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【米家計、QE後も日銀の戦略にハマって借金を増やす】日銀にハメられた?アメリカが向かう先⑥

2017-12-13 00:03:36 | アメリカ

前回からの続き)

 前記したアメリカの長短金利差の縮小。これ、近年では米経済のリセッション、というよりは金融危機に先駆けて起こってきた現象です。本稿で綴っていることに関連してその原因の一部を推測すると・・・あまりのバブル膨張に恐怖した米FRBが(って、すでに超~遅きに失していますが・・・)利上げを継続→これを反映する短期の金利が上昇(国債価格が低下)→米国債等を担保に資金調達してジャンク債に投資、利ザヤを稼いでいたヘッジファンドが貸し手から追加担保の差し入れを求められる→もはやレバレッジ投資が難しくなった彼らが続々とマーケットから退出→市場全体がリスクオフ・モードになる→マネーの多くが信用格付けの高い10年物米国債等に流入→長期金利が下落する(長期国債価格が上昇する)・・・といった感じと思われます。

 ようするに、不動産・自動車・カードローンなどなど、現在のアメリカ経済をけん引する個人消費を支えてきた株価&債券価格の上昇軌道がついにピークを打ったことを誰もが感じ取っているということなのでしょう。多くの米家計が、自身の身の丈をはるかに超えるほどの借金を背負ったのは、超低金利環境と・・・これら手持ち株や債券の値上がり益&含み益を当て込んでいたからだった・・・けれど、いよいよその双方の前提がいま、崩れつつある―――このあたりが窺えるのが上記金利の平坦化と考えています。

 先月のNY連銀の公表データによれば、米家計の負債総額は13四半期連続で過去最高を更新し、今年第3四半期時点で約13兆ドルと、リーマン・ショック直前(2008年第3Q)より2800億ドルも多くなったとのことです。このなかで最大は住宅ローンでおよそ8.7兆ドル、次が学資ローンで約1.4兆ドルと、いずれも最高水準。これらのほか自動車ローンも約6年間(26四半期連続!)にわたって増え続けており、とくにサブプライム層(支払い能力が相対的に低い層)の当該ローンの延滞率が上昇しているとのことです・・・

 このあたり、以前「米家計は借金漬け」と題して書いたとおりの状況ですが、当時(2013年第3Q:約11.3兆ドル)から4年たって事態はさらに深刻になっています。この4年間に何があったかといえば・・・これまで綴ってきたとおりです。201410月、米FRBがQEを停止してようやくバブルの軟着陸を開始しようとしたのに(?)、そうはさせじ!とばかりに日銀が同時期に「追加緩和」を発動、しまいには「マイナス金利政策」まで断行して低利マネーを市中にバラマキ続けて米バブルを煽り立てた結果が、これ・・・

 こうしてアメリカ・・・の家計は、ものの見事に(日銀の金融戦略にハマって?)借金まみれになったのでした。もはや誰がどう見ても、この米債務バブルのソフトランディングは絶対に不可能でしょう・・・(?)

続く

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