なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心内膜炎?

2014年01月20日 | Weblog

 昨日の当番医で多数の外来患者さんを診て、疲れが残っている。風邪もひいて鼻がぐずぐずしている。1日で1週間分の仕事をした気分だ。今週は大人しく過ごして、週末を迎えることにする(土曜日に4時間のセミナーがある)。昨日入院した患者さんたちは熱も下がって落ち着いている。夜間に当直医が内科で入院させた97歳女性感染性胃腸炎(施設入所者)も嘔気が治まっていた。

 先々週から72歳男性が脱力で神経内科に入院していた。今日相談されたので、病棟に患者さんを診に行った。脳梗塞疑いで神経内科に入院したが、脳梗塞はなく、炎症反応が上昇して発熱があることが判明した。肺炎や尿路感染もなく、とりあえず抗菌薬が開始されて、すぐに解熱して検査値も改善はしていた。順調に改善していた白血球数が今日の検査で再度上昇したということで相談された。発熱もなく、患者さん自身は特に変化がないので、もう1回検査するまで今の治療を継続するしかないのではと思った。

この患者さんは、6年前に大動脈解離で手術を受けている。その際に大動脈弁置換術も受けていた。収縮期雑音が聴取されるが、以前からで変化はないらしい。入院前から腰痛がひどくなっていたので脊椎MRIも撮られたが、化膿性脊椎炎の所見はなかったそうだ。経胸壁心エコーでは疣贅はないが、ないとは言い切れない。感染性塞栓ははっきりしない。

 とりあえず抗菌薬を投与して、3日後に血液培養が2セット提出されていて、それは陰性だった。抗菌薬投与前の血液培養が大切だとわかる例になる。最初ユナシンで開始されて、それで解熱して検査値も改善していたが、途中でセフトリアキソンに変更していた。その後も検査値は少しずつ改善して発熱はなかった。感染性心内膜炎が疑わしいが、今の抗菌薬を投与し続けるしかない。循環器科医と相談して、途中で発熱があれば、抗菌薬を2-3日中止して再度血液培養を3セット以上提出する方針にした。手術は大学病院心臓血管外科で行っているの、当院でできない経食道心エコーを行うためには、紹介するしかない。

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感染性胃腸炎とインフルエンザ

2014年01月19日 | Weblog

 今日は当院が内科当番医で、ふだんよりも受診者がかなり多かった。小児科医を日曜日の日直に入れることが多いが、今回は内科と2名体制にしてよかった。午前中は感染性胃腸炎が多く、外来の点滴で12床ある外来ベットが埋まってしまった。午後はA型インフルエンザが内科だけで5名出た。今後ますます両者が増加していくと思われる。

 入院は4名あった。63歳女性の吐血で逆流性食道炎・食道潰瘍からの出血を(PPI内服しても)繰り返している。68歳女性は脳梗塞後遺症・脳血管性認知症で高血圧・心不全で循環器科に通院している。1週間前から発熱が続き、内科医院に行っていたらしい。治らなくて当院を受診した。両側肺に誤嚥性肺炎を認めた。70歳男性は脳出血後遺症で施設に入所している。前回の誤嚥性肺炎で入院時に食道癌の胃への浸潤と判明した。今回も誤嚥性肺炎で入院となった。77歳女性はパーキンソン病で内科クリニックに通院していてADLは相当に落ちている。高熱で救急搬入されたが、腎盂腎炎だった。

 4名に共通しているのは、年齢がまだそれほどではないのに、脳血管障害・神経疾患で年齢以上にADLが悪いということだ。それぞれ、85歳くらいの高齢者を診ているような気がする。食道癌の男性は貧血がひどく(Hb4g/dl台)、輸血をしてもすぐに戻ってしまう。一人暮らしで、責任者は弟夫妻だが、これまでさんざん世話してきたとこぼしていた。結婚離婚を3回繰り返して子供はいるらしいが、音信不通でまったく関係はないそうだ。

