を語りました。

 

全国借地借家人新聞より


(註)民法
(公道に至るための他の土地の通行権)
第210条
 ① 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。

 ② 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。

 民法210条①のような他人の土地に囲まれている土地を袋地といい、②のような土地を準袋地という。これら袋地や準袋地の周りを囲んでいる土地を、囲繞地という。また、囲繞地を通行する権利を囲繞地通行権という。

  この囲繞地通行権を主張する場合、袋地の所有権取得の登記は不要である。また、囲繞地通行権を持つのは袋地の所有者であるが、通行するのは所有者に限定されない。

 

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季節が変わっても借地借家人いじめは絶えず (京都)

2012年08月21日 | 建物明渡(借家)・立退料

 梅雨明けと同時に猛暑が襲ってきました。誰もがうんざりする中でも、連日のように、切なく厳しい相談が組合に寄せられています。以下はその一例です。

 <物件が古くなった。取り壊すから明渡せ!
 100年くらい前から借りている建物に住んでいるAさん宅に、ある日突然大阪の弁護士から内容証明郵便が届きました。「本件建物は、天地くされてから数10年ないし100年以上が経過したため老朽化が進んでおり・・・・(家主としては)・・・・本件建物を取り壊したく・・・・本書面をもって、貴殿との本件賃貸借契約を解約させていただきます。以下略」という一方的なものでした。

 Aさんは、「平生は何もいってこず、当方の修理要求にも応じず、見にも来ないのに、突然の明渡請求を受けるわけにはいかない」と組合にも加入して、「とことん争う」と意気軒昂です。

 

全国借地借家人新聞より

 

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地上げ屋との攻防に7年 (東京・大田区)

2012年08月21日 | 地上げ・借地権(底地)売買

 大田区新蒲田地域に居住して約43坪借地しているAさんは、平成17年4月に地主から土地を買上げた都心の不動産業者(地上げ屋)との底地の買取りか、借地権の売却を強要との攻防戦が始まる。業者のいずれの要望も受け入れず借地契約の継続を強調するAさんに対し、業者は代理人を送り込んだ。荒々しく乱暴な言葉で買取か売却か強引に迫るが、Aさんは動じずこれまで通り、契約の継続を伝えて対抗する。

 周りの借地人にはすでに底地を売却し、東南の角に位置するAさんの借地にこだわる業者は追い出しの策動に3年の歳月を掛けた。しかし、平成20年10月には大阪の建設業に関わる会社に売却した。

 新地主は、前地主の承諾の下に借地の一部の駐車場使用は違反として、契約解徐を求めて平成21年に提訴した。同23年6月には原告地主の請求は棄却。また、双方がそれぞれ反訴した地代の増・減額も棄却されて現行地代なった。

 地主は、裁判で法定更新されて今日に至っていることが確認されたのにも関わらず、法定更新を認めず坪当り10万円の更新料を請求してきた。Aさんは直ちに支払拒否を通告。地主は更新料を求めて提訴したので再び裁判になった。

 大阪地裁に提訴されたが時間と経費を考慮して、前回同様に東京地裁への移行要望して実現させた。受領拒否による地代の供託は持参払が原則なので、大阪の法務局宛に供託用紙を郵送して地代を送金している。

 

東京借地借家人新聞より

 

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借地上建物を競売で落札したが、地主から承諾料の支払請求をされた (大阪・淀川区)

2012年08月20日 | 譲渡・転貸借

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災で東京から難を逃れて、同年6月中旬大阪市淀川区の新大阪駅近くのマンスリーマンションに住んでいたAさん親子は、月々支払う家賃が大きな負担となり、平成24年5月大阪地裁が公示した競売物件約12坪の借地上軽量鉄骨建物を100万円で落札。

 ところが、落札直後、地域の名代な大地主の代理人から「落札確定後2か月以内に借地権価格の10%相当額の35万9200円を支払わないと不法占拠となり明け渡しを求める」との内容証明郵便で通知を受け取りました。

