東京・台東借地借家人組合1

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保証金/敷金トラブル/原状回復/法定更新/立退料/修繕費/適正地代/借地権/譲渡承諾料/建替承諾料/更新料/保証人

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家賃を50%値上げ請求 (京都市)

2008年08月29日 | 家賃の減額(増額)

 京都市内の中心地、錦小路商店街に一部が不動産業者に底地買いされ1年が経ちました。

 当時、業者は軒並みに賃料を50%値上げ請求し、Yさんには「業種無断変更」を口実に店舗明渡訴訟を起こしてきました。

 Yさんは、「決して無断ではなく、前家主との間で承諾を得ている。賃料についても50%もの値上げは認められない」と反論し争いました。

 同商店街の業者2店舗も賃料増額請求の調停が行われており、Yさん同様の主張で闘いました。また、新家主は、これまで2年間の契約期間を1年に短縮するとの要求に対しても抗議し、撤回させることができました。

 家賃の値上げ請求に対しても当初請求額の50%に抑え、今年2月分(業者は昨年4月分から請求)から実施することで和解が成立しました。

 訴訟中のYさんも、「業種変更」を認めさせ賃料も従来から23%の値上げ幅で和解が成立しました。

 当初、組合員はYさん1人でしたが、家賃の増額を請求されている店舗に呼び掛け3名が組合に入会し、みんなで団結して闘った成果だと喜んでいます。

 

全国借地借家人新聞より

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200の賃貸物件を扱いながら40年間、1度も敷金を返さない悪質家主(静岡・静岡市)

2008年08月28日 | 敷金(保証金)・原状回復・消費者契約法

 静岡市内で飲食店を営んでいたMさんは、昨年10月転居しましたが、契約書で退去1か月後に敷金が返還されることになっていましたが、新年になっても一向に返還されず、静岡借地借家人組合へ相談。

 組合は、家主の経歴を調べると、8年前に組合員が敷金の返還を求めて少額訴訟を争った同一人物であることが明らかになりました。

 当時、家主は「200軒の賃貸物件を扱って40年間、敷金を返せと云われたことがない」と主張。この家主の主張に一番びっくりしたのは裁判官でした。そして、家主に対して「敷金は預かり金ですよ。貴方は40年間もそんなことをやっていたのですか」とたしなめられる場面もありました。

 そして、家主は裁判官の和解勧告にも応じず判決を望み、その結果は「敷金全額を借家人に返還せよ」と組合員の完全勝訴の判決を言い渡しました。

 Mさんは、このようないわく付の家主に対して「敷金返還請求」を内容証明郵便で通知したところ、敷金の10%の退去時償却費・住宅と倉庫のハウスクリーニング費用を敷金から差し引き返還するというものでした。

 組合では、最近の判例からみてハウスクリーニング代は家賃に含まれている。退去時償却費(敷引き)は原則無効であるので敷金を全額返還されれるべきとの見解を示しています。

 

全国借地借家人新聞より

 

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「更新料の支払は事実たる慣習ではない」と頑張る借地人 (東京・狛江市)

2008年08月22日 | 更新料(借地)

 東京都狛江市元和泉で寺領地37坪を借地しているYさんは、借地契約の更新日から1年後の平成19(2007)年5月、地主から坪あたり更新料として1坪8万5000円の更新料を請求されました。

 Yさんは、同敷地を自宅とアパートに使用し借地契約は別々に契約しています。アパート用地は、昭和61(1986)年に約150万円の承諾料を支払い再築し、自宅は10年前に502万円の更新料を10年の分割払いで払っています。

 Yさんはインターネットで組合を知り「更新料は法律的に支払う義務がない」ことがわかり多摩組合へ入会し、更新料の支払いを拒否する旨地主へ通知しました。

 地主は、「前回も更新料をうけとっている。また、当寺の借地人からもは更新料を受領していることから『事実たる慣習』となっている」と主張し、払わなかったら法的手続きを検討すると脅かしてきました。

 多摩借組は、最高裁の判決でも「更新料支払義務を生じさせる事実たる慣習が存在するものとは認められない」として更新料支払の慣習は否定され、判例上、既に確定していると反論した。

 2008年2月、地主は、立川簡易裁判所へ調停を申立ててきたが、Yさんは裁判所に上申書を提出し、「支払義務のない更新料を協議する調停には出席するつもりはない」との裁判所へ上申書を提出し、4月に不調になり、6月に東京地裁八王子支部に更新料請求で提訴してきました。

