晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
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『ネバー・クライ・ウルフ』 80点

2011-07-14 11:10:09 | (米国) 1980~99 

ネバー・クライ・ウルフ

1983年/アメリカ

動物とのスミ分けを声高ではなく訴える

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆85点

ファーレイ・モワットのノンフィクション「オオカミよなげくな」をカーティス・ハンソンなど3人が脚色、キャロル・バラードが監督したウォルト・ディズニー・ピクチャーズ第1回作品。ディズニーとはいっても大人向けなので大自然を相手に悩む主人公が英雄としては描かれていないところがいい。
北極圏でのトナカイの減少は狼が原因だとカナダ政府に6か月の派遣調査を指名された若い生物学者。たった一人で狼の生態調査で知ったドキュメント風ドラマ。ドキュメントといってもこの主人公タイラーは人間味たぷりで単発機で出発して直ぐ後悔するが、何もしないで引き返すと何を言われるか分からないと必死に挑む姿がとてもユーモラス。演じたのはチャールズ・マーティン・スミスでなかなかの適役。ナレーションが独りごとのように感じられた。
イヌイットの老人と英語が話せる青年ハンター以外はもっぱら狼との出会いと観察。北極狼は想像より大きく体重80Kg体長しっぽまで入れると2mにもなるという。白いその姿を観るだけで動物好きには堪らない。タイラーは狼に認められるためにマーキングをしたり、名前を付けたり狼の主食らしいネズミを食べたりしてその距離を縮めてゆく。ただし単なる部外者でしかなくトナカイの大群と狼の大群が遭遇したとき裸でうろうろするばかり。
人間がしたことは都会から来たハンターを案内することや生計を立てるために狼を殺すこと。自然界との共生は人間が壊してゆく実態を如何にスミ分けするかでしかない。
カナダの壮大な季節毎の景色と北極オオカミをヒロ・ナリタの撮影、マーク・アイシャムの音楽が臨場感たっぷりで画面を引き立てて猛暑のとき観ると、そこはかとない清涼感を漂わせてくれた。



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