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【判例紹介】 更新料支払合意なき借地契約で慣習理由の更新料請求が棄却された事例

2013年09月18日 | 更新料(借地)判例

判例紹介

 自らが所有する278件の賃貸地のうち243件で借地人からの更新料授受があったとして、更新料を支払う旨の契約書上の条項がない借地契約につき、慣習を理由とする地主の更新請求が棄却された事例 (平成24年12月20日判決‥判例検索ソフト・ウエストロージャパン掲載)

 【事案の概要】
 原告は、東京都内(江東区)の土地約38坪の貸地につき、1坪当たり更新料約5万円が相当として更新料約190万円を被告借地人に請求した。平成4年3月の前回更新のときは、名義書替料を割賦で支払うとの念書が差し入れられ、被告の先代から原告の先代に400万円が支払われた事実があった。

【判決趣旨】
 原告の請求棄却。平成4年の名義書替料の支払いは更新料の支払いであり、そのとき平成24年の更新時に更新料を支払うとの合意があったと原告は主張したが、判決は、契約書の更新料支払特約の条項がないが、合意があったなら契約書にその旨記載されれば足りるはずであるとして、原告の合意の存在の主張を退けた。

 原告はさらに、「東京都内において、既に更新料支払の慣行は50年近く継続しており、現在では、賃貸人の請求に基づく更新料支払について商慣習又は事実たる慣習が成立している」と主張し、原告又は関連会社が東京23区及びその近郊において所有していた居住用一戸建の底地278件について更新料支払の有無を調査したところ、257件につき更新料支払の有無の確認がとれ、そのうち約95%に当たる243件では更新料が支払われていた」との原告元代表者の陳述書を提出した。

 これに対し、判決は、「陳述書添付された『更新料データ』と題する一覧表を検討すると、確認できた借地契約書に更新料支払の記載がないにもかかわらず、更新料支払の事実が認められるのは、257件中……11件のみ」である。「その余は、借地契約書に更新料支払が明記されているか(26件)、又は、借地契約書に更新料支払の条項があるか否か未確認であるから、東京23区及びその近郊においては、借地人は、更新料を支払う旨の賃貸人との個別の合意がない場合であっても、商習慣又は事実たる慣習に基づき当然に更新料の支払義務を負うとは未だ認められない」として、地主の更新料請求を認めなかった。

【解説】
 特約がないのに更新料支払の慣習があるからとして更新料を請求することは認められないことは、既に判例上確定しているが、一つの事例を加える判決である。

(2013.07.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

 

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【判例紹介】 慣習に基づく更新料請求が否定された事例 (東京地裁平成24年9月21日判決)

2013年03月19日 | 更新料(借地)判例

判例紹介

 土地賃貸借契約の慣習に基づく更新料請求が否定された事例 東京地裁 平成24年9月21日判決

 【事案の概要】
 地主Aと借地人Bとの土地賃貸借契約(借地契約)には、更新料を支払う旨の明確な規定はなかった。しかし、地主Aと借地契約を締結している近隣33件のうち合計16件は文書又は口頭による更新料の支払に関する合意があり、また、不動産管理会社及びその担当者も同じであった。

 地主Aは、これらの事実などを根拠に、借地人Bとの間で、①更新に当たり相当額の賃料の支払う旨の明示または黙示の合意が成立していた、②本件土地を含む地域には更新料を支払うという慣習が存在する、と主張して、借地人Bに対し更新料の支払いを求めて裁判を起こした。

 【裁判所の判断】
(1) 明示または黙示の更新料支払い合意の有無について
 裁判所は、「本件賃貸借契約書には、期間満了の際の被告による契約の更新の請求に係る記載はあるものの、更新料の支払に係る記載が一切存しない」として、明示または黙示の合意の存在は否定した。

 なお、地主Aによる①②の主張については、「そのことから直ちに本件賃貸借契約において上記合意が成立していたものと推認することは困難である」として認めなかった。

(2) 更新料に係る慣習の有無について
 裁判所は、まず、地主Aと借地契約を締結する近隣の33件のうち、少なくとも3件については、更新に際して更新料の支払がされていないと認定した。その上で、「これらの更新料の支払に係る事情からは、本件各土地付近一帯において、地主Aの主張に沿う慣習が成立しているものと認めることはでき」ないとし、更新料請求を認めなかった。

 【コメント】
 借地契約における地主からの更新料請求は、借地契約上、更新料を支払う義務とその金額が明確に定められている場合や、更新料を支払う慣習(商慣習)がある場合などに限られます。とくに、更新料を支払う慣習があるとされる事例はごく稀です。本件も、裁判所は、近隣33件中、3件が更新料を支払っていないのだから慣習はないと認定しましたが、仮に、33件全てが更新料を支払っていたとしても、当然には慣習があるとはいえないでしょう。地主側は、契約書上、更新料の支払義務が明確に定められていない場合でも、「私から土地を借りている他の皆さんは全員(もしくは多くが)更新料を払っています。だからあなたも当然更新料を払う必要があります」と言って、更新料を請求してくることがよくあります。しかし、更新料を支払う必要があるのはごく限られた事例ですので、請求されたら組合に相談するなど慎重に対応すべきでしょう。


 

(2013.03.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

 

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【判例紹介】 相場による更新料の支払特約は法定更新の場合に支払義務は発生しない

2012年12月14日 | 更新料(借地)判例

判例紹介

 相場による更新料の支払特約は法定更新の場合に支払義務は発生しないとされた事例 (東京地方裁判所平成23年7月25日判決 平成22年(ワ)第27854号 判決確定 新日本法規 Westlaw Japan)


 今回は、更新料を支払う必要がないとした結論自体は目新しいものではありませんが、葛飾の借地借家人組合の組合員の事件で完全勝利判決を得た事案であり、しかも、2011年7月15日の最高裁判決の後も、従前の判例を踏襲した結論であったという観点から、東京地方裁判所平成23年7月25日判決を紹介します。

【事案の概要】
 本件は、借地人が法定更新を主張して更新料の支払いを拒絶したところ、地主が、借地人を被告として、更新料不払いの債務不履行に基づく土地の賃貸借契約の解除を主張し、建物収去土地明渡しを求めてきた事案です。

 前回の更新の際に作成した賃貸借契約書には、特約条項として、手書きで「期間満了時に建物が存在するときは、当事者が協議のうえ更新することができる。契約が更新されたときは、賃借人は賃貸人に対して相場による更新料を支払わなければならない」との記載がありました。