 Yさんは契約書で更新料の支払を合意したこともなく、、「これ以上お寺の言いなりにはなれない」として大きな圧力の中で頑張る決意をしています。

 

全国借地借家人新聞より

 

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「敷引特約」は消費者契約法に反して無効 (京都で消費者団体訴訟) (京都新聞)

2008年08月20日 | 敷金(保証金)・原状回復・消費者契約法

「敷金返さぬ特約 無効」
京都地裁 消費者団体が業者提訴

              2008年8月12日(火曜日) 京都新聞

 賃貸住宅の契約で、敷金の全額または一部を返還しない「敷引特約」は消費者契約法に反して無効だとして、京都市の消費者団体が12日、同市の不動産賃貸会社に、この特約条項の使用差し止めを求める消費者団体訴訟を京都地裁に起こした。敷引特約をめぐる団体訴訟は全国初。

 訴えを起こしたのは、NPO法人(特定非営利活動法人)「京都消費者契約ネットワーク」。違法な契約の使用差し止めなどを被害者個人に代わって消費者団体が訴える団体訴訟制度に基づく全国3例目の訴訟になる。被告は京都市南区の「大和観光開発」。

 訴状によると、同社は、敷金の一部を借り主に返還しない特約条項を設けている。京都消費者ネットワークは「借り主に賃料以外の負担を負わせるのは不当。敷引特約を無効とする判例は定着しているが、京都ではいまだに多くの物件に特約がある。今後も特約を使っている業者が確認できれば、積極的に提訴したい」としている。

 大和観光開発は「会社の主張は裁判で明らかにしたい」とコメントしている。

 

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自由法曹団が保証会社で意見提出

2008年08月18日 | 家賃保証会社・管理会社・(追い出し屋)

   公的保証制度の確立と法的規制を提言

 東借連では、4月に自由法曹団東京支部の幹事会に、連帯保証人に代わる賃貸保証会社の悪質な保証委託契約書の問題や野放し状態の保証会社の規制等の対応について申入れを行なった。

 7月11日に同支部より、「東京都生活基本計画改定素案」のパブリックコメントの中で賃貸保証会社について意見を提出し、東借連に意見が送られてきたので紹介する。

 意見では、賃貸保証会社と賃借人との賃貸保証契約は借主に著しく不利益であるとして3点にわたってその法的問題点を指摘している。

 (1)賃貸借契約は賃貸人と賃借人の信頼関係が破壊されたときに解除できるのが最高裁判例であり、諸般の事情を考慮して延滞賃料4ヶ月の場合に契約解除を認めなかった事例がある。1ヶ月の延滞賃料と14日間の音信不通のみで一時使用禁止、さらに2週間で契約を解除とするのは判例に反している。

 (2)賃借人が任意の明け渡しをしない場合に裁判もなく物件を使用禁止や契約の解除や残留物の撤去・処分、室内の立ち入りができるとするのは法の禁ずる実力行使、自力救済である。

 (3)消費者契約法10条の「消費者の義務を加重する消費者契約条項であって、民法1条2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害する」ものとして無効となる賃貸保証契約であると思われる。

 問題を解決するための提言として、「賃貸保証契約の内容が賃借人のために改善されなければならず、それが業界の自主的努力で行なわれない場合には、行政的な規制や法的規制が求められる。賃貸保証契約の運用面でも実効的な規制をすべである。一例として延滞賃料の取立てでは少なくとも消費者金融に準じる規制が必要である。さらには担当省庁を明確化することが重要である。さらには公的保証制度を確立していくことが方向として考えられる。これまでの自治体の賃貸保証会社の紹介の実態を検証し、そのあり方を見直す必要がある」している。

 最後に、根本的な住宅条件の改善が必要であるとして、「都営住宅の新築を再開し、大幅な新規建設が急務である」ことが強調されている。

 

東京借地借家人新聞より

 

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【判例紹介】 地代改定特約の効力が限定され、地代値下げ請求が認められた事例

2008年08月15日 | 契約・更新・特約

 判例紹介


 地代改定特約に基づく地代値上げ請求が、改定特約の基礎となっていた事情が失われたとして、借地人からの地代値下げ請求が認められ事例 (東京地裁平成3年3月29日判決、未登載 控訴)

