analog player & Vacuum valve amplifier (Electron Tube Amp)

こちらの記事は製作・修理・改造を推奨するものではありません。
故障・事故等が起きても当方責任は負いかねます。

NFB・インピーダンスについて思うこと

2020-05-28 12:01:36 | アンプ

私がオーディオ関係の雑誌を読み始めた’90頃は、NFBについては良く言われて無かったように思う。

「NFBを掛けなければならないアンプは・・・」などとも読んだような記憶がある。

 

 

「音のバランスが良くなるが、音抜けが悪くなるというか、元気がなくなって平面的な描写になりがち」

というのはNFBを掛けたアンプについての記述だが、我が意を得たり、と思った。きっとこの人はNON‐NFBアンプばかり作っているんだ、と期待したが、ほかの製作記事を見るとほとんどNFBが掛かってがっかり。三百BアンプにまでNFBを掛けていた。

 

 

3年ほど前、発振に苦労した事が有った。ミューラード型位相反転を使ったパワーアンプでだ。

もうどうにもならなくて、NFBを外したら私好みの音が出た。それ以来アンプからNFBを外した。故上杉氏は、NFBは14dBと言ってたらしい。ただ、晩年はNON NFBも作っていたので私は得意になっていた。

 

それ以降、NFBはいらない、と思うようになった。

 

 

今のアンプは、パワーの入力側に、プリの出力側にトランスを使っている。どうしてもF特の低域が良くない。それがNFBを掛けると改善される。ただし、どうも人工的のような、CDのような音になる感じだ。そこが気に入らない。

と思っていたが、コメントを頂いた方に教わり、調整をしながら音が良くなっていく。

ある時、NFBを掛けても、「これだったらいいんじゃね?」というとこまで来た。NFBを掛け、終端抵抗をあれこれやって、忘れてたOPT二次側のアースを取った時だ。

 

 

少し前、パワーアンプの出力段には、すっとカソードパスコンを付けてなかった。つけると全体に電解コンデンサーの音になり、それが許せなかった。なぜみんなこのコンデンサー付けるのだろう?と不思議だった。

最近パワーアンプでカソードパスコンを取り付けたら出力インピーダンスが下がったことが有った。これでスピーカーが鳴りだした。電解の音が残ったが。此れって回路インピーダンスを下げることではないか?

https://blog.goo.ne.jp/soruboseinn/e/ae92a15dca3727cfc25240807748ba5b

 

そんな訳で、NFBを掛けて、適正な回路インピーダンスにする必要が有るのではないか?と、最近は考える。いくら電解の音が嫌だと言っても、適正な回路定数でなければそれは不良・欠陥だ。

 

今、プリアンプの調整をしているが、OPTを換えたら低音が出なくなった。低音の伸びるNP‐126はRIAAカーブを出来るだけ正確に作るためにフォノイコに持って行った。中音のきれいなTSMのトランスは、プリに使う。

NFB量を変え、高域補正をして音を聴く。それはプリの出力インピーダンスを無視してきたやり方だった。6dBほどかけると、F特は良い感じになるのは分かった。

 

あとやり残したのは、最近パワーアンプの入力インピーダンスが見えてきたのでプリの出力インピーダンスを600Ωに近付けたい。のだが、それが難しい。

トランスはある程度融通が利く。プリの出力インピーダンスが300Ωでも音は出る。黙っていればこれが一番良い音、そう思うことが有る。

しかしだいぶ前パワーアンプの入力にトランスを付けた後、低音が出なくて苦労した事が有った。位相ずれのような広がりが出て、それに目がくらんだ。OPT付きのプリにして以降、インピーダンスが気になるようになった。目の敵、そんな気もする。

最近は前ほどインピーダンスの意味が分からない、という事は無く、何となく見えてきた。と言っても前のインピーダンスに対する嫌悪感が無くなった、って程度。

 

 

 

「NFBは万能ではない」

素性の悪いアンプはNFBを掛けても良くならない。・・・そういう事か。なんとなく分かった気がする。

 

 

 

歪率が良くたって、音に影響ないだろ。真空管アンプは歪の集まりなんだから・・・

F特が伸びてなくても、聴いて判んないだろ。どうせ人間の聴覚は・・・。

インピーダンスってナニ?音に関係するの?

若いころはそんな言い訳をしていた。

 

そんなことを言う前に、まともなアンプを作れ。今までの私のアンプは欠陥だらけだったんだ。ごくまれに製作記事に近いように組んだ時もあった。今のサブ機だ。今まで解体しないで手元にあるので、まともに出来た機器なのではないかと思う。音は良くないが、安定・まともな音がする。

いろいろ寄り道をして、まっとうなアンプを組んだことが少なかったように思う。なので今は測定・試聴を繰り返し、アンプの製作をする。まともなアンプを作るために。

 

音が良くても数値の良くない機器は、気に入らない。その逆もすぐ解体してしまう。

両方揃って納得がいく。そういうものを残していくと思う。

とにかく測定して音を聴き、「アンプとはこういうものか」というのを理解していきたい。まだまだ始まったばかり。

もうしばらく回路の勉強をしていこうと思う。

回路定数を変えたり、音作りをするのはそのあとだ。

 

 

 

 

 

 

20200507


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