読書日和

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一楽章f未完成 Violin & Cello Duo Concert

2019-09-01 19:35:01 | コンサート、演奏会


(写真左がヴァイオリンの木村紗綾さん、右がチェロの向井真帆さん)

8月3日、広島県広島市の音楽喫茶「一楽章f未完成」で行われたヴァイオリンの木村紗綾さんとチェロの向井真帆さんのデュオコンサートを聴きに行きました。
木村紗綾さんの演奏は一週間前の7月27日に広島県広島市のlifeone221ホールで行われた「ヴァイオリン・サマーコンサート 未来のヴァイオリニストに寄せて ~過ぎし日の私とまだ見ぬあなたへ~ Vol.2」も聴いていて、一週間後のこちらも日程が大丈夫だったので聴きに行きました。
ヴァイオリン1人、チェロ1人での演奏は珍しい編成で、どんな音色が聴けるのか楽しみでした



1.エルガー:愛の挨拶

曲名のとおり挨拶代わりに1曲目に演奏されることがある曲で、ヴァイオリンとチェロの「愛の挨拶」は初めて聴きました。
今まで聴いた「愛の挨拶」より重厚感のある音色なのが印象的でした。



2.ヴェニアフスキー:8つのエチュード・カプリス Op.18より 第4番

かなりスピードのある演奏でした。
ゆったりとした「愛の挨拶」からのこの曲の躍動が印象的でした





(3曲目のチェロソロ演奏前のトーク中)

3曲目の前に初めてトークが入りました。
木村紗綾さんが「次はチェロのソロなので私は”はけます”」と言っていたのが面白かったです。
今回のコンサートはヴァイオリンとチェロという音域の違う2つの楽器によるコンサートで、この組み合わせのコンサートは珍しいと解説がありました。
私も昨年の秋からクラシックを中心に演奏会、コンサートによく行くようになって以来初めて見ました。



3.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番よりプレリュード



(向井真帆さんチェロソロ演奏中)

物思いにふける曲で暗いとのことでした。
この曲は「ドレミファ ソファミレ」と一音ずつ上げ、一音ずつ下げる場面が印象的でした。
一音ずつの変化はシンプルですが耳に心地良いです





(4曲目のヴァイオリンソロ演奏前のトーク中)


4.パガニーニ:「24のカプリス Op.1 より 24番イ短調」



(木村紗綾さんヴァイオリンソロ演奏中)

弓をジグザグにしならせながらの演奏が物凄く上手かったです
近くで演奏を聴いていたのでジグザグの切れのある動きがよく見えました。





(5曲目演奏前トーク中)

5曲目と6曲目の前、トークで向井真帆さんが一週間前までドイツに居たと言っていました。
演奏プログラムに書かれていたプロフィールを見ると、昨年の夏から一年間の交換留学でドイツに行っていたとあり、最近日本に帰ってきたばかりなのが分かりました。





(5曲目演奏直前に息を合わせる様子)


5.マスネ:タイスの瞑想曲



(演奏中)

ゆったりした曲で、ヴァイオリンとチェロの音色がかなりよく合っていると思いました。
出だしのメロディはどこかで聴いたことがあるなと思いました。



6.チャイコフスキー:バレエ【くるみ割り人形】より 《序曲》《葦笛の踊り》《トレパック》

演奏前のトークでくるみ割り人形はヨーロッパではとても人気がありよく演奏されると言っていました。
以前どこかの演奏会のトークで「日本で言うベートーヴェンの交響曲第9番のようなもの」と聞いたのを思い出しました。
三つ全部がリズミカルな曲で、迫力が出たり、明るくワクワクしたり、力強かったり、同じリズミカルさの中で少しずつ表情が違っていました。





(7曲目演奏前トーク中)

この7曲目の前のトークで木村紗綾さんが、8月15日に広島市のJMSアステールプラザ大ホールで行う「ピースコンサート」のことを話していました。
ピースコンサートは木村紗綾さんと指揮者の岡田倫弥さんの二人で昨年立ち上げ、昨年は8月6日に演奏したとのことです。
開催日にかなり意味があるなと思いました。
平和のことを考えていて、私達の世代で風化しないようにしたいと語っていました。

ここでアクシデントがあり、このトークは本当は8曲目の前に行うはずだったようで、大事故となりフリーズしてしまいました。
トークでフリーズするのは昨年の秋からクラシックの演奏会、コンサートを聴くようになって以来初めて見ました
心なしか7曲目のグリエールの楽譜の準備もぎこちなく見えました。


7.グリエール:8つの小品 Op.39 より 第2曲《ガヴォット》 第3曲《子守唄》 第7曲《スケルツォ》



(演奏中)

しかし演奏が始まると凄かったです
《ガヴォット》はどこか神秘的な響きで、チェロが作る音の底がヴァイオリンの音色を引き立て、両方合わさって神秘的な響きになったのだと思います。
《子守唄》はゆったりとして安らぐ音色で、《スケルツォ》は明るく激しい音色でヴァイオリンがダイナミックに躍動していました





(8曲目演奏前トーク中。談笑して楽しそうな雰囲気でした)


8.成田為三:浜辺の歌

悲しげな雰囲気の有名なメロディの演奏が印象的でした。
曲名を聞いただけではどんな曲か分からなくても、演奏を聴くと「これはあの曲だ」となることがあるのが音楽の面白いところです。



