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【日銀「永久緩和宣言」は米QEも永遠だから】日銀の「外債購入論」を排す⑤

2016-10-03 00:00:37 | 日本

前回からの続き)

 ・・・以前から書いているように、黒田日銀の本音はジャパンマネーに株に加えて米国債投資をしてもらいたいというものでしょう。そうなれば自然と為替は円安ドル高(つまり株高)に振れるからです。だからこそ日銀は市場原理を度外視してまでむりやり金利をマイナスにまで引き下げ(国債を超高値で買い入れて)、日米の利回り差を拡大してドル投資に魅力があるように仕立ててきました。

 ・・・にもかかわらず賢明な日本の投資家はそんな「黒魔術」(私的造語:黒田魔術の略語)に騙されない―――先述のように引き続き日本国債に買い向かい、誰も(?)ドルに手を出しません。市場参加者のほぼ全員がいまのドル(を含むすべての外貨建て資産)が「落ちてくるナイフ」であることを知っているからです(?)。日銀の新政策発表後の長期金利の低下にはそのあたりが反映されています。となると日銀に残された手はホントに前述の米国債購入くらいしかなさそう。「そんなに日本のみんなが買わないのなら、オレ自らがナイフを掴む!≒ドル・米国債を買う!」といった感じです。で、日銀がひとたびこれを始めたら、どうなるか・・・

 今回の日銀の「長短金利操作付き量的質的金融緩和」とは、日銀による永久緩和宣言だと指摘する意見があります。そのとおりと思います。なぜか? その理由を手短に書くと「アメリカがそうだから」―――アメリカも金融緩和を永久に続けるから、になります

 QEフォーエバー」などと表現して何度か記しているとおり、資産バブルを巨大化させ過ぎてしまったアメリカ・・・の中銀であるFRBには、もはや量的緩和策(QE)を続けてバブルを上乗せしていく以外の道はありません(?)。いまでこそバブルを軟着陸させようとFRBは金融引き締めにかかるそぶりを見せていますが、経済全体が不良債権・過剰債務まみれになったアメリカは金利の上昇に耐えられるはずはなく、ちょっとしたきっかけ―――シェールオイル掘削会社の破綻とか欧州金融不安再燃など―――を機にFRBは利上げどころか利下げ、つまり4度目のQE発動に追い込まれるとみています。となればドルのマネタリーベースが増加してドル安円高になるから、これを食い止めるべく円のそれを増やそうとして日銀もまた金融緩和をせざるを得なくなる・・・みたいな無限ループ(?)。

 ・・・すでにあちこちで懸念の声が上がっているように、そしてこちらの記事でも綴ったとおり、日銀のいまの金融緩和策は限界に達しているといえます。マネーの元手となる買い入れ対象の国債が市場から枯渇しつつあるからです。そんななかでアメリカは上記のようにとめどもなくドルを吐き出し続けるわけです。これに付き合ってマネーを生み出すためには、日銀は日本国債以外の資産も購入するしかないでしょう(?)。で、その資産こそが外債すなわち米国債となりそうなイヤな予感が・・・

続く

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