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細菌の名前は何と読むのか

2014年01月18日 | Weblog

 「感染症レジデントマニュアル第2版」を購入した。評判がいいようなので、初版に続いて買ってみた。感染症と細菌と抗菌薬がバランスよく記載してあるが、コンパクトな本なので、個々の部分についてすごく詳しいわけではない。 初版は2回読んだが、その後はそれほど使用していなかった。初版を購入した後から、それなりに感染症の本を集めたということなのだろう。感染症の詳しい本に進むための基礎になる本という位置なのか。抗菌薬の投与量の記載がある場合とない場合がある。

 ところで、細菌の名前をどう読むのかわからない。Staphyrococcus aureusはオーレウスなのか、アウレウスなのか。Pseudomonas aeruginosaはいったい正確にはなんと読むべきなのか、さっぱりわからない。ネットに「細菌名の読み方」というのがあったのでプリントした。慣習的にこんな風に呼ばれるという書き方になっている。そもそも英語読みすべきなのか、ドイツ語読みなのか、ラテン語読みなのかもわからない。学会で決定するというものでもないので、適当でいいのかもしれない。ふだんは肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌と日本語で言うようにしている。

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感染性胃腸炎ー私もロタだったらしい

2014年01月17日 | Weblog

 51歳男性が昨夜発熱と嘔吐下痢で救急外来を受診した。昨日に高熱(40℃)となり、その後嘔吐下痢が出現していた。当直は外科医で、きっちりと検査を施行していた。インフルエンザ迅速試験は陰性、ノロウイルス迅速試験も陰性で、ロタウイルス抗原が陽性だった。点滴を2本して帰宅した。今日も内科外来を受診したが、発熱は軽快していた。まだ胃腸症状はあるが、昨夜よりは良いそうだ。点滴1本とナウゼリン・ミヤBMを処方した。

 先週末の私の症状も同様だった。何より後半は便が白っぽかった。検査をしていないから推定だが、ノロウイルスではなくて、ロタウイルスだった可能性が高い。ということは、今流行しているノロウイルスにも罹る可能性がある。インフルエンザA型も出始めた。罹りたくはないが、毎年インフルエンザには罹っていると思われる。思われるというのは検査してないので、臨床症状からだけだが。今後の日曜日は、高齢の内科開業医が休日当番医を断ったために、当院が内科当番医となった。嘔吐下痢(ノロウイルス)と高熱(インフルエンザ)が多数受診するかもしれない。

 月1回か2回誤嚥性肺炎を繰り返して入院している82歳男性が、また誤嚥性肺炎で救急搬入された。右中下肺野に広範に浸潤影がある。これまで5~6回入院して、いずれもユナシンで軽快治癒している。年末年始に入院しなかったので3週間は自宅で過ごせたことになる。いったいユナシンはいつまで効くのだろうか。

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これは筋肉痛

2014年01月16日 | Weblog

 37歳男性が四肢の筋肉のけいれんを起こしていると、朝に神経内科医から相談を受けた。炎症反応は陰性で中程度に高いらしい。午前中は救急当番で診に行けなかったので、午後に病室を訪ねた。ダンプの運転手をしているが、荷台の掃除は自分でするという。4日前に本気になっていつもよりずっと長く荷台の清掃をした。清掃といっても、こびりついたよごれをスコップを持って掻き取るそうだ。その後に飲みにいって、ふだんの何倍も飲んだ。韓国人女性のいる店にも行って、ずいぶん太ももが硬くなっていると言われたという(女性が太ももを触るような店なんですね)。その日は記憶がないくらい飲んで寝た。次の日から四肢の筋肉痛がひどく、うまく力が入らず、力を入れるとプルプル震えるという経過だった。

 原因と結果がはっきりしているので、数日の安静で良くなるだろうという見込みをお話した。周囲の人から何か変な病気になったと散々言われて、精神的に参っていたという。体格は筋骨隆として、確かにダンプの運転手らしいが、精神的には気か弱いようだ。話をして興奮してくると過呼吸気味になる。雪かきをし過ぎて同じような状態となり、1週間入院していた70歳台男性の話をすると安心した様子だった。