 地主である原告は、第一に、更新が合意更新である旨主張した上で、仮に法定更新であったとしても、上記条項は法定更新の場合にも適用があるため、いずれにしても更新料の不払いは債務不履行に該当し、契約解除は有効と主張しました。

 これに対し、借地人である被告は、更新の合意などしたことはない、実際に契約書を新たに作成していないし、更新料を支払うという約束もしたことはない、と完全に否認した上で、契約書の更新料支払いの文言は、「当事者が協議のうえ更新する」場合、つまり合意更新の場合に更新料を支払うという内容であり、法定更新の場合はこれに該当しないなど主張して争いました。

【判決の要旨】
 判決は、原告(地主)が、本件更新料支払条項において相場とされる更新料の具体的金額や具体的な合意の内容等を明らかにしていないことを理由として、合意更新の存在を否定しました。

 また、上記更新料の支払条項は、「合意更新、法定更新を問わず適用されることが一義的に明らかであるとはいえ」ないとし、むしろ上記文言は、合意更新の場合だけに適用されるのが自然であるとして、更新料を支払っていないことは債務不履行にあたらないとして、結論として地主である原告の請求を棄却しました。

【寸評】
 もともと更新料は、法律上支払義務のないものです。前記2011年7月15日の最高裁判所判決に従っても、賃貸借契約書の一義的かつ具体的に記載された更新料の支払条項がある場合のみ例外的に更新料支払義務が発生するというのが合理的な解釈です。

 本件の場合、賃貸借契約書に、特約条項として手書きで更新料に関する記載がありましたが、「相場」という言葉は更新料の内容を一義的かつ具体的に表しているとは言い難く、上記判断も、「相場」による更新料を「支払う」という文言だけでは、上記一義的かつ具体的な支払条項という要件を満たさなかったと判断したものと思われます。

 契約書の更新料のことが記載されていても、必ずしも支払義務が発生するわけではない例といえます。  

(2012.12.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より


 <関連>
【判例紹介】 借地の更新料の支払義務がないとされた事例 (東京地裁平成23年7月25日判決)
 

 

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【判例】 更新料支払請求裁判 (東京地裁平成24年11月15日判決)

2012年12月04日 | 更新料(借地)判例

 判  例

東京地方裁判所 平成24年11月15日 判決言渡
平成22年(ワ)第41587号更新料等請求事件

 

           主           文

1 原告(賃貸人)の請求をいずれも棄却する。

2 訴訟費用は原告の負担とする。

           事 実 及 び 理 由

第1 (賃貸人の)請求

 1 主位的請求

(1) 被告(賃借人)は、原告(賃貸人)に対し、247万6000円を支払え。

(2) 原告(賃貸人)と被告(賃借人)間の別紙物件目録記載1の土地の賃借権は普通建物所有を目的とする賃借権であることを確認する。

 2 予備的請求

  被告(賃借人)は、原告(賃貸人)に対し、別紙物件目録記載2の建物を収去して、同目録記載1の土地を明け渡せ。

第2 事案の概要 

  本件は、土地の所有者である原告が、その借地人である被告に対し、主位的に、被告所有の借地上の建物が普通(非堅固)建物(以下「普通建物」という。)であるとして、その確認と土地賃貸借契約更新に伴う更新料の支払いを求め、仮に同建物が堅固建物である場合には、予備的に、土地賃貸借契約の更新を拒絶するとして、同建物の収去、土地明渡を求める事案である。 

 1 前提事実(争いのない事実、証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)

(1) 賃貸人(原告の夫、以下Xという。)は、賃借人(被告の父、以下Yという。)に対し、昭和21年11月5日、別紙物件目録記載1の土地(以下「本件土地」という。)を賃貸した(以下「本件賃貸借契約」という。)。

(2) X(賃貸人)とY(賃借人)は、昭和41年11月5日、本件賃貸借契約を下記内容で更新した(甲3の1)。 

     賃貸借期間  同日から昭和61年11月4日まで

     賃     料  月額1860円

     目     的  普通建物所有

(3) Y(賃借人)は、X(賃貸人)に対し、昭和53年1月17日ころ、本件と地上の建物を耐火構造(簡易耐火構造)に建て替えることを申し出、X(賃貸人)は、承諾料85万6000円の支払いを条件に、これを承諾した(甲の2)。

(4) Y(賃借人)は、昭和53年12月12日、本件と地上に別紙物件目録記載2の建物(以下「本件建物」という。)を新築した(甲4)。

(5) X(賃貸人)とY(賃借人)は、昭和64年1月1日、本件賃貸借を下記内容で更新した(甲3の3)。

      賃貸期間  同日から昭和83年(平成20年)12月31日まで

      賃   料  月額2万3300円

      目   的  普通建物所有

(6) X(賃貸人)は、平成15年6月14日死亡し、原告が相続により本件土地の所有権を取得し、本件賃貸借契約の賃貸人の地位を承継した。

(7) Y(賃借人)は、平成16年2月24日死亡し、被告が相続により本件建物の所有権を取得し、本件賃貸借の賃借人の地位を承継した。

2 争点及び当事者の主張

  本件の争点は、①本件建物が堅固建物か否か、②本件建物が普通建物である場合に、借地法7条の適用があるか、③本件建物が堅固建物のである場合に、更新拒絶の正当事由があるのかである。

(1) 本件建物が普通建物である場合(借地法7条の適用の有無・更新料支払いの合意の有無)

【原告(賃貸人)の主張】

 ア 被告は本件建物が堅固建物であると主張しているが、本件建物は普通建物である。

 イ X(賃貸人)とY(賃借人)は、本件賃貸借契約において、更新料を支払うと口頭で合意していた。

 ウ 本件賃貸借契約は、普通建物を目的とするものであるから、昭和64年1月1日に更新された後、平成20年12月31日に期間が満了した。

 エ 更新料の額は、坪単価132万円の1割で計算すれば、247万600円となる。

 オ なお、本件建物は、昭和53年12月12日に建て替えられており、借地法7条によれば、普通建物については滅失の日から20年間借地権が存在することになるので、平成10年12月12日が満了日となるが、借地非訟事件及び不動産取引の実務では、借地法7条の適用はないとの取り扱いがなされており、上記のとおり、昭和64年1月1日契約更新により、平成20年12月31日に期間が満了したというべきである。

 カ よって、原告(賃貸人)は、被告(賃借人)に対し、更新料として247万6000円の支払を求め、さらに、本件賃貸借に基づく借地権が普通建物所有を目的とするものであることの確認を求める。

