読書日和

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広島プレミアムコンサート~海外から凱旋した広島のアーティスト達

2022-01-08 20:41:25 | コンサート、演奏会


(全演目終了後。左から若松成さん(ピアノ)、谷崎友美さん(ピアノ)、木村紗綾さん(ヴァイオリン)、瀬川泰代さん(ピアノ)、吉川絢子さん(ピアノ)、中川詩歩さん(ソプラノ))

昨年の11月28日、広島県民文化センターホールで行われた「広島プレミアムコンサート~海外から凱旋した広島のアーティスト達」を聴きました。
よく演奏を聴く広島出身ヴァイオリニストの木村紗綾さんが出演されるということで興味を持ちました。
「ORIZURU国際平和音楽祭」という催しの一つとして行われたコンサートで、コンサート名にあるとおり海外で活動しているアーティストが出演されました。
声楽、ヴァイオリン、ピアノの演奏があり、初めて訪れるホールでしたが非常に響きも良く、それぞれの演奏を楽しませて頂きました




(広島県民文化センターホールのステージ。非常に響きの良いホールでした



1. 中川詩歩さん(ピアノ伴奏:吉川絢子さん)

1. ヘンデル:オペラ「リナルド」よりLascia ch’io pianga(私を泣かせて下さい)
2. ドビュッシー:マンドリン
3. フォーレ:夢の後に
4. サティ:ジュ・トゥ・ヴ

コンサートの最初に登場したのがソプラノの中川詩歩さんで、1曲目の「Lascia ch’io pianga(私を泣かせて下さい)」が非常に印象的でした。
タイトル日本語訳の「私を泣かせて下さい」からは想像もつかないような安らぎを感じる音色で、一気に歌唱に引き込まれて行きました。
どの曲も安らぎや軽快さが感じられ、歌詞は外国の言葉でも音色に魅力があり、様々な雰囲気が伝わってきて聴き入っているうちにあっという間に終わった気がします。



2. 瀬川泰代さん

1. ライネッケ:左手のためのピアノソナタ
2. 吉松隆:タピオラ

瀬川泰代さんは右手に病を患ったのを機に左手一本で演奏するピアニストになったとのことで、どんな演奏になるのかとても気になりました。
その演奏は「片腕の演奏には片腕ならではの良さがある」とはっきり感じるものでした
独特のダイナミックさ、立体感があり良い演奏だと思いました
片腕での演奏用のピアノソナタもこのコンサートで初めて聴き、クラシックの新たな奥深さを知りました。



3. 木村紗綾さん(ピアノ伴奏:谷崎友美さん)

1. スメタナ:わが祖国より
2. フバイ:カルメン幻想曲

木村紗綾さんのヴァイオリン演奏は何度も聴いていますが2曲とも初めて聴く演奏でした。
スメタナの「わが祖国より」はゆったりと叙情的な音色になることもあれば激しい音色になることもあり、変化の豊かな曲でした。
「カルメン幻想曲」は、木村紗綾さんの演奏ではワックスマンのカルメン幻想曲を聴いたことがありますが、フバイのは初めて聴きました。
2曲とも木村紗綾さんの特徴の「音の切れの鋭さ」が発揮され、それが叙情的であったりミステリアスであったりといった作品世界とよく合い、切れの良い音色に魅了されました。



4. 若松成さん
(全てショパンの曲)

1. ノクターン
2. ワルツ
3. 舟歌

どの曲もショパンらしい繊細さや可憐さが出ていて良かったです。
ピアノから出てくる繊細な音や可憐な音を聴いていると気持ちが穏やかになって行きました。
ショパンのピアノ曲には独特なロマンチックさがあるなと改めて思い、これからの演奏会でも様々なピアノ曲を聴いてみたくなりました。


今回は気楽に雰囲気を楽しもうと思い曲名以外は何もメモせずに聴いていましたが、その中で木村紗綾さんが挨拶時に「大勢の人の前で演奏出来ることが嬉しい」と言っておられたのは印象的でした。
新型コロナウイルスの問題でなかなか思うようにコンサートを開催出来ない時期が続いていたので重みのある言葉でした。
昨年秋頃からは比較的コンサートを開催出来るようになっているので何とかこのまま維持されてほしいです。
クラシックの音色に気持ちが明るくなったり救われたりすることもよくあり、今回出演された方の演奏もまたどこかで縁あって聴けると良いなと思います



