・ ハリウッドならではのミュージカル・エンターテイメント!
今年のオスカー授賞式で作品賞を誤って読み上げられたことで話題を呼んだミュージカル映画。
「セッション」で一躍注目を集め、念願の本作を監督したディミアン・チャゼルが脚本も手掛けている。
題名はハリウッド、ビバリーヒルズなどロス周辺を象徴する地域と、夢のような陶酔した精神状態を掛け合わせたもの。
作品賞は逃したものの監督賞など6部門を受賞。今年の代表作となったが、賛否両論も聞こえる本作を漸く観賞。
ロスを舞台に、映画スタジオのカフェで働きながら女優を目指すミア(エマ・ストーン)とジャズ・ピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)との出逢いと夢を描いた1年間の物語。
ミュージカルとジャズというテーマで繰り広げられるエンターテイメントは名画へのオマージュ満載のドラマでもある。
サックス奏者・デニーロと女優を目指すライザ・ミネリの「ニューヨーク・ニューヨーク」をベースにプロローグ ハイウェイでの渋滞(ロシュフォールの恋人)からエピローグ 恋人たちの数年後(シェルブールの雨傘)までミュージカル映画のシーンを連想させるシーンが次から次へと現代のロスで展開される。
おまけに「巴里のアメリカ人」「カサブランカ」「理由なき反抗」など往年の名画も彷彿させてくれた。
R・ゴズリングとE・ストーンの共演は3回目で息ぴったり。
ゴズリングは3か月の特訓で吹き替えなしで主題曲「CITY OF STARTS」のピアノ演奏、ダンスも見事な好演は、オスカーを惜しくも逃したが彼の代表作のひとつとなった。
E・ストーンはコケティッシュな風貌でひたむきさやガッツがあり、ハマリ役となって見事オスカー(主演女優賞)を獲得した。
筆者のようなミュージカル音痴にも抵抗感のないラブストーリーで、むしろミュージカル好きには物足りないのかもしれない。
評価にはジャズは本物ではないとかポップスを馬鹿にしているという音楽に関して不満があるものも多い。もっともだが、ゴージャスでロマンティックな歌と踊りで描いたミュージカルとしては圧倒的存在感を示したといえる。
さらにストーリーが少女漫画のようで深みがないという批評も最もながら、最悪の出会いから恋に落ちた二人にもしもがあれば・・・というストーリーは最後まで楽しむことができた。
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