【被告(賃借人)の主張】

 ア 本件建物は堅固建物である。

 イ 借地法7条は、強行規定であり(同11条)、適用がないとする根拠がない。

 ウ 仮に、平成20年12月31日に期間満了を迎えたとしても、X(賃貸人)とY(賃借人)が、更新料を支払うと口頭で合意した事実はなく、更新料を求める根拠はない。

(2) 本件建物が堅固建物である場合(契約更新拒絶の正当事由の有無)

【原告(賃貸人)の主張】 

 ア 本件建物は、昭和53年12月12日に建て替えられているが、その際に本件建物が堅固建物となったとすれば、借地法7条により、建て替え後30年を経た平成20年12月12日に借地権の期間が満了する。

 イ 原告(賃貸人)は、被告に対し、平成21年1月5日通知書で本件土地の使用継続について異議を述べた。

 ウ 原告(賃貸人)による更新拒絶には次のとおり正当事由がある。

 原告(賃貸人)の長男は、昭和35年生まれであって、妻と長女(小学校3年生)、長男(小学校1年生)の4人で、原告(賃貸人)の住所地から17から18分のところに1戸建て住宅を月22万5000円の家賃で賃借して、原告(賃貸人)所有の不動産を管理している。

 原告(賃貸人)は、本件土地から徒歩5分程度の至近距離に居住しているものであるが、現在78歳で要介護の状況にある。

 原告(賃貸人)としては、本件土地の返還を受けて、長男に自宅建物を建築させ、安心して将来にわたり、長男夫婦から介護を受けられるようにしたいと希望している。

 Y(賃借人)は、本件建物に建て替えるにあたって、普通建物に建て替えると偽って堅固な建物に建て替えたものであって、そのような事実は正当事由に斟酌されるべきである。

 原告(賃貸人)は、正当事由の補完として、1000万円及び20%を限度とする裁判所の裁量による増額の給付を申し出る。

【被告(賃借人)の主張】

 原告(賃貸人)による更新拒絶には正当事由がない。

 原告(賃貸人)、その長男、次男は、本件土地の近隣に複数の土地建物を所有しており、本件土地を自己使用する必要性がない。

 他方、被告(賃借人)及びその親族は、祖父母の代から70年近く本件土地で居住してきたものであり、現在は、心筋梗塞を患ったこともある祖母(74歳)とともに、被告(賃借人)夫婦、次男(22歳)、長女(20歳)とともに本件建物を生活の本拠としており、他にめぼしい不動産を所有していない。

 また、被告(賃借人)は、本件建物1階で建築プロデュース業を約20年営んできた。

 このように、被告(賃借人)は、本件土地を自己使用する必要性が高く、原告(賃貸人)がいくら補完金を給付しても、正当事由が存在するとは到底いえない。

第3 当裁判所の判断

 1 本件建物が堅固建物か否か

(1) 前記前提事実、文中引用の証拠及び弁論の全趣旨からすれば、
①本件建物は昭和53年1月17日ころに耐火構造(簡易耐火構造)に建て替えるために建築されたものであること、
②不動産登記簿上に建物の構造として鉄骨造陸屋根4階建とされていること(甲4)、
③建物の外観上も鉄骨造陸屋根4階建と矛盾する点はないこと(乙1の1、2)、
④本件建物の設計図面には、部材の使用材料として鉄骨が用いられており、その形状として種々のH型鋼が指示されていること(乙3の10)、
⑤梁と柱に同鉄骨を使用するよう指示されていること(乙3の8、9)、
⑥同図面には鉄骨を溶接するよう指示があり(乙3に10)、また、住宅として使用する建物であることからすれば、本件建物は堅固建物であると認められる。

(2) そして、借地法7条における堅固建物と普通建物の区別は新築された建物についての区別であって本来の借地権が目的としていた建物についての区別ではないと解すべきであるから、堅固建物を目的とした借地権として更新されたと認められる。

(3) 本件建物の前の建物がいつ解体されて滅失したかは証拠上判然としないが、本件建物が昭和53年12月12日に建て替えられているから、遅くとも同日までに滅失したというべきであり、同日を借地法7条の起算日と認めるのが相当である(当事者も明示的に争っていない。)。

(4) また、原告は、本件建物が普通建物であれば借地法7条が適用されず、堅固建物であれば適用されるべきであると主張するが、同条は、片面強行法規であって(同法11条)、土地所有者である原告の上記恣意的な主張は認められないというべきであり、同法7条の適用がある。

(5) したがって、普通建物を前提とする原告(賃貸人)の主位的請求はいずれも理由がないというべきである。

 2 契約更新拒絶の正当事由の有無

(1) 上記のとおり、本件建物は堅固建物であると認められるところ、原告(賃貸人)は、本件賃貸借契約に基づく借地権は、平成20年12月12日に満了したところ、被告が本件土地を使用継続しているため、平成21年1月5日に異議を述べたと主張している。

 そこで、本件賃貸借契約が法定更新されているか否か、借地法4条1項但し書きに規定する正当事由が存するか検討する。

(2) 原告(賃貸人)による本件土地の使用の必要性

 原告(賃貸人)は、
①要介護状況にあるところ、原告(賃貸人)の自宅から徒歩5分程度の至近距離にある本件土地を被告から返還してもらいたい、
②原告(賃貸人)の自宅から17ないし18分程度の借家に住む原告(賃貸人)の長男に、本件土地上に自宅を建築させ、長男夫婦から介護を受けられるようにするため、本件土地を使用する必要性があると主張する。

 この点、証拠(証人原告の長男、文中引用の証拠)及び弁論の全趣旨によれば、
①原告(賃貸人)は79歳で寝たきりではないが定期的に病院に行く必要があり、原告の長男が送っていること、
②原告(賃貸人)は、浅草A丁目に所在する223平方メートルある自宅マンションに次男と2人で居住していること(乙5)、
③次男は独身で原告の介護を行うのは困難であること、
④原告(賃貸人)と長男は、浅草周辺に土地を所有し、少なくも70から80人程度の借地人に土地を貸すなどしていること、
⑤このうち、少なくても、原告(賃貸人)は、浅草B丁目に所在する6階建てのマンション1棟(乙7)を、浅草B丁目に所在する3筆の不動産(乙11の2ないし4)を所有していること、
⑥原告(賃貸人)の長男は浅草A丁目、同B丁目に宅地を所有していること(乙11の5、12の2)、
⑦原告(賃貸人)の次男は原告(賃貸人)が居住するマンションに6室と駐車場を所有していること(乙6、13に1、2)、
⑧原告(賃貸人)は、もともと、被告に対して、更新料の支払いを求めており(甲6)、
⑨これに対して被告(賃借人)が本件建物が堅固建物であると主張して更新料の支払いを拒否したことから、初めて異議を述べたこと(甲8の1)が認められる。

