世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【ETF購入増額は実体経済改善につながらず】とっくに限界!?日銀「異次元緩和」①

2016-08-01 00:02:19 | 日本

 いまの世界の金融バブルを支えているのはFRBでもECBでもなく唯一、黒田日銀なんだな~とつくづく感じさせられます。ということは、日銀が「出口戦略」に移ったら・・・

 先月29日に開いた金融政策決定会合で日銀追加緩和を決めました。ここのところの為替レートの円高基調などから、市場関係者の間では「日銀は今回、追加緩和に踏み切るだろう」といった観測が高まっていたので、まあ予想どおり、という結果になった感じです。

 ところが・・・上記に関する日銀発表直後から為替は円高ドル安方向へ振れていき、同日夕方には1ドル103.6円前後と、前日比で1円あまりの円高ドル安となりました。欧米市場ではさらに円高が進み、NY市場の先週終値では同102.03円と、前日比で3円以上もの円高ドル安となっています。

 本来、追加緩和はマネーのさらなる市場供給を意味するから、その実施決定後のドルなどの他通貨に対して減価する、すなわち円安外貨高になるはず。にもかかわらず上記のように相当程度、円高になったのは、今回の追加緩和のスケールが市場予測よりも小さめだったから、ということなのでしょう。市場は、日銀はもっと過激な(?)追加緩和―――国債のさらなる追加購入やマイナス金利政策の深堀りなど―――を打ち出す、と思っていたら、そうならなかった(国債購入額は年80兆円、マイナス金利は現行のマイナス0.1%にそれぞれ据え置き)、というわけ。

 それでも個人的には今回の追加緩和は「過激」だと考えています。その追加施策とは、株価指数に連動する上場投資信託ETF)の買い入れ額をそれまでの年3.3兆円から6兆円へと増額させるというもの。で、これですが・・・ETF購入を通じて日銀がTOPIX等を構成する株式にさらに投資することで、株価が下支えされるプラス効果が少しはあるのかもしれないけれど、いっぽうでは日銀による企業支配が進む懸念や、リスク資産の高値掴みで日銀の財務が毀損するおそれもあるように思え、こうしたネガティブ面をわずかな(?)プラス面から差し引いた同政策の帳尻は、やはりマイナスになるような気が・・・なので「過激」、というよりは、あまり意味のある金融政策ではないな、と考えるわけです。

 ・・・たびたび指摘していることですが、日銀の現行の「異次元緩和」(量的質的金融緩和)政策は、円安株高の演出に腐心するあまり、肝心の個人消費や設備投資といった実体経済の浮揚促進をサポートするという所期の目的を忘れていると感じています・・・って、コストプッシュ型インフレすなわち円安誘導によるエネルギー代とか食料品価格のつり上げで日本の社会を貧富差の大きなものに作り替えよう!というのが黒田日銀の狙いならば、いまやっていることで大正解なのだけれど・・・?

続く

金融・投資(全般) ブログランキングへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【中国が覇権国になるには・... | トップ | 【日本国債にしがみつく本邦... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本」カテゴリの最新記事