東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

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建物の耐震性が理由、明渡しを拒否すると調停裁判に (東京・大田区)

2013年08月12日 | 建物明渡(借家)・立退料

 大田区大森東地域に所在する木造瓦葺2階建店舗兼共同住宅の内階下、正面右側面積約29・75平方メートルの部分を賃借中のAさんは中華料理店を営んでいる。

 華やかな商店街ではないが、バス停に隣接していることや出前の注文も多く、将来性もある。店舗の主のAさんが知人の紹介で組合事務所を訪ねて入会したのは昨年11月。

 家主の代理人と称す業者が訪れて、建物が耐震に問題があって建替えが必要と明渡しを求めてきた。家主は2階の共同住宅部分を補修して入居させたばかりで、驚いての相談だった。

  今後の生活や自宅の住宅ローンの返済を考えて明渡しを拒否するが、執拗な業者の訪問に対しAさんは組合を介して対処する旨を通告した。

  業者は組合事務所を数回訪ねたが、予測のできない地震は、正当な明渡しの理由はなり得ないと伝える。

  来年の消費税増額に伴う建替え経費の増加を業者から吹き込まれたのか、家主は明渡しを諦めずこの程弁護士を代理人に立て調停裁判を申し立ててきた。Aさんは明渡しの拒否を伝えるが、調停委員の丁寧な要望に応じて協議を重ねる。

 明渡しを前提とした調停であるため、次回(3回目)の調停で不調を通告することにしている。

 

東京借地借家人新聞より

 

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無法な追い出しは許さない (京都)

2013年04月24日 | 建物明渡(借家)・立退料

 昨年10月上旬、Aさんら数軒の家主だった人が、**興産と委託契約を結んで借家人を追い出し、金儲けを企みました。**興産は、社員を訪問させ直ぐに片付くと考えたのでしょうが、町内会には組合員もいて、町内会長は「無法な追い出しは許せない」との正義漢でもあって、そう簡単に、狙い通りにはいきませんでした。

 元家主は、**興産の進言も受けたのでしょう。かつて家賃の滞納があった借家人一人を相手取って、**興産を代理人に仕立て、見せしめ的に裁判を起こしてきました。組合と町内会は、宅建業法や弁護士法にも違反すると一歩も引かず裁判に臨みました。

 私たちの道理ある主張にあわてて元家主と**興産は、結託して今年1月10日付で建物だけの所有権変更登記をし、被告らに通知してきました。そこで、Aさんらは京都簡易裁判所に「上申書」を提出。「原告は家主で無くなった。家主で無いものが借家人を追い出す裁判を続けることはできないはず。裁判を取り下げるか、裁判所の権限で提訴を棄却せよ」という内容です。

 1月28日の初公判では、**興産が建物所有者ということで「当事者参加等申立書」を提出したため、私らの思いとは異なり、裁判は継続となりました。次回期日を決める際、裁判官が**興産社長に対し「新たな主張をする準備書面を出すのにどれくらいの日数が必要か」と問いかけたところ、「1週間もあれば十分です」と豪語しました。しかし、1か月が経っても一向に書面は届きません。

 2回目の公判期日の午前に「取下書」がファックスされてきて、Aさんらの完全勝利となりました。

 

全国借地借家人新聞より

 

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いまさら無断増改築とは (大阪・東大阪市)

2013年04月22日 | 建物明渡(借家)・立退料

 東大阪市三ノ瀬公園近くで戦前から祖父が借家をし、その後住み続けているAさんは、昨年12月早々家主から家賃の値上げと無断増改築で6か月後に明渡せと通知されました。

 Aさんは、子供時代から増築部分に父親が「お好み焼き店」を開業し、家主が家賃を集金していたことを覚えており、「今更、無断増改築を理由にして明渡せ」とはあまりにもひどいと怒っていましす。

 増改築をして元店舗には、母親の居間に使用し、現存の居間は、平成12年に改装しており、その後も家主は家賃の集金に来ていました。世間話もし、改築をまったく知らないわけではなく、明渡しは言掛りに過ぎないと主張してきました。

 今年3月になって、家主は、契約書の中に増改築禁止の特約があり、契約違反であることを理由に簡易裁判所へ調停を申し立ててきました。Aさんは、契約書をよくみると、契約日が平成18年となっていることを確認しました。指摘されている増改築から延べ6年後に締結した契約書であり、それも10年前に屋根の修繕したことを理由にしており、特約前の改修であることを裁判所へ訴えていくことにしています。

 

全国借地借家人新聞より

 