 (事案)
 原告は、江東区福住の借地人2人であり、被告は、都内に多くの土地を有し賃貸している会社であるが、被告(地主)側は、従来から一々地代値上げ請求をすることは煩わしいとして、借地人との間で地代改定特約を結んできた。

 本件2つの地代改定特約が結ばれたのは昭和43年4月と昭和58年3月である。

 右地代改定特約の1つは「土地(借地)の路線価(相続税課税基準価格)を基準とし、これが増減した場合には、その増減の割合と同一の割合をもって、当然に増減するものとする」というものである。

 もう1つの地代改定特約は、「土地(借地)の昭和57年度の固定資産税及び都市計画税、または同評価額、もしくは路線価のうち最も増加率の高いものを基準とし、その額の増加率に応じ、当然に増額するものとする。」というものである。

 このため、坪当り地代額は、昭和53年の金600円から順次値上げされ昭和62年に金1315円になったが問題の昭和63年には、前年倍額の金2629円に増額され、さらに平成元年には金4625円、平成2年には金6134円に増額されたことになった。

 原告(借地人)側は、本件改定特約は昭和63年の時点で事情変更により失効したか、あるいは事情によって相当でなくなったとして、昭和63年の地代額は前年の地代額に減額(措置)されるべきであると主張した。

 (判示)
 裁判所は、路線価の上昇により、昭和63年の地代額が前年地代額の倍増になったとしたうえ、昭和61年以降全国的に土地価格が上昇し、それに伴い路線価が上昇傾向を示し、特に昭和63年以降著しく上昇したことが認められるとして、本件改定特約については、路線価が借地契約締結当時の上昇率と著しく異ならない程度で安定して推移するとの前提のもとで特約が設けられたものと解すべきであり、著しい地価高騰という異常な状況の下においては、もはや締結に際して基礎となっていた事情が失われ、本件改定特約により、地代額を算定することは、信義衡平の原則に反すると判示した。

 (短評)
 これまでの判例は、地代減額請求事件において、地代改定特約の効力についてはその特約の内容によって分かれていた。

 本判決は、路線価の上昇に連動する地代改定特約について、土地価格の異常な上昇を指摘し特約の効力を限定した点で、好判決ということができる。

(1991.05.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

 

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大東建託の騙しの明渡し交渉 (東京・調布市)

2008年08月14日 | 建物明渡(借家)・立退料

 賃貸住宅の管理戸数全国NO1で30年一括借上を宣伝している大東建託だが、今年の2月に家主の代理人と名乗り突然調布市に住むSさんに対し7月までに立退くように連絡してきた。

 同社の社員は引越しの費用は大会社なので心配いりませんと言葉巧みに明渡し承諾書にサインさせた。 ところが移転先も紹介せず、移転費用も提示してこない。

 困ったSさんは、組合に相談し、組合が交渉して7月中にやっと引越しができた。

 

東京借地借家人新聞より

 

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地主が底地を不動産会社に売却 (東京・豊島区)

2008年08月12日 | 地上げ・借地権(底地)売買

 豊島区上池袋で借地している野島さんたちは、昨年、地主からいきなり「底地を不動産会社に売却した」と通知された。

 寝耳に水の通知でびっくりした野島さんは、地元の元区議会議員で借地借家人組合の役員の紹介で組合に入会した。その際、一人より二人、なるべく多くの方が一致して対処することが最も有効な対処であることを話され、同じ地主の借地人全員に組合を紹介し、全員が入会した。

 その後、一年あまり経過したが、この間、何回か地元の集会室などを借りて勉強会や相談会などを開催して、組合員相互の親睦を図りながら交渉してきた。

 買取の希望価格が業者の売買価格と一致した人も、全員が話しがつくまで、抜け駆けはしないと一致しがんばってきた。

 その結果、借地のままで買取りも売却もしないと言う借地人を除いて、当初、不動産会社が提示してきた金額を大幅に下回る金額・借地人の希望する金額で買取ることに合意した

 

東京借地借家人新聞より

 

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事業用定期借家契約を理由に明渡請求裁判 (東京・大田区)

2008年08月11日 | 定期借家・定期借地契約

 大田区大森南*丁目にてクリーニング業を営むBさんが、店舗併用住宅の明渡しの訴状を手に相談にみえた。

 訴状内容は、「事業用定期建物賃貸借契約期間満了にも関わらず、明渡しに応じていない。建物から退去して明渡せ」ということだった。そもそも兄の名義の契約を更新の際に本人名義に切り替える時に、大変なこととは考えず家主の言われるままに、定期建物賃貸借契約に署名捺印をしたのが問題の発端だった。

