読書日和

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木村紗綾さん ヴァイオリン・サマーコンサート

2019-08-15 14:09:56 | コンサート、演奏会


7月27日、広島県広島市のlifeone221ホールに木村紗綾さんの「ヴァイオリン・サマーコンサート 未来のヴァイオリニストに寄せて ~過ぎし日の私とまだ見ぬあなたへ~ Vol.2」を聴きに行きました。

木村紗綾さんの演奏を聴くのは2018年の「威風堂々クラシック in Hiroshimaコンサート」「安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート」以来三度目です。
特に「安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート」はピアノ伴奏でのヴァイオリンソロ演奏だったので音がよく分かりました。
非常に切れのある演奏をされていたのが印象的で、ぜひまた聴いてみたいと思いました。
普段はチェコに住んでおられますが今回日本で演奏会をしてくれることを知り、日程も大丈夫だったのでこれはぜひ聴きに行こうと思いました


第一部

演奏プログラムは第一部と第二部がありました。
第一部は一般的にコンサートではあまり演奏されないですがご自身が幼少の頃によく弾いた曲を集めたとのことです。


1.「クライスラー:シチリアーノとリゴードン」



(構えているところ。ピアノは吉清彩香さん)

発表会でよく弾いた曲とのことです。
パラディスという人が作曲した「シチリアーノ」は聴いたことがありますがこの曲は初めて聴ききました。
どことなく「シチリアーノ」と似たメロディがあったのが印象的です。

やや悲しげな音色でした。
綺麗な音色で、最後のほうの音の強弱が音が唸っているかのようでした。
そして派手な演奏になるところのスピードが凄かったです。



2.「ヘンデル:ヴァイオリンソナタ 第4番 二長調 第1、第2楽章」



(演奏中)

第1楽章は高音の多い曲で、その伸びが凄く良かったです。
第2楽章は陽気な雰囲気が印象的で、「タッタッタッタター」というリズムの良いメロディが特に良かったです



3.「ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲 第22番イ短調 第1楽章」



(調弦をしているところ)

ドとレを高速で繰り返す技巧的なものもある曲と言っていました。
聴いてみると「ドレミファソ」とドから一つずつ音を上げていく演奏が何度かありました。
やがて凄いスピードになりました。
そしてドとレの繰り返しの場面になり、それもスピードが凄かったです。
哀愁高い曲と言っていたとおり、そんな音色がよくあったのも印象的でした。



4.「カバレフスキー:ヴァイオリン協奏曲」



(演奏中)

小学2年生の発表会で弾いたとのことです。
ロシアを感じるメロディで攻撃的で格好良い曲とも言っていました。
木村紗綾さんの演奏には切れ鋭い攻撃的な印象があったので曲との相性も良いのではと思いました。

冒頭が凄く攻撃的でした。
ピッチカート(指で弦をポロンポロンと鳴らすこと)の切れが凄くて迫力がありました。
そして猛スピードで細かく刻む音の迫力も凄かったです



5.「ベリオ:バレエの情景」



(演奏中)

コンクールの課題曲で弾いた曲で、バレエの情景がいくつも出てくるとのことです。
そして最後は「実力者のバレリーナ」が出てくると言っていました。
また母親から「この場面は宝塚歌劇団のスターの人が活躍するように」、「この場面は誰もいない」などと演奏の仕方を習って、そのメモの書き込まれている楽譜が残っているとのことです。

迫力のある刻み音で始まりました。
ゆったりとしてどこか悲しげな演奏になり、音の伸びが凄くなります。

スペインのような雰囲気になります。
情熱のステップを踏んでいるかのようでした。

物凄く上手い刻み音がありました。
千切りや、フライパンの上で高速で浮かせながら炒め物をしているようにも聴こえました。

シーソーのような演奏になった場面もありました。
弦の一番上(低音の弦)と一番下(高音の弦)を高速で行ったり来たりしていました。

やがて物凄く派手な演奏になり、これが実力者のバレリーナでした。
踊っているような演奏で、凄いスピードでのステップが思い浮かびました。



第二部

第二部は「今ぜひ聴いてほしい曲」とのことでした。


6.「シューマン:3つのロマンス Op.94 第2番」

題名のとおりまさにロマンチックな音色でした。
ヴァイオリンはロマンチックな音色の演奏をするのに相性の良い楽器な気がします。



7.「フィビヒ:ポエム」



(トーク中。
冒頭の曲と休憩後最初の曲以外、1曲演奏するごとに次の曲の紹介をしてくれました。
曲の特徴を知ることができて良かったです。)

チェコの作曲家の曲で、今チェコに住んでいるので入れたとのことです。
メランコリック(憂鬱な雰囲気)なメロディとも言っていました。
2分くらいの短い曲で、ゆったりとした演奏が続き次第に迫力も出て行きました。



8.「ドヴォルザーク:マズルカ」



(楽譜の準備中。緊張感があります。)

独特なリズムで民族的な曲と言っていました。
凄い迫力の刻み音で始まり、それが音を高くしてもう一度繰り返されました。
しばらく刻み音が多いのが続き、そこからゆったりとした演奏になり高音が多かったです。
民族的な音色もあり、ドヴォルザークは弦楽四重奏曲の「アメリカ」も民族的な音色で、民族音楽を上手くクラシックに取り入れたのだなと思います。