 そうすると、
①原告(賃貸人)は一定の介護を要するとはいえ、病院の送迎等のために通いで対応可能な程度の状況にあり、常時介護の必要が切迫しているわけではないこと、
②原告(賃貸人)及びその子らは、多数の不動産を原告の自宅付近に所有していること、
②原告(賃貸人)の長男は、現状でも、原告の自宅とさほど遠くない場所に居住しており、更に近隣に転居する方が便利であるとしても、不動産を賃借したり、あるいは、原告が居住するマンションで同居したり、別室を確保したりするなど、代替手段があり、本件土地に自宅を新築する必然性がないこと、
③原告(賃貸人)はもともとは、更新料の支払があれば被告(賃借人)に本件土地を使用継続を認める意向だったことが認められ、原告(賃貸人)に本件土地の使用を必要とする事情はかなり乏しいといわざるをえない。

(3) 被告(賃借人)による本件土地の使用の必要性

 証拠(乙8、10、被告本人)及び弁論の全趣旨によれば、
①被告(賃借人)は、74歳の母親、妻、2人の子供の5人で本件建物に居住していること、
②被告(賃借人)の祖父母の代に遡ると遅くとも戦後間もなくして同所で居住していること、
③被告(賃借人)は本件土地周辺には不動産を有していないこと、
④被告(賃借人)は平成5年から本件建物の1階でインテリアの会社を経営していることが認められれ、本件土地を自宅土地、会社として現に使用し、今後も使用する必要があると認められる。

(4) 上記からすれば、被告(賃借人)に本件土地を自己使用する必要性が認められるのに対し、原告(賃貸人)にはその必要性がほとんど認められない

 また、本件建物が堅固建物であるのに、建築時には非堅固であることを前提としていたとしても、昭和53年に建てた建物の性質がいかなるものであるかは、平成20年12月段階での正当事由の判断において、斟酌すべき事由にはならないというべきであるし、建築後30年も原告及びその被相続人は何等異議を述べてこなかったのであるから、なおさら正当事由を基礎づける事情とはならないというべきである。

 そうすると、そもそも、金銭的な補償をもってしても、正当事由を補完することはできないというべきである。

 以上からすれば、正当事由を認められない。

(5) したがって、本件賃貸借契約は法定更新されているから、原告(賃貸人)の明渡請求は理由がなく、予備的請求も認められない。

  よって、原告(賃貸人)の請求は、いずれも理由がないから、主文のとおり判決する。


   東京地方裁判所民事第25部

            裁 判 官        西   村          修

 

 

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借地明渡請求事件 勝利判決 (東京・墨田区)

2012年03月14日 | 更新料(借地)判例

 土地明渡裁判の被告であるAさんは、墨田区に在住するが、葛飾借地借家人組合員の紹介で入会した。

 Aさんは借地権付き建物(木造2階建、借地面積は約13坪)を昭和59年に前賃借人より買受けた。

 平成10年頃外壁にサイディングボードを貼り付け、平成13年頃にはベランダをアルミ製に替えるなど躯体変更を伴わない補修改良工事行った。地主はこの工事が無断増改築工事に当たると主張し、平成16年頃更新料として坪15万円を要求してきた。Aさんは組合を通じて法定更新の請求をし、更新料の要求を拒否した。これに対して地主は、更新料の支払拒否は信頼関係の破壊であるとして土地明渡訴訟を提起してきた。

 東京地裁は「借地権売買契約時に賃貸借契約の契約書が現存しているかも不明であり、無断増改築禁止特約の内容の明確性に疑問がある。平成10年の外壁工事が平成19年まで問題にされなかった等総合考慮すれば、本件の各工事をもって信頼関係破壊との事由は認められない。改築禁止特約違反を理由とする賃貸借契約の解除には理由がない。また、更新料の支払拒絶は、信頼関係破壊を基礎づける事情とならない」と明確に明渡しを認めない判決を下した(東京地裁平成23年6月29日判決)。

 地主は東京地裁判決を不服として東京高裁へ控訴した。
 東京高裁は「地主の請求を棄却した原判決は正当であるので、本件控訴は理由がないから棄却する」としてAさんの全面勝利判決が確定した(東京高裁平成23年12月21日判決)。

 Aさんは弁護士費用の工面においても難儀している旨も組合は相談を受けていた。今回、弁護士の計らいで法テラスを利用した。費用は毎月分割で返済している。葛飾借地借家人組合でも、法テラス利用は初めての経験である。

 

東京借地借家人新聞より

 

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【判例紹介】 前回の借地の更新で更新料を支払っていても、更新料の支払義務がないとされた事例 

2012年01月11日 | 更新料(借地)判例

判例紹介

 前回の更新の際に更新料を支払った事実があっても、それは更新料の支払の合意にならないとされ、更新料の支払義務が無いとされた事例 (東京地裁平成23年12月26日判決。平成22年(ワ)第39834号 土地賃料増額確認等請求事件)


事案
 本件土地は、JR駅前の繁華街(高度商業地区)の一画にあり、人通の多い国道に面した位置にある。平成22年度の路線価は1㎡=573万円であり、借地権割合は90%の地域である。それゆえ、借地面積は42.54㎡(約13坪)で地代は月額33万5000円と高額である。借地人は、その場所(木造2階建店舗)で小売業をしている。

1、原告(地主)の母親と借地人Aが借地契約を結んだ。
 期間は昭和44年から平成元年12月31日まで。
 借地面積は42.5㎡、建物は木造2階建店舗(1階29.75㎡、2階27.27㎡)。

2、原告は昭和59年7月、母親の死亡により土地を相続した。

3、原告とAは平成元年12月29日付けで借地の更新をした。
  期間は平成2年1月1日から平成21年12月31日まで。賃料月額24万7000円。
  更新の際、契約書に更新料支払特約が無かったが、Aは更新料1100万円を支払った。

4、Aは平成17年2月に死亡し、被告が借地を相続した。
  賃料は月額33万5000円。

5、平成21年12月、原告側から更新料1100万円の支払い請求があったが、合意に至らなかった。

6、平成22年、原告は更新料1100万円の支払を求めて東京地裁へ提訴した。

争点
 被告が本件借地契約の更新料の支払義務を負うか、また、被告が同義務を負う場合の更新料の金額が争点である。

 <原告(地主)の主張
 被告は前回、更新料1100万円を支払ったのであるから、更新料を支払うことを認識していた。従って、今回も1100万円の更新料を支払う義務がある。

