東京・台東借地借家人組合1

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部屋で自殺があったことを説明されずに、部屋を借りた場合は

2013年10月30日 | 民法・借地借家法・裁判・判例

 2013年10月28日、約144万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が神戸地裁尼崎支部であった。マンションの一室で自殺があったことを告げずに、その部屋を賃貸したのは不法行為だとして、部屋を借りた男性が家主の弁護士(兵庫県弁護士会所属)を訴えていた。 

 家主の弁護士は2011年5月2日、兵庫県尼崎市のマン ションの一室を競売で取得した。その部屋に住んでいた一人住まいの女性が競売後の5月5日頃に部屋で自殺した。

 2012年8月、家主の弁護士は、部屋で女性が自殺したことを説明せずに、男性と部屋の賃貸借契約を結んだ。男 性は8月末に引っ越を完了したが、近所の住人から、「この部屋で去年女性が自殺した」という話を耳にして、気味が悪いので、翌日には部屋を退去した。翌月の9月20日、家主に部屋の契約解除を通告した。

 裁判の中で家主の弁護士は、「競売後の 手続きは他人に任せていた。部屋で女性が自殺したという報告を受けないまま明渡し手続きを終了した。自殺の事実は知らなかった」と主張した。

 裁判官は、女性の死後に弁護士が部屋のリフォームを指示したことから、「部 屋の心理的な瑕疵の存在を知らないことはあり得ない」と指摘し、「およそあり得ない不自然な経緯という他はない」と家主の弁護士の主張を退けた。

 また、裁判官は、女性の遺体を警察官が搬出し、住人らが自殺と認識していたことなどを挙げ、「一般の人でもこの部屋は居住に適さないと考える。部 屋には、嫌悪すべき歴史的背景に起因する心理的な欠陥という瑕疵がある」と判断し、「告知すべき義務があったのに、意図的に告知しなかっ た」として、弁護士に賃料や慰謝料など約104万円の支払いを命じた。 


 他の裁判例(横浜地裁)でも、自殺があった建物売買で心理的瑕疵があるとして、契約解除を認めている。

 中古マンションの売買契約後、その部屋で6年前に売主の妻が首つり自殺をしていたことが判明した事案。
 買主は自殺は建物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景の一つであり、隠れたる瑕疵に当たるとして、契約を解除し、支払い済みの手付金及び違約金の支払いを求めて横浜地裁に提訴した。

 判決では「首つり自殺があった建物を他の類歴のない建物と同様に買い受けるということは通常考えられないことであり、子供を含めた家族で永住するために供することははなはだ妥当性を欠くことが明らかである。本件契約は、民法570条の瑕疵担保責任による解除原因があるとして、買主の請求を容認した。判決は、建物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景等に原因する心理的欠陥も瑕疵に当たるとした(横浜地裁平成元年9月7日判決 判例時報1352号126頁)。

 裁判例から窺えることは、人の死が病死や老衰等の一般的な自然死については瑕疵の問題は惹起されない。それでは、心理的瑕疵の認定基準はどのような事情によるのか。認定基準は、買主や借主にとって気味が悪いといった主観的事情であり、一般的には他殺や首つり自殺に代表される尋常でない変死ということになる。

 長い「時」が経過すれば、気味悪さも薄れてゆくので、時間的経過も考慮される。横浜地裁の事例のように6年経過すれば問題ないと感じる人もいるであろう。部屋が綺麗に修復されて変死の痕跡がなければ家賃を値下げしてくれれば耐えられるという人もいるであろう。何年経とうが気味が悪いと感じる人もいる。このように人の感じ方という極めて主観的な問題であるので、心理的瑕疵の認定は難しい問題を含んでいる。

 

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