なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

93歳女性歩けなくなった

2014年01月08日 | Weblog

 内科クリニックから動けなくなった93歳女性が紹介された。救急搬入されたが、、ちゃんと喋っていた。脳梗塞疑いということだが、意識は清明で麻痺もなかった。嫁の話ではふだん何とか歩いているという。昨日から鼻水・咳の風邪症状があって内科クリニックを受診した。風邪としてペりアクチンとタリビット(久しぶりに聞く名前。100mg錠を3錠分3というのも久しぶり。)と咳止めが処方された。1回分を飲んだ後から動けなくなったという。ぺリアクチンの影響かもしれないし、発熱が37.5℃あって、風邪による症状なのかもしれない。

 胸部X線で一部に肺炎が疑われたが、CTで確認すると明らかな肺炎像はなかった。頭部CTは脳萎縮のみ。これだけでも検査のやりすぎかもしれない。帰宅してもよさそうだが、年齢の問題で数日短期入院で経過をみることにした。認知症があり、もそもそと動いているので、ナースステーション近くの個室にしてもらった。病院としては、今入院数が減っているので、毎度毎度ありがとうございますということになる。客観的にみると医療費のムダ使いかもしれないが、付いてきたお嫁さん(当然高齢者)はその方が安心ですと喜んでいた。

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急性多発関節炎

2014年01月07日 | Weblog

 早朝に45歳男性が胸背部痛で救急搬入された。当直は血管外科医だった。急性心筋梗塞・大動脈解離・肺梗塞・気胸は否定された。内科に話がきて、若い先生が担当になった。あとは筋骨格系しかないねと話をしていたが、多発関節炎だった。数日前に痛みが出て、2日目の日曜日に近くの基幹病院の救急外来を受診したそうだ。血液濃縮があると言われてらしいが、詳細は不明だ。昨日は職場近くのクリニックを受診して、PL・クラビット・カロナールの処方を受けている。咽頭違和感があったらしい。急性多発関節炎だと、原因は何だろうという話になった。ウイルス感染や淋菌感染などによる関節炎が疑われるが、それらしい症状はない。ウイルスやリウマチ膠原病おの外注検査を提出して、まずはNSAIDで数日経過をみることになった。

 内科クリニックに高血圧症で通院している90歳女性が、労作時の、といっても自宅内を介助でトイレ歩行程度だが、息切れで受診した。聴診で不整脈の頻脈だった。心電図では頻脈性心房細動だった。BNPが600で、胸部X線では心拡大・肺うっ血・胸水があった。明らかな心雑音はない。検査をしているところに循環器科医が通りかかって、診てもらうことになった。心エコー検査を行って、心房細動・心不全で循環器科入院となった。普段の処方にはACE阻害剤はあるが、βブロッカーや利尿剤はなかった。高齢ではあるが、治療に反応すると思われるが、どうだろうか。

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仕事初め

2014年01月06日 | Weblog

 今日から仕事始め。昨日入院した低カリウム血性ミオパチーの53歳女性は、1日補正しても血清カリウム1.7で入院時と同じだった。経口でカリウム製剤を追加してみた。軟便というよりも不消化便だった。アルコール性慢性膵炎もあるのかもしれない。消化剤も加えた。おそらく体内のカリウムが減少しているのだろう。

 年末に大学病院から紹介されてきた肺癌BSCの74歳女性は、3日前から発熱があり、胸部X線・CTで軽度だが肺炎があった。入院を勧めたが、外来で治療したいという。元看護師さんで、連れてきた娘さんもがんセンターの看護師をしているという。アベロックスを処方して3日後に再受診としたが、改善しない時はその前に受診とした。