 <被告(借地人)の主張
 本件借地契約においては、更新料を支払う旨の条項はなく、被告がその支払義務を負うことはない。

裁判所の判断
 前回(平成元年12月29日)の更新に際して、借地人Aが合意に基づき更新料1100万円を支払っている。だが、「この合意はAが原告との間で、その時点における借地契約を巡る環境等の諸事情を考慮してしたものであると解するのが自然であって、更新後の本件借地契約が再び更新時期を迎えた際に、当然に更新料を支払うとの合意がされたものと解すべき根拠はない」。その上で、「本件契約書には、本件借地契約の更新に当たり更新料を支払う旨の条項はなく、原告と被告との間で本件借地契約について更新料を支払う旨の合意がされたと認めるに足りる証拠はない」。

裁判所の結論
 「更新料の支払の合意が認められない以上、原告の主張の諸事情を考慮しても、被告が更新料支払義務を負うということはできない」。 よって、原告の請求は理由がないから、これを棄却する。

  東京地方裁判所民事第32部

             裁 判 官  白 井  幸 夫

 

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【判例紹介】 借地の更新料の支払義務がないとされた事例 (東京地裁平成23年7月25日判決)

2011年12月20日 | 更新料(借地)判例

1 判例紹介

 借地契約の更新で、更新料支払特約に基づく支払請求は合意更新を想定したもので、法定更新の場合には適用されないとして更新料の支払義務が否定された事例 
東京地裁平成23年7月25日判決、同年8月9日判決確定。平成22年(ワ)第27854号 建物収去土地明渡請求事件 新日本法規 Westlaw Japan)

【事件の概要】
 
1、原告の地主と借地人Aは昭和42年頃、借地契約を締結し、Aは建物を築造した。

 2、Aは昭和63年1月に死亡し、被告Bが借地を相続した。

 3、平成2年3月26日に地主とBは借地契約を更新した。期間は平成2年4月1日から平成22年3月31日までの20年間。

 4、契約書には「地代の支払は毎月末日、翌月分を持参払い」となっているが、地主が集金していた。その後、支払は銀行振り込みに変更された。

 5、地代は3万1160円。平成21年11月1日から3万8950円に増額された。

 6、契約書には建物変更を制限する条項
   「建物の増改築、種類構造を変更する場合は、あらかじめ賃貸人の文書による承諾を得なければならない」と定められている。

 7、契約には更新料支払特約
   「期間満了時に建物が存在するときは、賃貸人と賃借人が協議のうえ更新することができる。契約が更新されたときは、賃借人は賃貸人に対して相場による更新料を支払わなければならない」と定められている(以下、更新料支払条項)。

 8、借地契約は平成22年4月1日に更新された。ただし、合意更新か、法定更新かで争いがある。

 9、平成22年4月7日付の地主からの催告書で更新料450万円の支払請求があり、支払わない場合は契約を解除すると通告してきた。

 10、地主はBの更新料不払の債務不履行又は信頼関係を破壊を原因として借地契約を解除し、建物収去・土地明渡を求めて提訴した。


 【裁判での争点は】
 
争点① 更新料不払いの債務不履行を理由とする借地契約の解除が認められるのか。
 
 地主の主張は、
 本件更新は合意更新であり、更新料支払条項により、更新料支払義務がある。仮に法定更新であるとしても、更新料支払条項は法定更新の場合にも適用がある。従って、借地人の更新料不払を原因とする借地契約の解除は有効である。

 借地人の主張は、
 本件の更新は法定更新であり、更新料支払条項は法定更新の場合は適用がない。従って、更新料の支払義務は無いから、債務不履行責任を負わない。勿論、契約解除は無効である。そもそも両者間に更新に関する協議・合意など存在しない。

 争点② 信頼関係を破壊を理由とする借地契約の解除が認められるか。

 地主の主張は、
 借地人は①度々地代の支払を遅滞し、②建物の無断改築をするなど両者の信頼関係は借地人の不誠実な行為により完全に破壊されたから、本件借地契約の解除は認められるべきである。

 借地人の主張は、
 ①地代は地主の集金による支払方法が約10年続いていた。しかし、
地主が平成12年5月から、突然集金に来なくなったことが原因で地代の遅滞が発生した。平成12年7月、突然「賃料の未払を理由に土地の明渡請求をされた」ので、遅滞した3か月分の地代はすぐに全額支払った。それ以降、支払い方法が変更され、銀行振込になってからは現在に至るまで遅滞無く支払っている。

 ②承諾料48万円を支払い、増改築工事を承諾する旨の文書得て改修工事を行ったのであるから、無断増改築の事実は存在しない。

【裁判所の判断】
 争点①
 賃貸人は契約は合意更新であると主張するが、合意の日時、場所、内容、更新料の具体的金額等の事実を認めるに足りる証拠はない。従って、借地契約は法定更新されていると認められる。

 「協議のうえ更新することができる」の次に続けて「契約が更新されたときは、賃借人は賃貸人に対して相場による更新料を支払わなければならない」とあるように合意により本件賃貸借契約を更新する場合を想定して定めたものと解するのが自然かつ合理的である。

 また、賃貸人から請求があれば当然に賃借人に更新料支払義務が生ずる旨の商習慣ないし事実たる慣習が存在することを認めるに足りる証拠はない(最高裁昭和51年10月1日判決)。「したがって、本件更新料支払条項は、合意更新について定められたものであり、法定更新の場合には適用がないと解すべきである」

 以上によれば、賃貸人の更新料の支払請求は認められない。また、賃貸人の更新料不払の債務不履行を理由とする借地契約の解除は認められない。

 争点②
  賃貸人は、賃借人に対して信頼関係破壊に基づく契約解除の意思表示の具体的な主張をしていない(本件解除通知は、更新料不払を理由としてなされている)から、賃借人の信頼関係破壊を理由とする解除の主張は、そもそも主張として不十分であるから、信頼関係破壊を理由とする借地契約の解除は認められない。

裁判所の結論 
「よって、その余の点を判断するまでもなく、原告(賃貸人)の請求はいずれも理由がないからこれを棄却する」。


 東京地方裁判所民事28部

       裁判官  小 池  あ ゆ み

 

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【判例紹介】 更新料支払請求権は客観的に金額を算出できる具体的基準が必要とされた事例

2011年07月27日 | 更新料(借地)判例

 判例紹介

 更新料支払請求権は客観的に金額を算出できる具体的基準の定めが必要とされた事例東京地裁 平成23年3月31日判決・控訴なし)