 多発関節炎の49歳男性は、手指にソーセージ様変化をきたし、抗RNP抗体陽性と判明した。内科の若い先生がMCTDを疑っていたが、どうやらそうらしい。基幹病院のリウマチ膠原病を扱っている先生に診てもらうことになって今日転院した。そのには大学病院の講師も週1回きているので、適切に治療されるのだろう。

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両下肢の浮腫

2014年01月15日 | Weblog

 高血圧症・脂質異常症(高脂血症)で通院している60歳女性が先月からの両下肢の浮腫を訴えて受診した。確かに下腿に圧痕のある浮腫を認めた。今日は軽減している方だという。発赤・腫脹・下肢痛はない。胸も苦しい気がするという。普段の処方は、ミカムロ(ミカルディス+アムロジン)・フルイトラン・カルデナリン・リバロだった、

 胸部X線は有意な心拡大なしで、肺うっ血も胸水もない。心電図は正常域だった。血液検査はBNPも含めて正常域だった。好酸球増加症もない。特発性浮腫の年齢としては少し行き過ぎているようだが、どうだろうか。胸が苦しい気がして眠れないとも言う。そちらは心因性なのか。時々胸やけがするとも言う。確かに肥満で立派なおなかをしていて、胃液は逆流しそうだ。アルダクトンA25mgとパリエット10mgとデパス0.5mg頓用を処方して経過をみることにした。

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病み上がりで、ゆっくり再始動

2014年01月14日 | Weblog

 何だか腹部膨満感があって、体がだるい。昼食の弁当は半分食べられたが、食後から腹が張っている。回復の遅さは年齢のためと思われる。病棟の看護師さんも、子供は2日で回復しているのに、自分は(40歳台)症状が長引くと言っていた。

 内科の若い女性医師が当直だった。朝方に来た、呼吸器外来に通院しているCOPDの80歳台男性は肺炎があり、入院になっていた。その後に関節リウマチで当院整形外科に通院していて、何故か2か月前から内科クリニックに行き始めた86歳男性が内科外来を受診した。数日前からそのクリニックで肺炎の治療を受けていたらしいが、治らずに当院に戻ってきた。もともと関節リウマチの治療がうまくいっていない。そこに来て、肺炎に心不全も併発していた。

 相談を受けたが、すでにクリニックで数種類の抗菌薬を使っていた。プレドニン内服でもあり、とれるだけの培養をとってゾシンで治療開始とした。心不全は、これまで利尿剤の投与がないため、数日利尿剤静注して、その後に経口に切り替えれば何とかなると思われた。相談を受けた時に隣にいた循環器科医にさらっと相談した。患者さんは年齢の割に認知症はなく、重症感もなかった。慎重に内科3名で相談しながら診ていくことにする。さらにその後、私が外来で診ているCOPDの80歳男性が肺炎で受診して、こちらは私が主治医になった。

 糖尿病性ケトアシドーシスで搬入された60歳男性は、入院後ずっと食べたくないといっていたが、今朝から食事を要求するようになり、昼から出した。3割程度と思ったほど食べなかったが、やっと糖毒性が取れてきたのかもしれない。

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わからない多発関節炎

2014年01月13日 | Weblog

 先週の火曜日に前日当直だった外科医から相談を受けた。早朝に49歳男性が胸背部痛で救急搬入された。急性心筋梗塞・急性大動脈解離・肺血栓塞栓症・(気胸)を疑って、心電図、造影胸腹部CT・血液検査を行ったが異常はないという。痛くて動けなくなってますが、何でしょうかという。その場に内科の若い先生もいて、私が診ましょうということになった。後で報告に来て、多発関節炎だという。炎症反応は白血球数1万で、CRPが7と、軽度から中等度に上昇していた。末梢血は、脱水なのか、もともと多血症なのか、血液濃縮を呈していた(結論は両者ともありだった)。SAPHO症候群ですか、と以前一度だけ診た症例を思い出したが、胸部X線には典型的な所見はない。