 内科に高血圧症で、外科に痔核で通院している80歳台男性は今日が予約日だった。末梢浮腫で外来担当医(大学病院から)が検査をするとHb4.9g/dlと貧血だった。相談を受けて、話を聞いてみると排便時の痔出血が頻繁にあるそうだ。昨年の上部消化管内視鏡検査では萎縮性胃炎のみだった。下部消化管内視鏡検査でも大腸癌はない。MCVも下がっていて、慢性的な痔出血による貧血だった。外科の予約日でもあったので、そのまま外科医に事情を説明して診てもらうことにした。

 「Hospitalist 感染症」をつい買ってしまった。「Intensivist」は難しいので買わないことにしていたので、こちらも買わないつもりだった。この頃は専門的な本や雑誌を見ると、「これを読んでいたら一生終わってしまう」という気がするので避けていた。集中してちゃんと読んだら1か月はかかるが、少しずつ2~3か月かけて読んでみよう。

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またまた低カリウム血性ミオパチー

2014年01月05日 | Weblog

 今日は日直で出ている。やっと年末年始の休みも最終日となった。内科の当番表を作成しているので、終わってやれやれといったところだ。肝膿瘍で敗血症性ショック・DICをきたして入院していた患者さんは、今朝心室頻拍から心室細動となって、治療に反応せず亡くなられた。少し持ち直したようにも見えたが、DICは改善していなかった。1週間高熱が続いたのを、自宅で我慢していたのが災いした。早期に受診してすぐに診断できたかどうかはわからないが、血液検査で炎症反応上昇と肝機能障害から、診断できたと思われる。

 53歳女性が四肢の筋力低下と筋痛で受診した。住所は隣の診療圏だが、当番医で診てもらえなくて当院に流れてきたらしい。微熱があって、両側の上腕と大腿ぬ把握痛があった。一見高齢者ならばリウマチ性多発筋痛症を考えるような症状だった。血液検査炎症反応の症状はなかった。血清カリウムが1.8と低カリウム血症でCKが2300と上昇していた。

 この方はアルコール依存があり、精神科に通院していた。内科診療所にも通院していて、高血圧症(処方はアムロジン)と過敏性腸症候群・下痢型の処方だった。精神科の処方は抗うつ剤(ルボックス)と安定剤が処方されている。アルコールはビール7~8本/日で、いかにも下痢をしそうだった。精神科医からも、よくビールだけそんなに飲めると感心?されていた。心電図で不整脈はなかった。点滴でカリウムの補正を開始して、そのまま入院とした。

 低カリウム血清ミオパチーは昨年末から3人目になる。最初に入院した男性もアルコール多飲で下痢があった。入院後のアルコール離脱症状が危惧されるが、今の状態では筋肉痛がひどくてそうは動けない。夫に説明して、その時は付き添ってもらうかもしれないと伝えた。

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年始の様子を見に病院に来た

2014年01月03日 | Weblog

 当番ではないが、入院患者さんの経過をみるために病院に来た。救急外来に44歳男性が搬入されていた。当直は内科の若い先生だった。入力画面を見ると、亡くなってautopsy imagingがオーダーされている。救急外来に見に行った。昨夜頭痛がすると言って、そのまま寝たらしい。朝になって、起きてこないことから妻が気づいて救急要請していた。すでに冷たくなっていて、実際は死亡して数時間経過していた。頭部CTでくも膜下出血と判明した。高血圧症があり、頭痛が時々あったらしい。患者さん自身、普段とは違うと思わなかったのだろうか。あるいは警告出血程度で、その後に大出血から即死したのか。救急室前で妻が一人で泣いていて、まだ身内は集まっていなかった。

 31日深夜に意識障害で救急搬入された、血糖737mg/dl・血圧240/120mmHgの83歳女性は血糖が100~120mg/dlで血圧も140~160mmHg程度になっていた。昨夜は元気になり過ぎて、不穏状態だったそうだ。降圧剤の内服を食事を開始することにした。治療を中断しただけではなくて、ふだんの言動も娘や親戚があきれるようなものだったらしい。ただ。性格もあるのだろうが、認知症と思われる。「本人が常にもう死んでもいいと言っているし、死んでも構いません。治療しなくてけっこうです。」と娘が言っていた。「無理な治療はしませんが、病院として普通の治療はやらせて下さい。」と伝えて、本当に普通に降圧剤の点滴とインスリンを使っただけだが、良くなった。食事はめちゃくちゃでも、降圧剤と血糖降下剤を続けてくれれば、何とかなる人だと思う。