事案の概要
 (
1)本件は、昭和63年12月、更新料350万円を支払って合意更新をした借地人Yが地主Xから20年の期間満了による更新料393万8170円の支払請求の訴訟を提起された事案。Xの支払請求の根拠は、昭和63年12月の更新の際、20年後の更新の際にも、更新料を支払う旨の合意があったというもの。

 (2)訴え提起前、YはXの代理人弁護士と金額について交渉、一旦175万円の支払意思を示したが拒否され、その後、借地借家人組合と相談の上、更新料の法的性質についての正しい知識を得て法定更新を選択することにしてこの意思表示を撤回していた。

判旨
 (1)判決は、原告・被告の各本人尋問を踏まえ、昭和63年12月の契約時点では「Yも期間満了時に更新料の支払及び額についてXと協議することは念頭にあったと認められるが、更新料を支払う旨の合意(黙示の合意を含む)があったとまでは認められない」としてX主張の合意を否定し、Xの請求を棄却した。

 (2)これで裁判官の役目は終ったはずであるが、判決では「あえて付言するに」として次のように判示した。

 「仮に、賃貸借契約の当事者間で更新料の支払につき合意がされたとしても、その法的性質については種々の考え方があり得るところであって、更新料の法的性質からその算出基準ないし算出根拠が一義的に導かれるものではないから、更新料の支払請求権が具体的権利性を有するためには、少なくとも、更新料支払の合意をする際に、裁判所において客観的に更新料の額を算出することができる程度の具体的基準を定めることが必要であって、そのような基準が定められていない合意は、更新料支払請求権の発生原因とはなり得ないものと解される」。

 そして、本件ではその「具体的基準についての合意は成立していない」として、この点でもXの請求は理由がないとした。

寸評
 
本件は借地借家人組合員の借地更新料支払事件です。借地人Yさんの勝訴は当然ですが、この判決で意義のあるのは、判旨の(2)です。

「更新料を払って下さい。はい、払います」程度の「支払合意」ではまだ「更新料支払請求権の発生原因」にはならないが、さらに「客観的に額を算出できる具体的基準」が定められていると、更新料支払請求権が「具体的権利性」を帯びてくるということです。

そうすると地主が勝訴することになります。例えば「借地権価格の5%」などと記載されていると「客観的に額を算出できる具体的基準」になる可能性があります。既存契約書の解釈、更新契約書の作成に当っては注意が必要です。

(2011.07.)

(東借連常任弁護団/弁護士 白 石 光 征)

東京借地借家人新聞より

 

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【判例紹介】 更新料を支払う借地契約上の合意がない場合に更新料請求は認められない

2009年05月22日 | 更新料(借地)判例

 判例紹介

 更新料を支払う旨の借地契約上の合意がない場合に、地主からの更新料支払請求は認められないとされた事例

 【事例1・墨田区】
 東京地裁平成20年8月25日判決

 (事案の概要)
 ①AはBに昭和24年に土地を貸した。
 ②Aは死亡し、Cが相続。CとBは、昭和43年に借地契約を合意更新(1回目)。この際、更新料4万円が払われた。

 ③昭和63年に法定更新(2回目)。Bが平成5年死亡し、その子であるYが相続。地主Cが平成18年死亡、その子Xが相続。

 ④平成20年2月に法定更新(3回目)。XはYに対し最後の更新につき150万円(土地時価の5%)の更新料を請求して提訴した。

 ⑤賃貸借契約書には更新料に関する定めが一切なかった。

 (判旨)
 判決は、「宅地賃貸借契約における賃貸期間の満了にあたり、賃貸人の請求があれば当然に賃貸人の賃借人の更新料支払義務が生ずる旨の商習慣ないし事実たる慣習が存在するとはいえない(最高裁第2小法廷昭和51年10月1日判決)」として、地主の更新料支払請求を棄却した。


 

 【事例2・豊島区】
 東京地裁平成20年8月29日判決

 (事案の概要)
 ①DはEに昭和21年に土地を貸した。

 ②DとEは昭和41年に合意更新(1回目)。

 ③さらにDとEは昭和61年に合意更新(2回目)。Dは昭和62年に死亡し子の甲相続。Eは平成16年死亡し配偶者の乙が相続。

 ④平成18年は法定更新(3回目)。甲は、更新料の合意または慣習を根拠に525万円の更新料(土地時価の7%)を請求して提訴して来た。

 ⑤昭和61年の合意更新時に作成した契約書には更新料の定めは一切なかったが、更新料と推定される220万円の支払がEからDになされている。

 (判旨)
 判決は、「次回の更新に際して更新料の支払が要件になるか否かは、貸主であるDにとっても、借主であるE側にとっても重要な事項であり、これが当事者間で合意されたのであれば、本件賃貸借契約書にその趣旨の条項が書き込まれてしかるべきところ、本件賃貸借契約書にはそのような条項が存在しない」として更新料支払の存在を否定し、慣習を根拠とした甲の請求に対しては「一定の基準に従って当然に更新料を支払う旨の慣習が存在するとまで認めることはできない」として、地主の更新料支払請求を棄却した。

 (寸評)
 【事例2・豊島区】は筆者が代理した組合員の事例である。地主は控訴したが、第1回以前に取下げ、請求棄却の1審判決が確定して解決した。

 借地契約書に更新料を支払う旨の条項がなく、更新料支払の合意が認められない場合に、借地契約が期間満了時に法定更新したときには、借地人には更新料の支払義務がなく、更新料を支払う事実たる慣習の存在は認められない(最高裁昭和51年10月1日判決)。この最高裁の判例は、【事例1・墨田区】の判決にも引用されているように、既に確定した解釈で、現在の下級審もこれに従っている事例として紹介する。


(2009.09) 

東京借地借家人新聞より 

(東借連常任弁護団)

 

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【判例紹介】 前回更新料を支払ったことが直ちに更新料支払約定の成立とは認められないとした事例

2008年10月17日 | 更新料(借地)判例

 判例紹介

  立続けの地代値上請求が否認され、前回更新料を支払ったことが直ちに更新料支払約定の成立とは認められないとした事例 (東京地裁平成4年12月25日判決、判例集未掲載)


 (事案)
 借地人は台東区上野3丁目に31.6坪の土地を借地して木造建物を所有していたが、地主は、昭和60年以降大幅な値上げ請求を繰り返し、本件地代は、
昭和60年4月には月額3万8870円、
昭和61年4月には月額5万8870円、
昭和61年10月には月額7万8870円、
昭和62年4月には月額9万6327円(坪3048円)となっていた。