 Aさんは、なけなしの持金で競売代金を払い、親子が住めるよう家屋を改修を始めたところに通知を受け、大変ショックを受けました。Aさんは、インターネットで大借連を地主の承諾が必要知り、借地上建物の競売は事前に地主の承諾が必要であることを教えられ、借地権譲渡の非訟手続きを大阪地裁に開始しました。

 Aさんは「放射能の危険から逃れようと、大阪へ来て定住するために雨露がしのげる程度の建物を競落し、住もうとした矢先に、地主から承諾料を支払わなければ明渡せとはひどすぎる。競売物件は裁判所が事前に借地権譲渡の手続きを完了して公示すべきである」と承諾料の資金繰りの見通しもつかず、手続きの不合理性に怒っています。

 

全国借地借家人新聞より


 ここからは東京・台東借地借家人組合。

建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可借地借家法

第20条 第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、借地条件を変更し、又は財産上の給付を命ずることができる。

 前条第2項から第6項までの規定は、前項の申立てがあった場合に準用する。

 第1項の申立ては、建物の代金を支払った後2月以内に限り、することができる。

民事調停法(昭和26年法律第222号)第19条の規定は、同条に規定する期間内に第1項の申立てをした場合に準用する。

 前各項の規定は、転借地権者から競売又は公売により建物を取得した第三者と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第2項において準用する前条第3項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。

 借地借家法20条は、借地上の建物を競売又は公売によって、建物を取得した者が賃貸人に対し、建物取得に伴って取得した賃借権(借地権)の譲渡の承諾を求めたのに、その承諾が得られなかた場合には、裁判所に賃貸人に代わる許可の裁判を申立てることができる趣旨の規定をしている。

 競売又は公売によって、建物取得に伴う賃借権の移転は、賃貸人の承諾を必要とする(民法612条)。しかし、競売又は公売による建物取得の場合、賃貸人にその賃借権の承諾を得ていない状態である。所謂、賃借権の無断譲渡であるから、その譲渡を賃貸人に主張できない。

 競売等の場合、誰が買受人になるかは予測がつかないから、予め事前に承諾を求めることは不可能である。従って、競売等の買受人は自ら賃貸人の承諾を得るために交渉することになる。この場合に賃貸人に不利になる恐れがないにも拘らず、承諾しないときは裁判所に代諾許可の申立てができる。この場合の許可の申立権者は競売等の買受人であり、従前の借地人には申立権は認められていない。また、許可申立の時期は建物の代金支払い後2か月以内とされている(借地借家法20条3項)。

 なお、裁判実務上、裁判所が許可する場合の財産上の給付(譲渡承諾料)は、概ね借地権価格の10%相当額である。

 

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共同住宅が競売、落札した不動産会社から明渡請求 (埼玉・川口市)

2012年08月17日 | 建物明渡(借家)・立退料

 埼玉県川口市(旧鳩ヶ谷市)の共同住宅の4世帯は、長い人で10数年、短い人でも3年住んでいました。
 昨年8月、共同住宅を競売で落札した不動産会社から「共同住宅を6月に買い取ったの、明渡してほしい」と突然、4世帯に通知されました。通知書は、明渡期限を11月17日とし、立退きについての話合いの提案でしたが、共同住宅の差し押さえもされていました。この通知が玄関の隙間にはさんであった世帯もありました。

 4世帯は川口借地借家人組合に加入し、交渉してきました。加入した人の中の長期居住者は抵当権設定前に入居していました(註)。裁判所の手違いか、本人からの申立てもない中で、この落札した不動産業者との明渡についての話し合いの進展がない中、いきなり、不動産業者は裁判所に強制執行の手続きを行い、11月17日、30数人が執行官とともにトラック5台で共同住宅の差押えに来ました。前日、組合員が依頼した弁護士が差押え停止の仮処分を申請し、執行当日午前に差押え執行の一時停止を勝ち取りました。

 その後、4世帯の借家人は、裁判で借家権を争い、本年5月29日、賃貸借契約の継続が確認され、立退料の支払いが認められました。10数年居住していた借家人が当初の賃貸借契約書と家賃支払いの証拠資料を保存していたことが決め手になり、立退料の支払いとなりました。