 これまで知り合いの税理士に相談してきたが、見通しが立たず組合の役員を介して組合事務所を訪ねたのだった。

 定期建物賃貸借契約は、平成12年3月1日以前に契約し、居住用の建物賃貸借契約は定期借家契約への切り替えは認められないが、事業用は切り替えができる。

 Bさんの場合は居住も付いている(店舗併用住宅の場合は居住用の扱いになる)ので定期借家法の附則第3条に抵触し、契約の切り替えは無効と争う決意でいる。

 

東京借地借家人新聞より  

 


(参考)
附 則 
(平成11年12月15日法律第153号) 抄

(施行期日)
第1条  この法律は、公布の日から施行する。ただし、第5条、次条及び附則第3条の規定は平成12年3月1日から施行する。

(借地借家法の一部改正に伴う経過措置)

第2条  第5条の規定の施行前にされた建物の賃貸借契約の更新に関しては、なお従前の例による。
2  第5条の規定の施行前にされた建物の賃貸借契約であって同条の規定による改正前の借地借家法(以下「旧法」という。)第38条第1項の定めがあるものについての賃借権の設定又は賃借物の転貸の登記に関しては、なお従前の例による。

第3条  第5条(借地借家法第38条)の規定の施行(平成12年3月1日)前にされた居住の用に供する建物の賃貸借(旧法第38条第1項の規定による賃貸借を除く。)の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、第5条の規定による改正後の借地借家法第38条の規定は、適用しない。


 借地借家法第38条の定期建物賃貸借(定期借家契約)の規定は平成12年3月1日に施行された。

 この定期借家契約は平成12年3月1日以前に契約した居住用借家には「借地借家法の一部改正に伴う経過措置」(附則第3条)により適用されない。即ち、「経過措置附則第3条」により既存の居住用普通借家契約を解約して新たに定期借家契約へ切換えることは禁止されている。

 仮に当事者の合意で居住用普通借家契約を解約して新たに定期借家契約へ切換えたとしても、その契約は定期借家契約として認められず、普通借家契約として扱われる。

 なお、店舗・事務所・倉庫等の営業用借家は、平成12年3月1日以前に契約したものであっても、当事者の合意があれば、普通借家契約から定期借家契約への切換えは行える。

 

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組合を窓口に東京土地開発と交渉 (東京・墨田区)

2008年08月08日 | 地上げ・借地権(底地)売買

 墨田区太平*丁目の借地人12世帯が6月に地上げ問題で入会した。新しく地主になったのは東京土地開発株式会社で、7月3日に千代田区の本社に組合員2名と地元代表1名が借地人一同から預かった地代を納に行った。

 翌日の7月4日の同社の担当者のA氏より組合に話し合ってほしいとの連絡があり、7月11日に会談した。A氏は「14日から測量に入るので皆さんの了解を得てほしい」、「うちは地代を頂くのが本業ではなく、土地の売買、つまり開発するのが会社の方針です」と主張した。

 さらに、ここの場合は特別といいながら「底地の売買価格は北側が1坪75万円、南側1坪70万円、角地の皆さんは1坪75万円で考えています」、さらに「金利のこともありますので1日も早く処分したいので皆さんのご協力を」と30分にわたり一方的に話して帰っていった。

 組合では7月23日に借地人一同全員に集まってもらい、東京土地開発との話の内容を知らせ協議した。売買については結論が出ず、今後アンケートをとって組合員の意見を組合で集約することにした。

 東京土地開発の社員は一部の借地人に「地代はをいつまで払っているのか」連絡をしてくるなどの動きがあり苦情が出た。

 組合ではA氏に対し勝手に組合員を回らないよう注意し、「個々には連絡をしない」ことを約束させた。

 組合では「底地が買えなければ無理に買取る必要はない」と説明し、借地人一同の意見を聞き、今後も粘り強く交渉していく予定でいる。

 

東京借地借家人新聞より

 

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借地更新料(36坪で185万円)を請求される (東京・立川市)

2008年08月07日 | 更新料(借地)