 借地期間は昭和63年9月1日であったが、地主はそれに先立つ昭和63年4月、地代を月額19万7617円(坪5660円)に値上げ請求し、更新料として215万6000円を請求した。


 (判決要旨)
 「本件土地はJR山手線上野駅の東方約300メートルに位置し、商業地域に属し、同駅前の高度商業地域の背後至近にあって交通事情も良好であること、地価は昭和61年から62年にかけ急激に上昇したが、翌年に入ると鈍化傾向を強めたこと、本件賃料も昭和60年以降急激に増額されていること、昭和62年4月の値上げは、値上げに応じなければ土地を売ると言われ、当時地上げ屋が横行していたこともあってやむなく増額に応じたこと、現行地代9万6337円は、鑑定により昭和63年9月当時の比準賃料として算出された額8万3000円よりも高額であり、昭和62年当時の公租公課の5.169倍になっており、近隣地域の比率が4倍であることに比べても高率であること。以上の事実を前提に判断すると、鑑定が適正賃料を10万円としていること近隣地域では1年ないし2年で賃料の改訂がされるのが多いことを考慮しても、本件現行賃料は、昭和63年9月時点ですでに比準賃料と比較しても高水準となっており、昭和62年以降は地価の上昇も鈍化している上、昭和61年からの賃料増額の経過、ことに同年中にはわずか6か月で増額されていること等の事情に照らすと、本件現行賃料が昭和63年9月において不相当となっているとはいえない。」

 「更新料の請求については昭和63年9月1日時点における更新が法定更新であるところ、昭和43年9月の更新の時に50万円の更新料が払われたことから直ちに、その後の更新時には更新料を支払う約定が成立したものとは認められない。


 (解説)
 本件は当組合員の事例であり、東借連常任弁護団の2名が担当した。賃料値上げを一切認めない判決は非常に少なく、短期間の間の立て続けの増額のうえ、更なる増額を請求した地主に対し、厳しい判断を下したものである。

(1993.04.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

 


 

  更新料の支払請求にに関しては、判決では前回の更新時に更新料を支払った事実があったからといって、それが直ちに更新料の支払の合意をしたことにはならないとして地主の更新料支払請求を認めなかった。今回と同趣旨の判例はこちらから

 

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【判例】 *更新料支払の慣習を否定し、更新料支払義務なしとした最高裁昭和53年1月24日判決 (2)

2008年03月12日 | 更新料(借地)判例

 判例紹介

 借地契約の更新に際し更新料支払の慣習を否定し、借地人の更新料支払義務がないとした判決 最高裁1978(昭和53)年1月24日判決 

言渡  昭和53年1月24日

交付  昭和53年1月24日

裁判所書記官 清水

 昭和52年(オ)第1010号

 判      決

 東京都品川区中延4丁目*番*号

   上告人      A

 右訴訟代理人弁護士

   平  山   国 弘

   村  埼     満

   八木橋   伸   之

   米  丸   和   実

   亀  丸   龍  一

   川  畑   雄  三


 東京都品川区二葉4丁目*番*号

   被上告人     B


 右当事者間の東京高等裁判所昭和(ネ)第2号更新料等請求事件について、同裁判所が昭和52年6月15日言い渡した判決に対し、上告人から全部破棄を求める旨の上告の申立があった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。

 

主      文

   本件上告を棄却する。
   上告費用は上告人の負担とする。

 

理      由

 上告代理人平山国弘、同村崎満、同八木橋伸之、米丸和実の上告理由について

 建物所有を目的とする土地賃貸借契約における賃貸借期間満了に際し賃貸人の一方的な請求に基づき当然に賃借人に賃貸人に対する更新料支払義務を生じさせる事実たる慣習が存在するものとは認められないとした原審の認定判断、及びその余の所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係及びその説示に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひっきょう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、独自の見解に基づき原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。
 よって、民訴法401条、95条、89条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文の通り判断する。


 最高裁判所第三小法廷

   裁判長裁判官   高  辻   正 己

   裁判官              天  野   武 一

   裁判官              江里口    清 優

   裁判官              服  部   高 顕

   裁判官              環     昌  一

 


 

           

 

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【判例】 *更新料支払の慣習を否定し、更新料支払義務なしとした最高裁昭和51年10月1日判決 (1)

2008年03月11日 | 更新料(借地)判例

 判例紹介


 更新料支払の商慣習が存在しないとして上告人(地主)の更新料支払請求が棄却され、これにより更新に際して被上告人(借地人)は更新料の支払義務がないことが確定した。 最高裁1976(昭和51)年)10月1日判決、判例時報835号63頁)


言渡 昭和51年10月1日

昭和51年(オ)第657号

判      決

 

     上告人A

     右訴訟代理人弁護士  小  林   宏 也

                                 本  多   藤 男

                                 長谷川   武 弘

     被上告人B



主      文

 

   本件上告を棄却する。
   上告費用は上告人の負担とする。


理      由

 

 上告代理人小林宏也、同本多藤男、同長谷川武弘の上告理由第1点について

 原審が適法に確定した事実関係によれば、被上告人の所論所為をもって、いまだ本件賃貸借契約の継続を不可能又は著しく困難ならしめるものとは認めるに足りないとした原審の判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

 同第2点について
 宅地賃貸借契約における賃貸期間の満了にあたり、賃貸人の請求があれば当然に賃貸人に対する賃借人の更新料支払義務が生ずる旨の商慣習ないし事実たる慣習が存在するものとは認めるに足りないとした原判決挙示の証拠関係に照らして、是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひっきょう、独自の見解を主張するものであって、採用することができない。

 同第3点及び第4点について
 記録及び原判決事実摘示に照らし、所論の点に関する原審の認定判断は、その過程に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。
 よって、民訴法401条、95条、89条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文の通り判断する。

 

          裁判長裁判官       大塚  喜一郎

               裁判官       岡原  昌 男

               裁判官       吉田      豊

               裁判官       本林     譲

               裁判官       栗本   一 夫

     昭和51年10月1日

           最高裁判所第二小法廷 

 


 

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【判例紹介】 更新料を支払う慣習或は慣習法の存在が否定された事例

2007年02月10日 | 更新料(借地)判例

  判例紹介

 更新料を支払う旨の慣習あるいは慣習法の存否 (東京地裁平成7年12月8日判決、判例タイムズ918号)

 (事案)
 賃借人は銀座の土地を借地していた不動産会社であるが、倒産して会社更生手続が開始された。会社更生手続の中でこの不動産会社は他の会社に吸収合併されることになった。この結果、賃借権も新会社に譲渡された。そこで、地主は、新借地人である新会社に対して、賃借権譲渡の承諾料及び更新料として総額3億円を請求した。新賃借人は、更新料の支払を拒否し、譲渡承諾料について話合いをしていたが、交渉決裂となったため、地主が提訴した。