 

全国借地借家人新聞より



以下の文章は、東京・台東借地借家人組合。

(註)
抵当権前設定登記前に、賃貸借建物に入居している場合
 買受人と賃借人との対抗関係は、賃借人に対抗力があり、賃借人は、賃料を支払って引き続き建物を借りることができる。
 また、敷金返還義務は、買受人に引き継がれ、退去の際、賃借人は、買受人(新所有者)に敷金を返還請求できる。

抵当権設定登記後に建物を借りた場合
 買受人は、賃借人に引渡し(明渡し)を請求できる。
 賃貸借が競売開始前である場合、賃借人は、買受人が競落後6か月間は、賃料相当の金員を支払って建物を使用できる(民法395条)。しかし、6か月過ぎたら明渡す必要がある。

 また、敷金返還義務は、買受人に引き継がれず、退去の際、賃借人は、元の貸主に敷金を返還請求することになる。元の貸主は、経済的に破綻し、支払いができずに競売なったのであるから、当然支払い能力は有りえない。敷金返還は絶望的であり、諦めるしか仕方がない。

 なお、経過措置により、改正民法施行時(平成16年4月1日)以前から(期間は3年以内の)建物の賃借人である場合は、短期賃借人として旧法と同様に保護される。


抵当不動産の短期賃貸借制度の廃止についての経過措置
 平成16年の改正施行(平成16年3月31日)前は、抵当権設定登記後に締結された賃貸借でも、抵当不動産の短期賃貸借〔通常の土地の賃貸借では5年、建物では3年〕で対抗要件〔賃借権の登記、または、建物では引渡し、土地では借地上の建物の登記〕を備えたものについては、抵当権者に対抗することができた(抵当不動産の短期賃貸借)。

 この規定は民法の改正によって廃止されたが、これには経過措置があり、平成16年4月1日の時点で対抗要件を備えている抵当不動産の短期賃貸借については、改正前の規定が適用され、原則として抵当権者にその賃借権を対抗することができる。

 短期賃貸借に関する経過措置
 「この法律の施行の際現に存する抵当不動産の賃貸借(この法律の施行後に更新されたものを含む。)のうち民法602条に定める期間を超えないものであって当該抵当不動産の抵当権の登記後に対抗要件を備えたものに対する抵当権の効力については、なお従前の例による」(「担保物権及び民事執行法の改善のための民法等の一部を改正する法律」附則第5条)

 

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【Q&A】 借地権は地主に買い取ってもらえるのか

2012年08月02日 | 借地権

(問) 30年以上も前から土地を借り、住んでいましたが今回、他に住宅を建て借地を地主に返還したいと思いますが、借地権はどうなるのでしょうか。建物はまだ使用できますが、買い取ってもらえるのでしょうか。


 (答) 地主から正当事由がなく、土地の返還や明渡がある場合は当然、借地権の買い取り請求も建物の買い取り請求も要求することができます。今回のように、借地人自らが借地契約を解消する場合は、借地権そのものの買い取り請求はできません。

 また、借地権を第三者へ譲渡する場合も地主の承諾が必要となります。建物が使用できれば、貸家として第三者に貸家にする方法もあります。その場合は当然借地契約は継続しています。

 地主が借地権の買い取りを拒否した場合には、借地人の方で借地権を買い取る人を見つけ、借地権譲渡の許可を求める借地非訟手続きをとる以外に方法はありません。

 裁判所で譲渡の許可が下りて初めて借地権の売却が可能となります。不明な点は、お近くの借地借家人組合へ相談してください。

 

全国借地借家人新聞より


 <建物買取請求権>
「契約の更新が行われなかった場合、借地権者は、それまでに自分の権原に基づいて借地上に付属させた建物などを、時価で買い取るよう地主に請求することができる」(借地法4条2項)。

< 建物買取請求権の法的要件>
建物買取請求権の成立には、借地権が消滅したが、①更新のないこと、②借地上に建物等が存在することの2つの要件が必要である(借地法4条2項)。

 

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