 数日の経過での多発関節炎の鑑別ということになった。ウイルス感染症や性行為感染症による反応性関節炎を疑ったが、それらしい症状や行為はない(自己申告)という。年齢が高齢者ではないが、結晶誘発性関節炎点滴をして、外注の結果が出るまで、NSAID投与で経過をみることになった。関節痛自体は軽減したという。ところが、左下肢が腫脹して、造影CTで深部静脈血栓症(DVT)を起こし(肺梗塞はない)、ヘパリンの投与が開始された。

 外注の結果で抗核抗体が640倍と高値だった。抗CCP抗体は陰性で、淋菌・クラミジアも陰性だった(HBV、HCVも陰性)。皮疹はなく、CKの上昇・筋肉痛はない。抗リン脂質症候群の検査も出してみますと言っていた。言っていたというのは、その日熱があって、ボーッとしていたので、ほとんど考えられなかった。リウマチ膠原病に詳しい先生方に電話で聞いてみることを勧めて、候補を何人か上げた。その後は、食欲もなく倦怠感がひどかったので、外来の処置室で点滴を2本受けていた(終わったのは午後7時半)。

 3日休んで、何とか軽快してきた(まだ下痢はあり)。一つの疾患で説明がつくのか、複数なのかもわからないが、明日患者さんと検査値を診て考えよう。まあ主治医が適切に対応していると思うが、話をしているうちに考えがまとまることもあるので、その合いの手くらいは入れてみよう。

 昨日病棟に電話で確認したら、なかなか血清カリウム値の上がらなかった低カリウム血性ミオパチーの患者さんと糖尿病性ケトアシドーシスの患者さんは順調に回復していた。

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感染性胃腸炎に罹る

2014年01月11日 | Weblog

 一昨日なんだか熱があるなあと思っていた。 昨日の朝に嘔気と下痢があって、感染性胃腸炎に罹っていると気づいた。昼ごろから高熱となって、幸い外来がないので午前中に病棟の仕事が終わっていた。自分のカルテを出してもらって、点滴を受けることにした。1本目が終わるころにも尿が出る気がしなかったので、もう1本追加した。点滴が冷たいので寒気はするが、水冷式に熱を下げる効果があるようで、終わるころには熱が一時的に下がっていた。今週の初めに診た患者さんからうつったと思われるが、手洗いが不十分だったということになる。

 今日は嘔気も軽快して、おかゆをつくって食べた。熱も昨日よりは下がっているが、倦怠感が強い。毎年1回は感染性胃腸炎にかかっているような気がする。明日当直が入っていたが、消化器科の先生がかわってくれた。内科ひとり、消化器科ひとりになった時期もあって、お互いに助け合ってきたが、どちらかというと助けてもらうことの方が多い。

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糖尿病性ケトアシドーシス

2014年01月09日 | Weblog

 午前8時半過ぎに、60歳男性が動けなくなって救急搬入された。糖尿病で内科医院に通院しているが、そこは糖尿病専門医の夫婦がやっている。30Rを朝夕自己注射していたが、この方は糖尿病性網膜症でほとんど失明していた。失明した患者さんでもインスリン自己注射をしているという話は聞くが、実際に見るのは初めてだ。12月末に嘔気・嘔吐があり、その後食事もあまり取れず、インスリンも中断していた。一人暮らしで、今日は受診日なので、妹さんが自宅を訪ねて、倒れて動けなくなっているのに気付いて救急要請した。

 搬入時、会話はできた。血糖が800mg/dlで血中ケトン体が陽性だった。血液ガスで代謝性アシドーシス(7.27)を呈していた。血清ナトリウムとカリウムは高めだった。BUN・血清クレアチニンも軽度~中程度に上昇している。DKAにはなるのだろうが、HHSの傾向もあるというところか。ヴィーンF500mlの点滴を入れて、ヒューマリンンRを1単位/1mlにして5ml/時で開始した。昼には血糖が500mg/dl台となり、夕には350mg/dlとなった。

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