9.ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」より第2楽章《家路》

凄く良いメロディで、途中でヴァイオリンがとても目立ちます。
チェロはそのヴァイオリンを泡がプクプクするようなピッチカート(指だけでポロンポロンと弦を鳴らすこと)で支えていました。
ドヴォルザークの交響曲第9番は第4楽章がかなり有名ですが、第2楽章も良いなと思う素敵な演奏でした





(10曲目演奏前トーク中。こちらも談笑していて、楽しい雰囲気での演奏会は良いなと思います



10.ヘンデル・ハルヴォルセン:ヘンデルの主題によるパッサカリア



(10曲目演奏前調弦中。夏場は湿度が高く弦楽器は高湿度が苦手なので、調弦はこまめにした方が良いようです。)




(演奏中)

演奏前のトークで「楽器の駒(弦楽器の弦と響板の間に置き弦を保持し振動を伝える部品)の部分で演奏すると妙な音が出る」と言って実演してくれてから演奏になりました。
凄く賑やかな演奏で、この曲ではその妙な音が登場します。
力強いピッチカートも印象的で、二人それぞれが違うリズムでピッチカートをする場面もあり、独特な立体感のある音色でした。
またヴァイオリンとチェロが呼応する演奏があったのも印象的で、そんな場面は聴いていてワクワクした気持ちになります





(アンコールの演奏前)

アンコールはモンティのチャルダッシュでした。
木村紗綾さんのチャルダッシュは「安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート」でも聴いたことがあり、やはり迫力が凄くまた聴けて良かったです



ヴァイオリン、チェロそれぞれが特に良さが目立つ場面がありました。
また過去の演奏会で聴いたことのある曲がこの編成では違った響きで聴こえたのが印象的でした。
音が神秘的に聴こえた場面は派手な音色のヴァイオリンと、音の底を支えるチェロそれぞれの音が特に良く合っていたと思われ、違う音域の楽器同士が生み出す音色の凄さを感じました。
どちらも素晴らしい演奏者さんなのでまたぜひ聴いてみたいと思います



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演奏者プロフィール

木村紗綾

広島市出身。
3歳よりヴァイオリンを始める。
2010年安田女子中学校を卒業後、15歳で渡欧。
プラハ音楽院に首席入学。
第13回日本クラシック音楽コンクール小学校の部全国大会入選、第15回第4位、第10回KOBE国際音楽コンクール奨励賞、第59回60回全日本学生音楽コンクール大阪大会入選、いしかわミュージックアカデミーIMA奨励賞、第50回コツィアン国際ヴァイオリンコンクール第1位、第35回チェココンセルヴァトワール・ギムナジウム国際コンクール最高位、第38回第1位、第2回ヴィッラフランカ・ディ・ヴェローナ国際コンクール第1位、併せて聴衆賞を受賞するなど国内外のコンクールで入賞。
ドヴォルジャーク音楽祭にて指揮者、ヤロスラフ・クルチェク氏とバッハのヴァイオリン協奏曲を共演。
2011年度中村音楽奨学金奨学生。
2016年からは大植英次氏と威風堂々クラシック in Hiroshima、チャリティーコンサート等で多数共演。
また2016年よりチェコフィルハーモニー管弦楽団オーケストラアカデミーに在籍中はプラハの春音楽祭、スメタナ音楽祭等に出演。
2017年イタリアで開催されたインターハーモニー音楽祭ではコンサートミストレスを務め好評を博す。
これまでに村上直子氏、石川静氏、中村英昭氏に師事、現在プラハ音楽院にてイージー・フィッシャー氏に師事する傍ら、チェコフィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団などの客演奏者としても国内外で活動中。


向井真帆

広島県廿日市市出身。
12歳よりチェロを始める。
愛知県立芸術大学音楽学部を卒業。
2018年9月より1年間ドイツのケルン音楽大学へ交換留学を経て現在愛知県立芸術大学大学院博士前期課程2年に在学中。
第11回ベーテン音楽コンクール全国大会第1位。
第10回セシリア国際音楽コンクール室内楽部門第3位。
第18回大阪国際音楽コンクール弦楽器門ファイナル入選。
2018年兼松信子基金奨学生。
コジマムジカコレギア第25回定期演奏会にてオーケストラと共演。
第38回広島市新人演奏会に出演。
学内の選抜オーディションにより、「室内楽の夕べ」、「室内楽の楽しみ」に出演。
ヴィオラスペース名古屋2017に出演。
ジェム弦楽四重奏団として Phoenix OSAQA2015、2016受講。
ルドヴィート・カンタ、H.C.Schweiker の公開レッスンを受講。
これまでにチェロをマーティン・スタンツェライト、花崎薫、H.C.Schweiker の各氏に、室内楽を花崎薫、天野武子、百武由紀、C.Beldiの各氏に師事。

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木村紗綾さん出演のコンサート、演奏会
威風堂々クラシック in Hiroshima 2018
威風堂々クラシック in Hiroshima 2019
安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート
木村紗綾さん ヴァイオリン・サマーコンサート
ひろしま美術館 ミュージアムコンサート(出演:木村紗綾)
CHRISTMAS IN PEACE CONCERT 2019
新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第54回広島
木村紗綾さんオンラインヴァイオリンリサイタル ~クラシックで満ち満ちて~
第52回福山音楽祭府中エリア特別演奏会 木村紗綾ヴァイオリンリサイタル
広島プレミアムコンサート~海外から凱旋した広島のアーティスト達
アンサンブル・プリエール 第1回演奏会 ~広島ゆかりの若手演奏家が紡ぐアンサンブルの調べ~
音のマリアージュ Vol.1 ~あなたが決める名曲コンサート~


※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

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