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アパートの明け渡しを求められる (東京・葛飾区)

2013年04月12日 | 建物明渡(借家)・立退料

 賃借人はアパートに居住し、10年になります。賃料は賃貸人に持参払いをしていました。2年前に賃貸人が死去し、相続人の代理人と称する不動産業者が来訪し、賃料はその業者に支払えというので、それに従って現在に至っています。

 最近、その業者が建物が老朽化したので明渡せとの書面が賃借人宅に郵送され、思案の末、葛飾借地借家人組合の看板を見て来所しました。組合では、「一方的な明渡し要求は不当であり、住み続ける権利がある。その権利を主張するのであれば応援する」と説明しました。本人は組合に加入し頑張ると返答しました。

 建物の所有者を登記所で調査したが、確認できませんでした。土地の所有者に対して建物の所有者の確認を求めたが無視されました。現在、賃料は債権者不確知(民法494条)として供託中です。

 

全国借地借家人新聞より

 

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家主から契約解除を告げられる (東京・豊島区)

2013年03月27日 | 建物明渡(借家)・立退料

 東京都豊島区の地上6階地下1階建の3階にすむAさんは小諸学生の子供と2人で住むシングルマザーです。

 今年の1月に期間が満了し契約更新の期間を迎えることになっていました。しかし、家主から更新の手続きではなく賃貸借契約を解除するという通知が来ました。その通知書の中で、家主は建物の老朽化と自信による崩壊の危険を理由にしています。

 家主から管理を外された元マンションの管理人が参考資料という文書を渡し、その中で「借地借家法にて借家人保護の理由から更新契約がされやすいようになっている」「正当事由について自分で使用する必要性があり、相当の事情があれば認められる可能性はあるが現実的には非常に難しい」などの見解を示し、最後に相談窓口として借地借家人組合を紹介しました。

 Aさんは早速デパートで行われている借地借家相談会にきました。相談の中で子供が卒業するまでは転居したくないなどの事情も分かり、立ち退きの補償だけでなく期限についても合意ができなければ明け渡しに応じない方針で頑張ることにしました。

 

全国借地借家人新聞より

 

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50年営業の店舗の明渡調停へ (東京・荒川区)

2013年01月22日 | 建物明渡(借家)・立退料

 荒川区南千住の国道4号線に面し50年前から木造平家建店舗を借りて飲食業を営むNさんは、昭和37年秋に店舗兼居宅を5年契約で家賃2万4000円で入居した。最初の更新で3年契約にされ、2度目の更新では更新料と家賃3万9000円の値上げを請求され供託を始めた。その後6年が経って、家主が賃料値上げの調停を起こし、月額6万3000円で和解。現在月額8万円を支払っている。

 ところが、昨年3月に隣家の家主が自分の家を建替えるため「建物が朽廃している。平成19年1月にNさんの先代が亡くなってから名義変更してないから不正使用である」との理由で明渡しの調停を起こしてきた。

 Nさんは法テラスの弁護士と相談しているが、この度調停和解案で「(1)再築後再入居を認めるが家賃4万円値上げする。(2)権利金として賃料の2ヶ月分を支払う」との条件を提示された。

 和解案に不満で、組合に相談し入会したNさんは、和解案は受け入れられないと現状の店舗で営業を続ける決意でいる。

 

東京借地借家人新聞より

 

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入居後、4か月で明渡請求 (千葉・船橋市)

2012年11月20日 | 建物明渡(借家)・立退料

 千葉県船橋市内でアパートの1室を平成23年10月に借りたAさんは、平成24年2月に不動産業者から8月末日で契約を終了したいといわれ、理由を聞くとアパートの老朽化と建て替えを予定しているとのことでした。契約から4か月しかたっていないので納得がいかず、業者に引越しはできませんと伝えました。

 その後、8月に入りアパートの前に宅地開発事業計画公開板が建てられ、平成24年10月に建て替え工事を行うとのことでした。Aさんは、消費者センターから紹介され組合の無料相談会に来られました。Aさんとの話し合いで、貸主に文章で明渡しの理由を回答してもらうことにしました。合わせて、組合に入会し業者との話し合いをしていくことにしました。

 9月30日になっても家賃が引き落としされず、不審に思って業者に問い合わせると、現在貸主と相談中とのことでした。Aさんは、契約して1年もたたないで明渡には応じられないと伝えました。駅から近く死後にも買い物にも便利なので引き続き住みたいとのことでした。

 

全国借地借家人新聞より

 

