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【カタルーニャ、独立宣言強行か!?】カタルーニャ「独立」で分かるユーロ圏の根源的矛盾①

2017-10-05 00:01:04 | ヨーロッパ

 またもやユーロ圏根源的な矛盾を感じさせる事態が進行中です・・・

 報道によれば今月1日、スペインカタルーニャ自治州で、同国からの独立を問う住民投票が実施され、有権者約530万人のうち約226万人が投票に参加し、独立賛成票が約90%に達したとのこと。投票はスペイン政府が強く反対し、憲法裁判所も違憲だとするなかで州政府によって強行され、そのせいか投票率は40%あまりと低迷、反独立派の多くがこれをボイコットしたものと思われます。このため、いくら9割もの人々が独立を支持しました!といっても本結果がはたして正統といえるのか、全州民の意思を反映しているのかといった点で疑問が残ります。そんななか、プッチダモン州首相ら独立派は早くも一方的な独立宣言を行う構えを示しており、今後の成り行きによっては何やらキナ臭さまで漂ってきそうですが・・・(?)

 ところで、こんなふうに独立心が強いカタルーニャって、肝心の経済的にはどんなエリアか、ですが、スペインと比較させると次のような感じです―――人口745万人(スペインに対する割合16.0%)、GDP2,236億ユーロ(同20.1%)、一人当たりGDP28,997ユーロ(同125.1%)、輸出652億ユーロ(同25.6%)、輸入783億ユーロ(同28.7%)・・・(2016年値:出典IDESCAT6月データ)。これを見るとカタルーニャは、人口比よりもGDP比(および一人当たりGDP比)のほうが25%ほど大きいことなどから、全スペインの平均よりも「豊か」である様子が読み取れます(って、スゴイ大差ってほどではない印象ですが・・・)。このあたりに加え、歴史的・文化的にスペインとは別に歩んできた面があることで、多くのカタルーニャ住民が感情的にもスペインから離れたい、との願いを抱くのは、まあ分からなくもないな、とは思えるところです。

 で、そんなカタルーニャですが、実現できるのかどうかはともかく、かりに独立を果たせたら、いったいどうなるのでしょう。まあスペインとは別れるとはいえ、独立カタルーニャはユーロ圏にはとどまるつもり(?)でしょうから・・・通貨は引き続きユーロを使うわけです。であれば、もちろん金融政策も欧州中央銀行のそれに従うことになります。そしてユーロ圏の大事なルールであるシェンゲン協定(圏内の人やモノの移動の自由に関する協定)も当然、守ることになるでしょう。なので、一人立ちしたといっても、スペインなどとの行き来はこれまでどおり、といったことになりそうです。

 このように、ユーロ圏にいる限り、域外国との外交政策とか通商ルールも、通貨・金融面も、人やモノの移動も、独立前後で特段の変化はない―――にもかかわらず、カタルーニャは同じユーロ圏内のスペインから苦労して独立までして、いったい何を得たいのか、といえば・・・財政自主権

続く

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