ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
1984年/アメリカ
「ゴッドファーザー」と甲乙付けがたい
shinakamさん
男性
総合 90点
ストーリー 85点
キャスト 85点
演出 90点
ビジュアル 90点
音楽 90点
セルジオ・レオーネ監督が10年賭けて製作した渾身のギャング映画で、これが遺作になった。レオーネ監督には欠かせないエンリオ・モリコーネの音楽も健在。主演のロバート・デ・ニーロも青年期を中心に熟年期までを、思いを内に秘める抑えた演技で、魅力たっぷり。彼の代表作のひとつになっている。
よく「ゴッドファーザー」と比較され、こちらの方が評価が低いが、甲乙付けがたい。イタリアン・マフィアを描いた「ゴッドファーザー」は根が<イタリアとファミリーへの愛>がテーマであるのに対し、ユダヤ系ギャングを描いたこの映画は、<友情・怨嗟・郷愁>がテーマ。
少年期の描き方が特に丁寧で、これだけで1本の映画として完成している。ヒロイン・デボラの少女時代をジェニファー・コネリーが扮し、アマポーラの音楽に乗せて踊るシーンが秀逸。性への憧れの描写がリアルなので女性ファンの点数が低いかもしれない。
青年期はヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)とマックス(ジェームス・ウッド)の友情物語が中心。時が経つに従って2人の人生観が微妙に食い違ってくる。お互いの演技が火花を散らし、ジェームス・ウッドのエネルギッシュな演技が光る。彼の代表作とも言える。
35年間の空白で久し振りにNYへ帰って来たヌードルスが「イエスタデイ」の音楽で象徴されるようにこの映画のテーマが心に沁みてくる。3時間半の長編があっという間に過ぎ、「人生とは...。>を思わず考えさせる秀作だ。
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