 消化器科に入院した肝膿瘍の61歳男性は入院後に血圧も上がってきて(敗血症性ショックだった)、検査値も改善していた。ただし昨日の夕から発熱があった。入院時はむしろ低体温だったので、発熱する力が出てきたともいえる。血小板数は3万から5万とまだ低下している。横隔膜直下にあるので、ドレナージは難しそうだ。血液培養で2セットから大腸菌が検出された。う歯を気にしていたが、大腸菌となると胆道系の上行性感染と思われるが、CTでは胆道系に結石・腫瘍はなさそうで、拡張もない。持ち直しているものの、まだ安心はできない。

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高血圧性脳症でいいのかー久しぶりに「本家です」

2014年01月01日 | Weblog

 昨夜の当直は内科入院が2名だった。89歳男性は偽痛風の関節炎で何度か入院していた。今回も右膝関節の疼痛と発熱で、奥さんが驚いて救急要請した。意識は清明で(ただし、相当な難聴)、化膿性関節炎とは思えないが、血液培養2セットを提出した。関節液貯留がそれほどなさそうで、穿刺はしなかった。軽度に腎機能障害があり、NSAIDの継続はしがたいので、1回だけ使ってあとは湿布で経過をみることにした。以前は湿布だけで治ったことがある。糖尿病があり、血糖コントロールはいいものの、ステロイドは当面使用しないことにした。

 朝方に後頸部痛で30際くらいの男性が受診して外科医が診た。意識清明だが、項部硬直?として、呼ばれた。僧帽筋がもともと凝っていて、ふだんから痛いという。肩を触るとガチガチにかたい。猫背で姿勢が悪かった。仕事は溶接をしているそうで、肩がいかにも凝りそうだった。僧帽筋を少しマッサージしてみると、受診時よりは首が動くようになった。ふつにNSAID(ロキソニン)と湿布で経過をみてもらうことにした。少しずつ、首や肩の運動をするよう勧めた。

 その後、83歳女性がトイレに行こうとして、台所で倒れたと救急要請が来た。意識がないという。老夫婦の二人暮らしで夫も要領を得ない。ほかに二人ついてきたので、ご関係はと尋ねると「本家です」という。都市部ではないことだが、郡部では時々あるパターンだ。親戚の誰かにに何かあった時の責任者ということになる。

 意識レベルはJCSの100だった。麻痺はなさそうだった。高血圧症と糖尿病で内科医院に通院していたが、何か月も治療を中断していた。外来で簡易血糖測定をするとHiと出て、血液検査で血糖が737mg/dlと高値だった。血液ガスでケトアシドーシスはない。高血糖高浸透圧症候群にしては突然すぎる。脳血管障害が疑われた。血圧が240/120mmHgと著しく高い。放射線技師が院内にいたので、すぐに頭部CTを撮ったが、頭蓋内出血はなかった。脳梗塞が出てきそうなところはないかと見たが、CTで早期にわかるようなサインは陰性だった。

 ペルジピンを静注して血圧が150程度になると、意識が出てきた。呼名に開眼して短い返事をした。点滴を開始したが、まだインスリンは使っていない。高血圧性脳症のようだ。血液は濃縮気味で腎機能障害もあった。血圧か血糖かというより、両者の合わせ技にように思われる。降圧剤の点滴と点滴・インスリンで経過をみることにした。あまり大きな声では言えないが、患者さん本人も夫も服は相当に汚れていて、普段の生活がわかるようだ。おそらく家の中は靴を脱いで入る時に、一瞬とまどうような状況だろう。

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