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演奏者プロフィール

中川詩歩《ソプラノ》

エリザベト音楽大学演奏学科声楽専攻および同大学院修士課程修了。
パリのエコール・ノルマル音楽院にて最高課程高等コンサーティスト科ディプロムを審査員満場一致の首席にて取得し卒業。
またトゥール地方音楽院や多数のマスタークラスにてバロック声楽を学ぶ。
これまでに升田裕子、益田遙、林裕美子、波多野睦美、Anne-Marie Rodde、Nina Uhari、jerome Correas、Noemi Rime、Claire Lefilliatre 各氏に師事。
これまでにペルゴレージ「スターバト・マーテル」バッハ「ヨハネ受難曲」、ヘンデル「メサイア」、モーツァルト「レクイエム」、メンデルスゾーン「エリア」などのソロやアンサンブルなどを数多く行う。
フラワーフェスティバル開会式「花ぐるま」演奏、新進演奏家育成プロジェクトにて広島交響楽団と共演、マツダスタジアムにて国歌歌唱、韓国にてInternational Music Expo出演、パリ中央室内楽団と共演。
欧米、アジアなど世界各地で演奏。
ウィーン国際音楽ゼミナール、スイス・アローザ国際音楽講習会、ベルリン、ルクセンブルク、フランス各地にて著名な教授陣のもとマスタークラスに参加。
第19回大阪国際音楽コンクール歌曲部門Age-U部門第2位。
第21回九州音楽コンクール声楽一般部門審査員特別賞受賞。



瀬川泰代《左手のピアニスト》

安田女子高校、エリザベト音楽大学、同大学研究生を経て、2018年タレントミュージックマスターコース(イタリア)ディプロマ取得。
2020年グラーツ芸術大学大学院 コンサートピアノ科(オーストリア)を満場一致の最優秀の成績で卒業。
高校3年時に局所性ジストニアを右手指に発症を機に左手のピアノ曲を専門に学ぶ。
エリザベト音楽大学卒業後、演奏活動・国際ピアノコンクール受験は左手だけでの取り組みである。
2017年 City of Vigo国際ピアノコンクール2位(スペイン)、2018年Val Tidone国際コンクールSilvio Bengalli 4位(1位なし、イタリア)、Nuova Coppa Pianisti国際コンクール3位、現代音楽賞(イタリア)、2019年Primavera Pianistica コンクール2位(ベルギー)などこれまでに12の国際ピアノコンクールで受賞。
2018年館野泉氏が審査委員長を務める左手のピアニストのための公開オーディション(石川県)最優秀賞受賞。
14ヶ国で演奏活動を展開。
ルーマニア国立バカウ交響楽団、広島交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢と左手のためのピアノ協奏曲を共演。
ソリストとしてエヴメリア国際音楽祭、いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭に出演。
2021年東京2020パラリンピック聖火リレー全国集火式広島県代表に選出されたことにより県知事表敬訪問、「広島県の火」集火・出立では出立宣言と被爆ピアノ演奏を行う。
これまでに、平本恵子、濵本恵康、横山幸雄、池場文美、アンドレアボナッタの各氏に師事。



吉川絢子《ピアノ》

エリザベト音楽大学、同大学院修士課程を首席、総代で修了。
6年間続けて特待生としてザビエル奨学賞受賞。
同大学院博士後期課程修了、博士号(音楽)を取得。
フランス、スイスにてマスタークラスを修了。
これまでに広島交響楽団、チェコ・フィルハーモニー弦楽四重奏団、ドビュッシー弦楽四重奏団と共演。
エリザベト音楽大学付属音楽園講師、比治山大学短期大学部非常勤講師、安田女子大学、安田女子短期大学非常勤講師。
東広島市音楽普及啓発事業登録アーティスト。



