晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『リード・マイ・リップス』 80点

2007-03-14 10:38:50 | (欧州・アジア他) 2000~09

リード・マイ・リップス

2001年/フランス

J・オディアールならではのクライム・サスペンス

プロフィール画像

shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

ジャック・オディアール監督・脚本でエマニュエル・ドゥヴォスがセザール主演女優賞受賞した他脚本・録音の3部門を受賞した作品。
難聴というハンディキャップを持つ土地開発会社の社長秘書カルラ(E・ドゥヴォス)が、助手としてきた保護観察中の粗野な青年ポール(ヴァンサン・カッセル)を知り、孤独な人生が変化してゆく。この映画の良さは2人が決して美男美女ではなく、善悪が明確ではないこと。
カルラはポールに惹かれながら体は許さず、自分の欲望を満たすため仕事に利用したりする。一方のポールも借金を返すためボス、マルシャン(オリヴィエ・グルメ)の大金を奪うためカルラの特技・読唇術に目をつける。互いに利害が一致することで繋がっているようで、男と女の境界線も漂っている。
E・ドヴォスが、人間の弱さとズルさを併せ持つ微妙な女心を見事に演じていて、決して美形とは云えない我が身を鏡に映し見入るところは面目躍如。
「地下室のメロディ」などフィルム・ノワール脚本家、ミシェル・オディアールの息子であるこの監督に、もっと活躍の場を与えてもらって新作を観てみたい。



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