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大東建託の口車に乗せられ、何の補償もなしに借家から放り出される (大阪・高槻市)

2012年11月19日 | 建物明渡(借家)・立退料

 大阪高槻市の借家に昭和54年ごろから住んでいるMさん宅へ、今年9月3日午後7時ごろ「家屋が老朽し、解体撤去するので明渡せ」と通知書を持って大東建託(株)の社員2名がきました。

 対応したMさんは、大東建託の「来年2月末までを期限にして立退きを」との話に動転し、立退き補償の条件は家主と大東建託と借家人の三者で今後話合うというので、とりあえず「退去同意書」を作成させられました。

 大東建託は、立退き補償について何等話合わず、Mさんが頼みもしないのに移転先の仲介や敷金の返済を行いました。不安に感じたMさんは知合いから大借連を紹介されました。

 大借連は、Mさんから経過を聴き、大東建託の2名の社員の名刺に宅建免許番号が明記されていないこと、話し合いの機会を約束していないこと、敷金を全額返還されていること、「退去同意書」を提出していること、などから、かつての地上げ屋の不当な明渡し行為を大東建託がはじめているものと思われ、Mさんの疑問に応えました。

 その後、Mさんは、日頃から親しくしていた家主と話合い、明渡しに応じることになりました。Mさんは、無知であったため大東建託の口車に乗せられた悔しさから大借連へ入会し、高槻市で借地借家人組合を再建するために頑張ると語っています。

 

全国借地借家人新聞より

 

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「老朽化で修理費がかさむ」と明渡請求 (兵庫・尼崎)

2012年10月02日 | 建物明渡(借家)・立退料

 本年8月、家主から委託されたという管理会社から、「家屋が築40年を過ぎ老朽化によって修理費がかさみ危険で取り壊したいので、1か月後に立ち退いてもらいたい」と16件中7件の入居者に通告がありました。管理会社の巧みな切り崩しによって、入居者の何人かは立退きに同意していることがわかりました。

 通告のあった2世帯はたまたま組合であったことから、組合事務所に連絡があり、直ちに集まってもらって対応しました。会合では「①立ち退き理由に老朽化と言われても「正当事由」なく立退く必要がないこと。②賃料などの信頼関係をなくさなければ引き続き住み続けられます。③借家人は借家法で住まいを守られていること。④立退きの意思がないこと。⑤借家人から立退き料など立退き条件をいわないこと」などを確認しました。

 管理会社からTさんに電話がありましたが、今後は組合を交渉窓口にしており、個別交渉に応じられませんと告げました。

 後日、管理会社が来組して話合い、入居者に内容説明と要望を聞き、交渉することにしました。数回の交渉で入居者の同意を得て明渡すことなりました。

 その後、新たに2名が入会しました。

 

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清水町立退き裁判<4> 東京高裁第1回控訴審 (静岡・駿東郡清水町)

2012年10月01日 | 建物明渡(借家)・立退料

 清水町立退き裁判<3> (静岡・駿東郡清水町)からの続き

 7月19日東京高等裁判所で清水町立退き裁判第1回控訴審が開かれました。冒頭、裁判長より「住まいは大切な問題であり、第一審判決に疑義が無いわけではない」と沼津地裁での地主の主張を鵜呑みにした判決に疑問がある旨の異例の発言がありました。

 地主側弁護士の「大きな争点は明渡料の額であったといってもけっして過言ではない」という主張に対し、借家人側は「借地借家法28条の正当事由の有無が争点であり、もともと地主側には正当事由が存在しない案件である」と詳細に渡り記載した控訴理由書を提出しました。

 引き続き第2回は8月9日書記官室で行われ、借家人側からは弁護士3人、Sさん夫婦、他1名が、地主側からは弁護士1人が対応しました。裁判長は個別の事情を1時間以上かけて聴取し、地主側弁護士に対し正当事由があれば提出するよう指示がありました。

 Sさんは「ここにきて、やっと私たちの話をまともに聞いてもらえた」と話しています。

 

全国借地借家人新聞より

 

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新家主の不動産業者から明渡請求をされる (東京・足立区)

2012年08月28日 | 建物明渡(借家)・立退料

 足立区千住で60年以上借家に住むAさんは本年5月末、練馬の不動産屋(新家主)から「老朽化し倒壊の危険あり」と明渡し請求の内容証明郵便が送られた。

 突然の通知に地元の区議に相談したところ「借地借家人組合に相談する方がよいので紹介します」と言われ相談に来た。「住み続けるのか、明渡し条件によっては応じる気持ちがあるのか、その上で話し合いに臨みましょう」と助言し、高齢でもあるので組合を窓口にして交渉することにした。