9.「ラヴェル:ツィガーヌ」



(ツィガーヌ終了後挨拶中)

今年の8月15日に広島市のJMSアステールプラザ大ホールで行われる「ピースコンサート」がフランス音楽をテーマにしているので今回この曲を選んだとのことです。
木村紗綾さんは昨年の8月に広島ゆかりの若手演奏家による「ピースコンサート」を発足させ、今年も行われます。
オーケストラによる大規模なコンサートで、主催するのはかなり大変だと思います。

ピッチカートは通常右手で行いますが、この曲は左手のピッチカートがあると言っていました。
最初の2分くらいはヴァイオリンの独奏で、ピアノが入って凄く華やかになるとのことでした。

低音の演奏で始まり、「ウィーーン」と伸びる音があったのが印象的でした。
左手が弦の端から端まで一直線に動いていました。

ピアノが入り、粒が次々と弾けていくように音が聴こえました。
ヴァイオリンがリズミカルな演奏になり、心地好い音色でした。
音をより高音にして繰り返してもいました。
凄くリズムの良いピッチカートがあったのも印象的でした。

やがてヴァイオリンとピアノで凄い迫力の演奏になります。
どちらも物凄い迫力でかなり豪華な演奏でした





(アンコール演奏中)




(アンコール演奏中)

アンコールはディズニー映画「アラジン」が公開されたということで、アラジンのテーマ「A Whole New World」が演奏されました。
昨年の秋から演奏会に行き始めてこれまでに何度か聴いたことがあり、穏やかさとワクワクさが両方ありやはり何度聴いても良い曲だと思います。


このコンサートは小さいお子さん達が皆お利口さんなのに驚きました。
ヴァイオリンなどを習って演奏会の雰囲気に慣れているのだと思います。


今回はこれまでに聴いた3回のうち、最も近い位置で聴きました。
激しい演奏をしている時、音が強風となって耳を吹き抜けていくかのように感じました。
そして巧みにヴァイオリンを操る様子がよく分かり、やはり切れ鋭い演奏をされる人だと思いました。
またぜひ聴きに行こうと思います



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演奏者プロフィール

木村紗綾

広島市出身。
3歳よりヴァイオリンを始める。
2010年安田女子中学校を卒業後、15歳で渡欧。
プラハ音楽院に首席入学。
第13回日本クラシック音楽コンクール小学校の部全国大会入選、第15回第4位、第10回KOBE国際音楽コンクール奨励賞、第59回60回全日本学生音楽コンクール大阪大会入選、いしかわミュージックアカデミーIMA奨励賞、第50回コツィアン国際ヴァイオリンコンクール第1位、第35回チェココンセルヴァトワール・ギムナジウム国際コンクール最高位、第38回第1位を受賞するなど国内外のコンクールで入賞。
ドヴォルジャーク音楽祭にて指揮者、ヤロスラフ・クルチェク氏とバッハのヴァイオリン協奏曲を共演。
2011年度中村音楽奨学金奨学生。
2016年からは大植英次氏と威風堂々クラシック in Hiroshima、チャリティーコンサート等で多数共演。
また2016年よりチェコフィルハーモニー管弦楽団オーケストラアカデミーに在籍中はプラハの春音楽祭、スメタナ音楽祭等に出演。
2017年イタリアで開催されたインターハーモニー音楽祭ではコンサートミストレスを務める。
これまでに村上直子氏、石川静氏、中村英昭氏に師事、現在プラハ音楽院にてイージー・フィッシャー氏に師事する傍ら、チェコフィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団などの客演奏者としても国内外で活動中。


吉清彩香

桐朋学園大学音楽学部作曲理論学科作曲専攻卒業。
同大学研究科一年目修了後、国立ミュンヘン音楽演劇大学マイスタークラス作曲科卒業。
これまでにピアノを品川幸子、三瀬和朗、ローラン・テシュネの各氏に、作曲を故平吉毅州、安良岡章夫、フォン・ボーゼの各氏に師事。
ドイツでルーディ・シュテファン作曲賞受賞、ギュンター・ビアラス作曲コンクール三位入賞。
学生の頃からピアノ伴奏の研鑽も積みオペラの練習ピアニストなどを経て、現在は歌や器楽の伴奏、広島市映像文化ライブラリーに於いてサイレント映画の伴奏などの演奏活動や編曲を行う傍ら、後進の指導にもあたる。
ライフワンミュージック講師。

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木村紗綾さん出演のコンサート、演奏会
威風堂々クラシック in Hiroshima 2018
威風堂々クラシック in Hiroshima 2019
安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート
一楽章f未完成 Violin & Cello Duo Concert
ひろしま美術館 ミュージアムコンサート(出演:木村紗綾)
CHRISTMAS IN PEACE CONCERT 2019
「新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第54回広島」
木村紗綾さんオンラインヴァイオリンリサイタル ~クラシックで満ち満ちて~
第52回福山音楽祭府中エリア特別演奏会 木村紗綾ヴァイオリンリサイタル
広島プレミアムコンサート~海外から凱旋した広島のアーティスト達
アンサンブル・プリエール 第1回演奏会 ~広島ゆかりの若手演奏家が紡ぐアンサンブルの調べ~
音のマリアージュ Vol.1 ~あなたが決める名曲コンサート~


※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

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