なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

S状結腸癌

2020年08月05日 | Weblog

 高血圧症・糖尿病で通院している71歳女性が外科に入院して、S状結腸癌の手術予定になっている。症状があった割に、検査が遅れた形になった。

 6か月前には消化器科の外来で、下痢になったり便秘になったりすると訴えた。ただ症状が継続するわけでもない。もともと心気症で不安や様々な症状を訴えるので、過敏性腸症候群的な印象を受けたようだ(処方からみて)。

 また3か月前に時間外で受診して、下腹部痛を訴えていた。当直の外科医が腹部CT(単純)を行ったが、異常を指摘されなかった。便秘と痔核で肛門科にも通院していて、酸化マグネシウムで排便できている。

 先月下旬になって、便が出にくいのでと大腸検査を希望した。大腸内視鏡の前処置で、洗浄液を飲み始めたが、腹部膨満感と下腹部痛が出現した。

 月曜日の早朝なので、日曜日の当直(大学病院からバイトの外科医)が診察した。そのうち排便があって、症状は軽快した。当直医は時間外ながら腹部造影CTを行っていた。腫瘍ははっきりしないが、S状結腸まででも内視鏡で診た方がよいとコメントしていた。

 当直明けに外科常勤医に引き継がれて入院になった。2日後に大腸内視鏡検査が行われて、S状結腸癌が発見された。術前検査を進める予定なった。

 そのつもりで診ると、CTでS状結腸癌が指摘できる(放射線科の読影依頼になっていなかった)。以前の単純CTは見返しても指摘できないが、造影すればできたかもしれない。

 

 昨日は新型コロナウイルス感染症の28歳女性が入院した。濃厚接触者だったので、発熱・咳の症状が出て、すぐにPCR検査が行われて陽性と判明した。発症4日目なので、感染性が充分にある。若いので順調に軽快するはずだが、7~10日目までは慎重に経過をみることになる。

 

 

 

 

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