火曜日に貧血の79歳男性が内科医院から内科新患に紹介された。内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)に担当してもらっている。
紹介状の内容は、高血圧症で通院していて、3か月前から食欲不振・体重減少があり、血液検査でHb5.2g/dlと著明に低下しているというものだった。
当院で再検して、Hb5.9g/dl・MCV73.4だった。白血球11400・血小板19.2万と低下はなかった。血清鉄・フェリチンも低下していて、慢性的な消化管出血疑いだった。
上下部内視鏡検査での精査になるが、見当をつけるためにCTが行われた。胃前庭部の壁肥厚があり、CTでは確定できないが、胃がんが疑われた。
予定の内視鏡検査の最後に入れてもらって、胃内視鏡検査が行われた。結果は胃前庭部小弯側中心の進行胃がん(Borrmann 3型)と診断された(生検している)。
診断は付いたので、後は輸血を行って貧血を改善させて(鉄剤静注も)、術前検査を進めることになる。手術は当院を希望されなければ、がんセンターなど希望の病院へ紹介する。
貧血で消化管がんが見つかるのは、以前は時々あったが、最近はあまりみなくなった。
午後4時ごろに県から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の29歳女性の受け入れ要請がきた。事務・放射線科・検査科も含めて、午後7時の到着まで待機となった。症状は微熱と嗅覚・味覚障害でまったく感じないといっていた。
母親が先に発症して、PCR検査は同日に陽性となった。実家に3日帰った時に接触したことになる。母親は地元の別の病院に入院した。
都市部から郡部の病院に回されるのは患者さんとしては好ましくないのだろう。「こんな山の中まで来るとは思わなかった」と言っていた。正確には、山のふもとだが。