 立川市錦町*丁目に36坪を借地しているYさんは、20年前に更新料130万円を支払った。今年の6月末に20年の契約が切れ、地主から更新するなら185万円を支払うよう請求された。Yさんの娘さんは、母親も体も弱く今回はとても更新料を支払うお金の余裕もなく困っていたら、たまたま組合事務所の前を通り過ぎ看板を見て組合に相談した。

 組合から「更新料はそもそも法律上支払う義務はなく、更新料を払わなくても法定更新すれば前契約と同一条件で更新ができる」と説明を受け、Yさんも安心した。地主と直接交渉することはやめて、組合と話し合うよう連絡した。

 その後、地主から相談受けているという旭化成ホームズ(株)コンサルティングのM氏が連絡してきて、7月30日に組合事務所で話し合いを行なった。

 組合役員は、地主に対し「組合では更新料は合意更新の対価であり、借地人が支払を拒否する以上、地主は更新料を強制的にとることはできない」と説明した。

 M氏は前回更新料を支払っているので、更新料を支払う合意があると主張したが、契約書に次期更新時に更新料を支払う特約がないかぎり、更新料を支払う合意はないことは判例で明確になっていることを強調した。

 地主側はこれ以上話し合っても無理であることがわかり、今後は弁護士と相談してみるといって帰っていった。

 

東京借地借家人新聞より

 

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【判例紹介】 借地人が競売の申立を受けた時は契約を解除出来る特約を無効とした事例

2008年08月06日 | 契約・更新・特約

 判例紹介


 借地人が競売の申立を受けた時は賃貸人は賃貸借契約を解除することができる旨の特約は、借地法11条により無効であるとされた事例 (神戸地裁昭和62年7月10日判決、判例タイムズ647号186頁以下)

 (事案)
 XらはYに対して建物所有目的で土地を賃貸しYはこの土地上に木造瓦葺平屋建を所有していたところ、Yがこの建物について債権者から競売の申立を受けた。X、Y間の賃貸契約ではYの置いて競売の申立を受けたときは、Xにおいて契約を解除しうる特約があったため、Xはこの特約により契約を解除し、Yに対して前記建物の収去土地明渡の請求をなした事件である。

 (判旨)
 「原告ら主張の特約は借地法11条に抵触し無効であるというべきである。借地法は、建物の存続する土地の円滑な利用及びその経済的効用の維持発展のため、借地契約について相当長期間の借地期間を定めと共に正当な事由がなければ、賃貸人は契約の更新を拒絶できないものとし(同法2条、3条から8条参照)、特に借地人の責に帰すべき事由があれば格別(例えば賃料の不払い)、そうでない限り無闇に借地契約を終了させず、もって借地人の地位安定を図り、これに反する借地人に不利な特約は無効である、と規定している(同法11条参照)。

 ところで、原告ら主張の本件特約は、借地人である被告が他から競売の申立を受けたことを理由として、賃貸人である原告らに契約の解除権を付与しようというものであるが、借地人が他から競売の申立を受けたということは、当該借地契約自体とは全く関係のないものであって、右契約について借地人の責に帰すべき事由により発生した事情とは到底いいえないから、これをもって賃貸人たる原告らに右解除権を付与することは、右借地法の各規定に反するものである」とし、競売の申立を受けたことが「ただちに信頼関係維持に反し、又は賃料不払いと同視すべき事由とはなし難い」としている。

 判旨は、前記理由に続いて借地法9条の3(注)いわゆる競落による借地権譲渡許可申立制度の存在からも、前記特約の無効に言及し、さらに、競売申立による解除権の発生を認めると、「借地人の地位を著しく不安定にし、一方的に不利益を被らせるものであって、借地の経済的効果を甚だしく減退させ、借地法の立法趣旨に反するものである」と判示している。

 (寸言)
 判旨に異論はなく、最高裁と同旨の立場である。実際の契約を見ると、この種の特約が、特に借家契約に見られることから、借地に関しては効力がないことを知ってもらえる意味で紹介した。

(1988.07.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

 


 

(注)借地法「9条の3」は借地借家法20条1項~4項と同旨

参考法令
借地法
第11条
 第2条、第4条乃至第8条ノ2、第9条ノ2(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及前条ノ規定ニ反スル契約条件ニシテ借地権者ニ不利ナルモノハ之ヲ定メサルモノト看做ス


借地借家法20条1項
(建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可)

第20条  第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、借地条件を変更し、又は財産上の給付を命ずることができる。

 

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