 地主は、新賃借人が、右交渉において、更新料支払約束をしたと主張、それが認められないとしても、慣習あるいは慣習法に基づいて更新料支払義務があると主張した。

 判決は、更新料の支払い合意は成立していないとした上で、慣習に基づく更新料支払請求について、次のように判決した。

 (判決要旨)
 「土地の賃貸借契約の更新に際して賃料を補充するものとしての更新料の支払がなされる事例の存することは否定し得ないところであり、東京都内、特に銀座地区においては、賃貸借契約の更新に際して、更新料が支払われる例が多くみられるが、これらの更新料の支払は、賃貸借契約の更新時における更新条件等の協議に基づいた合意の結果、支払がなされるに至ったもので、原告が主張するように、当事者間の更新料に関する合意が存しないにも関らず慣習あるいは慣習法に基づいて当然に更新料の支払がなされたという事例は散見することができない。
 したがって、東京都内、特に銀座地区においては、賃料の増額が地価の高騰に追いつかず、適正賃料額と現実の賃料額との格差が拡大する傾向にあることから、更新料の支払いが一般的に行われるとしても、右更新料の支払が、慣習あるいは慣習法に基づいてなされているという事実を認めることはできない。

 (説明)
 更新料の支払約束がない場合、慣習によって更新料支払義務を認めることはできないということは、最高裁昭和51(1976)年10月1日判決で明確にされ、その後も地裁、高裁で同様の判決が出されており、判例上確定した見解となっている。

 本判決もこの流れの中にあるものだが、昭和51年10月1日の最高裁判決から既に久しい年月が経過している。慣習とは、日々の積み重ねで作られたり消えたりするものであるから、その間に更新料支払に関する慣行が変化することもありえる。その意味で、本判決が慣習に基づく更新料支払の慣行はない、としたことは意義があるので、判決例として紹介した。

(1996.12.) 

(東借連常任弁護団) 

東京借地借家人新聞より


参照 
①(借地)法定更新の場合でもで更新料支払の慣習は認められないとした判決(東京地裁平成14年1月24日)
      
②借地の更新料支払の慣習は認められないとした判決(東京地裁平成16年5月21日)                  

 

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【判例紹介】 かつて更新料を支払った事実があっても更新料の合意とは認められない

2006年05月13日 | 更新料(借地)判例

 判例紹介

 借地の更新料について支払いの慣習があるとは認められないとした事例東京地裁平成16年5月21日民事37部判決。未掲載)

 (事実)
 Xは土地の賃貸人であるところ、平成12年12月末日に契約期間が満了したため借地人Yにたいし更新料700万円を請求した。Yは更新料支払いのため交渉には応じたが、結果は合意に至らなかった。

 そこで、XはYが前回の更新時に更新料として331万2500円を支払った際にも次の更新時にも更新料を支払うとの合意がなさねたと主張。また、仮に合意がなかったとしても目黒区中央町およびその隣接地域には、土地賃貸契約の更新に際し、更新料を支払う慣習が存在すると主張した。

 判決は、更新料を支払う旨の合意については、Yがかつて更新料を支払った事実があるというだけで更新料支払の合意があったことの根拠とすることはできない、としてXの主張を認めなかった。そして、更新料の支払いの慣習があるとするXの主張も認めず、Xの請求を棄却した事案。

 (判旨)
 「証拠によれば、本件土地の存在する東京都目黒区中央町及びその隣接地においては、土地賃貸契約の更新に際に、借地人から地主に対し、更新料が支払われる事例が多数存在することが認められる。しかい、このような更新料の支払は、当事者間の合意が成立した結果である場合が多いと認められる上、その支払の趣旨は、契約を円滑に進めるための代償であったり、賃料の補充を目的とするものであったりと多様であると認められるから、たとえ本件土地近辺において、土地の借主が地主に更新料を支払うことが多数見られるからといって、それをもって同地域に更新料支払の慣習があると認めることはできない

 (寸評)
  本件は東京借地借家人組合連合会(東借連)の会員の事件。判決の結論は当然であるが、繰返し訴訟が提起される更新料の支払請求について、更新料の性格に言及して支払の慣習を否定したものであり理論的な説得力のある判決の1つとして紹介した。

(2005.04.)

(東借連常任弁護団)

 東京借地借家人新聞より

 

東京・台東借地借家人組合

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【判例紹介】 借地法定更新で更新料支払いの慣習は認められないとした事例

2006年01月23日 | 更新料(借地)判例

 判例紹介

 土地賃貸借契約の法定更新の場合でも更新料の支払義務があるとする慣習は認められないとした事例 平成14年1月24日、東京地方裁判所民事第45部判決。未掲載)


  (事案)
 地主Xは、東京都墨田区内に土地428.08平方メートルを所有し、これを借地人Yに建物所有の目的で賃貸していた。

 この契約が平成12年10月31日の経過により満了するため、地主Xはその10ヶ月前に期間満了の通知をした。

 借地人Yは地主Xに対し、契約更新の希望と更新の際の条件の提示を要請した。

  地主Xは堅固建物の存在を前提として、契約期間を30年とする場合の更新料を2040万9963円(1平方メートル当たり4万9125円)と提示。

 合意に達しないまま、平成12年11月1日、法定更新となり、地主Xは借地人Yに対し、賃貸借契約の更新に当たっては、合意更新であると法定更新であるとを問わず、更新料の支払いが条件になることは、現在では社会的な慣習となっていると主張して、更新料2040万9963円等の支払を求めた事案。

 結果は地主Xの請求棄却。地主の更新料支払請求の主張は認められなかった。

  (判旨)
 「YがXに対して本件賃貸借契約更新の条件の提示を要請したのは、YがXの条件の提示を見て、これに応じるかどうかを検討しようとしたものであって、更新料の支払義務を認めたものということはできない。……また、賃貸借契約の法定更新の場合でも更新料の支払義務があるとする慣習は認められない」

  (寸評)
 法定更新の場合に、更新料支払の義務があるとする慣習はないとするのが判例の立場であることは、周知のこと。それにもかかわらず、依然として、更新料請求の訴訟が提起されるのは、更新料の支払拒絶を明言せずに、条件交渉をする賃借人が多いことをあらわしている。更新料交渉について注意を喚起するために紹介した。

(2002.06.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

 

東京・台東借地借家人組合

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