 最初、新家主の条件は家賃の数10か月分を提供するというもので、組合は「低額の家賃でも一定の保障は必要」と申し入れた。2回目の交渉で「新家賃の数10か月分を提示し、物件も提供する」条件提示され、詰めの交渉中。

 

東京借地借家人新聞より

 

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季節が変わっても借地借家人いじめは絶えず (京都)

2012年08月21日 | 建物明渡(借家)・立退料

 梅雨明けと同時に猛暑が襲ってきました。誰もがうんざりする中でも、連日のように、切なく厳しい相談が組合に寄せられています。以下はその一例です。

 <物件が古くなった。取り壊すから明渡せ!
 100年くらい前から借りている建物に住んでいるAさん宅に、ある日突然大阪の弁護士から内容証明郵便が届きました。「本件建物は、天地くされてから数10年ないし100年以上が経過したため老朽化が進んでおり・・・・(家主としては)・・・・本件建物を取り壊したく・・・・本書面をもって、貴殿との本件賃貸借契約を解約させていただきます。以下略」という一方的なものでした。

 Aさんは、「平生は何もいってこず、当方の修理要求にも応じず、見にも来ないのに、突然の明渡請求を受けるわけにはいかない」と組合にも加入して、「とことん争う」と意気軒昂です。

 

全国借地借家人新聞より

 

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共同住宅が競売、落札した不動産会社から明渡請求 (埼玉・川口市)

2012年08月17日 | 建物明渡(借家)・立退料

 埼玉県川口市(旧鳩ヶ谷市)の共同住宅の4世帯は、長い人で10数年、短い人でも3年住んでいました。
 昨年8月、共同住宅を競売で落札した不動産会社から「共同住宅を6月に買い取ったの、明渡してほしい」と突然、4世帯に通知されました。通知書は、明渡期限を11月17日とし、立退きについての話合いの提案でしたが、共同住宅の差し押さえもされていました。この通知が玄関の隙間にはさんであった世帯もありました。

 4世帯は川口借地借家人組合に加入し、交渉してきました。加入した人の中の長期居住者は抵当権設定前に入居していました(註)。裁判所の手違いか、本人からの申立てもない中で、この落札した不動産業者との明渡についての話し合いの進展がない中、いきなり、不動産業者は裁判所に強制執行の手続きを行い、11月17日、30数人が執行官とともにトラック5台で共同住宅の差押えに来ました。前日、組合員が依頼した弁護士が差押え停止の仮処分を申請し、執行当日午前に差押え執行の一時停止を勝ち取りました。

 その後、4世帯の借家人は、裁判で借家権を争い、本年5月29日、賃貸借契約の継続が確認され、立退料の支払いが認められました。10数年居住していた借家人が当初の賃貸借契約書と家賃支払いの証拠資料を保存していたことが決め手になり、立退料の支払いとなりました。

 

全国借地借家人新聞より



以下の文章は、東京・台東借地借家人組合。

(註)
抵当権前設定登記前に、賃貸借建物に入居している場合
 買受人と賃借人との対抗関係は、賃借人に対抗力があり、賃借人は、賃料を支払って引き続き建物を借りることができる。
 また、敷金返還義務は、買受人に引き継がれ、退去の際、賃借人は、買受人(新所有者)に敷金を返還請求できる。

抵当権設定登記後に建物を借りた場合
 買受人は、賃借人に引渡し(明渡し)を請求できる。
 賃貸借が競売開始前である場合、賃借人は、買受人が競落後6か月間は、賃料相当の金員を支払って建物を使用できる(民法395条)。しかし、6か月過ぎたら明渡す必要がある。

 また、敷金返還義務は、買受人に引き継がれず、退去の際、賃借人は、元の貸主に敷金を返還請求することになる。元の貸主は、経済的に破綻し、支払いができずに競売なったのであるから、当然支払い能力は有りえない。敷金返還は絶望的であり、諦めるしか仕方がない。

 なお、経過措置により、改正民法施行時(平成16年4月1日)以前から(期間は3年以内の)建物の賃借人である場合は、短期賃借人として旧法と同様に保護される。


抵当不動産の短期賃貸借制度の廃止についての経過措置
 平成16年の改正施行(平成16年3月31日)前は、抵当権設定登記後に締結された賃貸借でも、抵当不動産の短期賃貸借〔通常の土地の賃貸借では5年、建物では3年〕で対抗要件〔賃借権の登記、または、建物では引渡し、土地では借地上の建物の登記〕を備えたものについては、抵当権者に対抗することができた(抵当不動産の短期賃貸借)。

