なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

がんセンターで言われたこと

2020年08月18日 | Weblog

 内科再来を79歳男性が受診した。元病院の事務職員だった。

 内科外来の治療は高血圧症・高尿酸血症の治療だけで単純なものだ。早期肺癌で手術を受けていたが、すでに治癒している。数年前に血尿で膀胱癌が見つかり、がんセンター泌尿器科で内視鏡治療やBCG注入の治療を受けていた。 

 膀胱癌が何度か再発してその度に治療をして軽快していた。がんセンターと直接やりとりしているわけではないので、患者さんの話を聞くだけだった。

 ふだんは5分くらい話をして帰っていく。昨日は血圧の話をした後も、椅子にすわったまま動かなかった。話を聞いてもほしいという。本人の話だけなので詳細はわからないが、膀胱癌が尿管に浸潤しているらしい。手術は10時間以上かかると言われたそうで、膀胱全摘・人工膀胱造設になるようだ。

 肺癌術後だが、それは大したことはなくて、呼吸器内科で指摘された間質性肺炎が問題になっていた。麻酔や手術自体による増悪の可能性を指摘された。総合的に考えて、そのまま経過をみるような話をされたそうだ。

 本人としては、見捨てられたような気もすると、言ってた。リスクは承知の上で手術を希望すれば、受けられないことはない。それでも家族(息子たち)と相談すると、病院側が積極的に手術するといわなければ、そのまま経過観察の方がいいのではと言われた。

 さまざまな症状が出現した時の対応や、緩和ケアのことも考えていた。がんセンターに通院し続けるのも(遠方で)大変だし、しょっとした症状がある時にすぐに診てもらえるわけではない。

 当院で診てもらいたいというが、泌尿器科の常勤医はいない(外来で診療応援はある)。泌尿器科外来では診察可能で、(専門的ではない)入院治療を要する時は常勤の外科医が対応することになっている。

 その旨をお話すると、担当医と相談してみますといって、帰っていった。

 

 

 

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