(前回からの続き)
おそらく先述のような国債買いオペを展開して日銀は、アメリカの命運=長期金利を一定のレンジ内(2%台半ば~2.9%くらい、3%超は絶対阻止!)に必死に留めようとするでしょう、邦銀を泣かせながらも・・・(?)
しかし・・・そんな日銀の献身(?)も知らないで(?)アメリカ・・・のドナルド・トランプ政権はこのほど、今後10年間で1.5兆ドルを超える額の大型減税政策の開始を決定しました。その景気浮揚効果のほどはともかく、それだけ財政収支が悪化するのは間違いなさそうです・・・
そして中国の動向も気がかりです。日銀オペで米長期金利が跳ね上がった9日のすぐ後、同国の外貨準備担当者が諸情勢をふまえて米国債の購入を減らすか停止することを勧告、なんて報道が流れて一時、ドルが円やユーロに対して売られました。対米貿易でドルを稼いでいる中国が実際に即、同投資を止めるといった事態は考えにくいですが、こちらの記事等で書いたとおり、中国はいま、アメリカから通貨・金融面で真に独立するべく、通貨・人民元を裏打ちする資産をドルから金(ゴールド)等に転換している最中です(?)。であれば中国が今後ドル・米国債の保有をこれ以上増やす理由は乏しいわけで、ゆえにこのニュース、中国のアメリカに対する「けん制」以上の意味合いがありそうです・・・
これらにともなう、凄まじいほどに高まりそうな(?)米長期金利の上昇圧力(米長期国債価格の押し下げ圧力)、さすがの日銀でも抑え込むことは困難に思えます・・・が、それはあくまで現行の金融政策のメニューでの話。じつは日銀は近い将来、こちらの記事に書いた「奥の手」すなわち「米国債購入で円貨を発行」って策に踏み切るのではないか、と予想しています。いわば、日銀による「財政ファイナンス」、ってアメリカの。これなら米国債の価格低下を食い止められるし、同金利急騰も和らぎ、アメリカ様を支える一助になりそうですからね・・・
でも・・・いくら何でも限度があります。アメリカをサポートっていっても、日銀が日本国ではない外国債を買って無制限に円を吐き出すなんてできないはずです(?)。したがって万一これをやっても一定規模に留めざるを得ず、やがてはこの奇策も通じなくなり、米長期金利は再び上昇軌道へ・・・でしょうね(?)。それに、この機に乗じて、アメリカ(ドル)ばかりか日本(円)をも対人民元で暴落させるべく、中国が米国債を売り浴びせてくるのは避け難いし・・・?