 この規定は民法の改正によって廃止されたが、これには経過措置があり、平成16年4月1日の時点で対抗要件を備えている抵当不動産の短期賃貸借については、改正前の規定が適用され、原則として抵当権者にその賃借権を対抗することができる。

 短期賃貸借に関する経過措置
 「この法律の施行の際現に存する抵当不動産の賃貸借(この法律の施行後に更新されたものを含む。)のうち民法602条に定める期間を超えないものであって当該抵当不動産の抵当権の登記後に対抗要件を備えたものに対する抵当権の効力については、なお従前の例による」(「担保物権及び民事執行法の改善のための民法等の一部を改正する法律」附則第5条)

 

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中央区日本橋2丁目の大規模な再開発を推進するS不動産が店舗の明渡訴訟 (東京・中央区)

2012年07月19日 | 建物明渡(借家)・立退料

Aさん夫妻は平成9年、渋谷区幡ヶ谷に中華料理店をオープンし、その後の平成14年2月、かねてから念願であった「日本橋」の地に、本店として「日本橋店」をオープンした。

 ところがS不動産は、周辺の土地やビルを買い上げ解体しながら、平成19年9月に「日本橋店」のあるビルと土地を買い上げ、挙げ句に平成20年4月には、老朽化を理由に賃貸借契約を解約するとの申入れをしてきた。

 しかし日本橋店は約2600万円もの費用をかけて改装しており、しかもオープンしてから約5年、まさにこれからという時に解約を申し入れがあり、Aさん夫妻は驚きを隠せなかった。

Aさん夫妻は営業の継続を強く訴えたが、S不動産はAさんの会社を相手に、老朽化のみを理由として、東京地裁に明渡訴訟を提起した。

 ところがさらに驚いたことに、裁判中、再開発計画の存在が判明した(* Aさんが入居しているビルは日本橋2丁目大規模再開発のE街区にある。)。しかも、S不動産は既に周辺土地を買い上げていたので、同計画が予定されていたのは明らかである。Aさん夫妻は、S不動産が低額の立退料ですませようとしていたのではないかと不信感を持った。その後も、S不動産が提示した立退料や東京地裁の立退料鑑定に、再開発利益が反映されることはなかった。

 そこでAさん夫妻は、これまで日本橋店の維持・発展のため費やした実損(前述改装費)は当然のこと、立退によって被る営業損害及び再開発利益、何より「日本橋」というブランド名を失うことのダメージを訴えた。

 しかしAさん夫妻の訴えは無視され、判決では裁判所の鑑定による立退料をそのまま採用された。これは実損すら塡補されていないあまりにも低額なものだった。

 Aさん夫妻の要望はあくまでお金ではなく「日本橋」での営業の継続であり、Aさん夫妻が問いかけているのは、「巨大企業が行う再開発の前に小さな会社の企業努力は無視されてよいのか、立退けと言うなら、日本橋店が被る実損を正当かつ公平に評価せよ」ということである。

 Aさん夫妻は現在、東京高裁に控訴し、日本橋での営業の継続を求め奮闘している。

 

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不動産会社の社員が出ていかなければ建物取り壊すと脅迫 (東京・豊島区)

2012年04月17日 | 建物明渡(借家)・立退料

 豊島区千早に住むAさんは昨年の大震災直後の4月に管理している不動産会社との話し合いで2年間の合意更新を行った。震災では建物の一部にヒビ等が入って心配したがそのままで住めるということであった。

 ところが昨年のその不動産会社とは別の会社の社員が訪問し、いきなり立ち退きを請求してきた。この社員一方的に出ていかないならば取り壊してしまうとか脅迫めいた対応をしてきたので、無料の法律相談に行ったが明確な回答がなかったので知り合いに相談し組合の存在を知った。

 組合事務所で相談したところ、契約の解除や更新の拒絶には正当な事由(理由)がなければならないことを説明され、さらにこの不動産会社の社員の行為は非弁活動に抵触する疑いがあること、必要ならば警察に通報し、さらに法的手段も考える事などを説明された。この説明で自信をもって対応することが出来るとAさんは、家主に早速通知を出すと家主の代理と称した不動産会社から今度は、弁護士が代理人として対応するという通知がきた。自信をますます深めたAさんは「弁護士相手でも自分の住み続ける権利を主張し、頑張りたい」とその決意を語った。

 

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