メメント
2000年/アメリカ
何回見ても新発見がある
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 80点
演出 85点
ビジュアル 75点
音楽 75点
クリストファー・ノーラン監督のハリウッドデビュー作。何といってもプロットに負けない緻密なシナリオが素晴らしい。
10分しか記憶がない保険会社の調査員レナード(ガイ・ピアース)が、妻を殺され犯人探しをする話だが、話が逆回転して行く。映画館で最初見たときの衝撃が忘れられず、何回も見てしまった。その都度細かいディテールに新発見がある。
その後ノーラン監督に期待しているが、この作品をナカナカ超えられないのでは?
エターナル・サンシャイン
2004年/アメリカ
これこそ純愛ドラマ?
shinakamさん
男性
総合 75点
ストーリー 75点
キャスト 75点
演出 75点
ビジュアル 70点
音楽 70点
チャーリー・カウフマン原案・脚本の一捻りある恋愛ドラマ。いやな記憶だけ消すことができたらどんなに人生は楽しいだろうという発想が面白い。ジョエル(ジム・キャリー)とクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)は、まるっきり性格が違うが、それがお互いを惹きつける。ジョエルのグズグズした態度に嫌気がさしたクレメンタインが、ジョエルの記憶を消すためにハワード博士(トム・ウィルキンソン)の開発した手術を受ける。やけを起こしたジョエルもハワード博士を訪ね、経緯が分かる。物語が前後するので片時も見逃せない。
主役の2人は、気弱で真面目なジョンと何事もはっきり言動するクレメンタインを演じ切っていてる。カウフマンはこの適役を得て、自分流の純愛ドラマを描きたかったようだ。
殴られる男
1955年/アメリカ
作られたチャンピオン
shinakamさん
男性
総合 75点
ストーリー 75点
キャスト 80点
演出 80点
ビジュアル 75点
音楽 75点
ノマーク・ロブソン監督、ハンフリー・ボガート主演のボクシング映画。かつてプロレス全盛時代に力道山とも闘った人間山脈プリモ・カルネラがモデルと言われているのも、興味を持たせてくれる。
今亀田兄弟が話題だが、いつの時代もボクシングと作られたスターは縁が切れないらしく、映画のテーマとしても事欠かない。H・ボガートが記者として八百長に加担したものの良心の呵責に苛まれ、正義感に目覚める。ストーリーは単純だがテンポがいいので、飽きさせない。本物のチャンピオンが、ボクサーとトレーナー役で競演しているので、ボクシング・シーンは迫力がある。
孤独な場所で
1950年/アメリカ
監督の私生活を反映したサスペンス
shinakamさん
男性
総合 75点
ストーリー 75点
キャスト 80点
演出 75点
ビジュアル 75点
音楽 70点
ハンフリー・ボガートが創った独立プロ製作で自ら主演のサスペンス。「理由なき反抗」「大砂塵」のニコラス・レイ監督が、ヒロインのグロリア・グレアムとの私生活(撮影中に結婚・離婚)を反映した映画としても有名。
H・ボガートが警察に殺人犯として疑われ、恋人と出会い救われるという非現実的なストーリーも帳消しになるほど、サスペンスとしては面白い。
グロリア・グレアムの美しさも際立っている。しかし、結局はスターが創った独立プロに良くあるH・ボガートのための映画だ。
息子('91)
1991年/日本
三國連太郎が唄う「お富さん」
shinakamさん
男性
総合 85点
ストーリー 85点
キャスト 90点
演出 90点
ビジュアル 80点
音楽 70点
椎名誠の原作を「寅さんシリーズ」最盛期に山田洋次監督が手掛けた。70年代に作った「故郷」「同胞」と同類で久々の真面目路線。
妻を亡くし岩手で一人住まいの父(三國連太郎)は、東京で定職を持たない次男(永瀬政敏)が心配のタネ。その次男が、下町の中小企業・鉄鋼会社で働き知り合った聾唖の美しい娘(和久井映見)と知り合い、結婚を決意する。戦友会の帰りに立ち寄った父親に紹介するシーンが山場。父親が嬉しさのあまり、夜中にビールを飲み息子の前で初めて唄う「お富さん」が父親の安堵感を表現していて、胸に込み上げるものがある。
如何にも市井で必死に生活する弱者を温かく見守る、山田洋次の本領発揮がいっぱい。それを支える演技人が多士済々。いかりや長介・田中邦衛・奈良岡朋子・中村メイコ・松村辰雄など山田作品ならではの豪華キャストだ。
小説家を見つけたら
2000年/アメリカ
偏屈な老人にある優しさ
shinakamさん
男性
総合
80点
ストーリー
80点
キャスト
85点
演出
80点
ビジュアル
80点
音楽
75点
ショーン・コネリーが製作に加わり、自ら主演・「グッドウィル・ハンティング」のガス・ヴァンサントが監督。幻の小説家ウィリアム・フォレスター(S・コネリー)と天才少年・ジャマール(ロブ・ブラウン)の友情物語。
設定がエリート白人社会と貧しい黒人街をクロスさせて如何にも類型的だが、2人の好演で友情の大切さを改めて考えさせられる。S・コネリーは、偏屈な老人が徐徐に心を開き、人種の壁を越えて若い才能ある少年に未来を託す役がぴったり。ロブ・ブラウンは素直な演技で、澄み切った目が印象的。敵役のF・M・エイブラハム(クロフォード教授)の才能に対する嫉妬ぶりも見逃せない。最後にマット・デイモンがチョイ役で出演するが、余計なシーンでは?