なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞と出血

2020年08月15日 | Weblog

 8月6日に転院してきた92歳女性の経過。

 8月7日の記事

 「昨日は午前10時ごろに地域の基幹病院から心原性脳梗塞の92歳女性が転院してきた。

 内科医院に高血圧症で通院して、心房細動があるが、抗凝固薬は年齢を考慮してか処方されていなかった。7月に左下肢脱力で基幹病院を受診して、中心前回に脳梗塞を認めた。

 入院後に後頭葉の脳梗塞、次いで両側前頭葉の多発性脳梗塞を来していった。抗凝固薬(DOAC)を一時的に投与したところ、消化管出血を来して、重度の貧血(Hb5g/dl)を呈した。

 消化管出血の方がいわゆる命取りになるので、家族と相談して今後抗凝固薬は投与しないことになった。今後の脳梗塞の再発(頻発?)予防が不可能なことから、再発からの急変時(正しくは心停止時)には心肺蘇生を行わない方針になったと記載されていた。

 転院して来て、患者さんは元気で全粥刻み食を食べられる。症状は左半身(完全)麻痺・空間失認・同名半盲があった。家族(長女)と話をして、このまま無事に過ごしていければ施設入所待ちで、血栓塞栓症が発症した時はできる範囲で治療して、病状悪化時は基幹病院の方針の通りということになった。 」

 

 先週末は3連休だったが、連休明け(か前日)から反応が鈍くなって、食事摂取ができなくなった。火曜日に頭部CTで確認すると、右中大脳動脈領域に新規の脳梗塞があり、(前医からの)後頭葉の梗塞巣に出血が見られた。

 ちょうど家族が必要な備品を持ってきたところだったので、新たな病変について説明した。やっぱり駄目ですか、ということだった。

 その後意識状態が改善したので、慎重に昼のみの嚥下訓練を開始した。発語も見られるようになったが、何かが見えるらしいのだが、内容は?だった。やはり抗凝固薬は出せない。

 

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