若松成《ピアノ》

名古屋市出身。
2003年東京芸術大学音楽学部付属音楽高校卒業。
2008年ハンガリー国立リスト音楽院卒業、修士課程修了ハンガリー国家演奏家資格取得。
2017年ドイツ国立カールスルー音楽大学ソリストディプロマコースを首席で卒業ドイツ国家演奏家資格取得。
これまでに服部浩美、播本枝末子、青柳晋、ジョルジュ・ナードル、ソコライ・バラージュ、バラニャイ・ラースロー、ケヴィン・ケナー、アンジェイ・ヤシンスキー、ベルンド・ゲツケ、ペーター・アイヒャーの各氏に師事。
2004年ヌエバ・アクロポリス国際ピアノコンクール(イタリア)最高位、併せて古典派特別賞。
2014年エンニョ・ポリーノ国際ピアノコンクール(イタリア)最高位など、ヨーロッパ各地の国際ピアノコンクールで優秀な成績を修め、東ヨーロッパからドイツ、イタリア、フィンランドに至るまでヨーロッパ各地で広く演奏活動を展開する。
日本でも精力的に演奏活動を行っており、2007年宗次ホール・オープニングコンサートの一環としてリサイタルを行い、2011年まで同ホールにて毎年ソロリサイタルを開催する。
2012年、2013年フィンランド国内12の都市にてコンサートツアーを行い好評を博す。
2017年9月にドイツより帰国、名古屋、広島を中心に演奏活動、コンクール審査、後進の指導にあたっている。
全日本ピアノ指導者協会会員、日本クラシック音楽コンクール、ブルグミュラーコンクール、ピティナピアノコンペティションG級、特級審査員。



木村紗綾《ヴァイオリン》

広島市出身。3歳よりヴァイオリンを始める。
安田女子中学校卒業後、15歳で渡欧し、プラハ音楽院に首席入学。
第50回コツィアン国際ヴァイオリンコンクール第1位、第38回チェココンセルヴァトワール・ギムナジウム国際コンクール第1位、第2回ヴィッラフランカ・ディ・ヴェローナ国際コンクール第1位、併せて聴衆賞を受賞するなど国内外のコンクールで入賞。
ドヴォルジャーク音楽祭にて指揮者、ヤロスラフ・クルチェク氏とバッハのヴァイオリン協奏曲を共演。
2016年よりチェコフィルハーモニー管弦楽団オーケストラアカデミーに在籍し、プラハの春音楽祭、スメタナ音楽祭など国内外の演奏会、ツアーに多数出演し、2018年修了。
2017年イタリアで開催されたインターハーモニー音楽祭ではコンサートミストレスを務める。
2011年度ヒロシマ平和創造基金ヒロシマスカラシップ奨学生、2016年より大植英次氏プロデュース威風堂々クラシック in Hiroshimaにてコンサートミストレスを務め、チャリティコンサートなどソリストとしても多数共演。
第54回文化庁委託事業新進演奏家育成プロジェクト オーケストラシリーズにて広島交響楽団と共演。
現在チェコフィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団などの客演奏者として活動し、2020年秋よりチェコ ピルゼンフィルハーモニー管弦楽団アシスタント・コンサートミストレスに歴代最年少で就任し、国内外で活動中。



谷崎友美《ピアノ》

広島音楽高等学校卒業。
エリザベト音楽大学を4年間学費全額免除の特別奨学生として通い首席で卒業。
同大学院在籍中、ヒロシマ・スカラシップ、エルネスト・ゴーセンス奨学金を得て渡独し、国立フォルクヴァング芸術大学修士課程を修了。
帰国後、エリザベト音楽大学修士課程を修了と共にセシリア賞受賞。
ドイツ、広島でソロリサイタルを行う他、伴奏、室内楽などにも取り組んでいる。
現在、エリザベト音楽大学非常勤副手、付属音楽園講師。
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木村紗綾さん出演のコンサート、演奏会
威風堂々クラシック in Hiroshima 2018
威風堂々クラシック in Hiroshima 2019
安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート
一楽章f未完成 Violin & Cello Duo Concert
木村紗綾さん ヴァイオリン・サマーコンサート
ひろしま美術館 ミュージアムコンサート(出演:木村紗綾)
CHRISTMAS IN PEACE CONCERT 2019
新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第54回広島
木村紗綾さんオンラインヴァイオリンリサイタル ~クラシックで満ち満ちて~
第52回福山音楽祭府中エリア特別演奏会 木村紗綾ヴァイオリンリサイタル
アンサンブル・プリエール 第1回演奏会 ~広島ゆかりの若手演奏家が紡ぐアンサンブルの調べ~
音のマリアージュ Vol.1 ~あなたが決める名曲コンサート~


谷崎友美さん出演のコンサート、演奏会
エリザベト音楽大学 2018年度卒業演奏会
第52回福山音楽祭府中エリア特別演奏会 木村紗綾ヴァイオリンリサイタル


※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

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