晴れ、ときどき映画三昧

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『パフューム ~ある人殺しの物語~』 85点

2007-03-10 15:07:42 | (欧州・アジア他) 2000~09

パフューム ~ある人殺しの物語~

2006年/ドイツ

香りは富の象徴ではなく、愛の力である

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆85点

パトリック・ジュースキントの原作を15年がかりでベルント・アイヒンガーが口説いて映画化が成立。「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァが監督・音楽を担当、B・アイヒンガー、T・ティクヴァ、A・パーキンの共同脚本によって、難しいといわれた映像による「香り」を表現した。
18世紀のパリは悪臭に溢れていて「良い香り」は富の象徴だった。魚市場で生まれ、皮なめし屋で育った孤児グルヌイユ(ベン・ウィショー)は嗅覚が鋭い。香水調合師バルディーニ(ダスティ・ホフマン)に雇われ天性の才能を発揮し、究極の香水造りを目指すため職人の街グラースへ旅立つ。豪商リシ(アラン・リックマン)の一人娘・ローラ(レイチェル・ハード=ウッド)に出会いその理想を果たそうとする。
音・音楽・台詞などあらゆる手法を使って「香り」を映像化したスタッフの苦心が見事に結晶化した。撮影のフランク・グリーベの功績も大きい。数百名のエキストラを使った群集による愛の交換シーンには驚かされた。そして「香り」が愛の力であること、主人公が単なるおぞましい猟奇殺人犯ではないことを証明してくれた。
不遇な天才調香師の一生を、ナレーションとベルリン・フィルの音楽で補足した丁寧な演出によって、この奇抜なエンディングも納得させてくれる。この映画化を望んでいたというスピルバーグ、スコセッシがさぞかし羨んだことだろう。



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