遥か群衆を離れて
1967年/イギリス
女性のための大河ロマン
shinakamさん
男性
総合 75点
ストーリー 70点
キャスト 80点
演出 75点
ビジュアル 85点
音楽 75点
英国の文豪トーマス・ハーデイの原作をジョン・シュレンジャー監督で描いた、19世紀イングランド南部の大河ロマン。「ダーリング」のオスカー女優ジュリー・クリスティが美しい農場主を演じ3人の男を巡ってのラヴ・ストーリーが展開される170分。
伯父から受け継いだ農場を経営することになったバスシーバ。隣に住む中年の裕福な地主・ボールドウッドは何かと親切に気遣ってくれる。若くて有能な羊飼い・ガブリエルは病気の羊を治せるのは彼しかいないのを知り使用人として雇うことに。女中のファニーと結婚を約束した美貌の軍曹・トロイは教会に遅れただけで式をキャンセルするプライドが高いプレイボーイ。この3人がバスシーバにプロポーズするが、彼女が選んだのはトロイだった。
のどかな田園風景を背景に繰り広げられる一大ドラマは最も心を寄せるトロイを選んだために波乱を迎えて行く。
バスシーバを演じたJ・クリスティは美しい農場主らしくトキとして気が強く、トキには愛の不条理に悩むか弱いヒロイン像を魅せているが、男から観ると男たちを振り回し随分身勝手な女だという印象はぬぐえない。ヒロインに肩入れしないで見るラヴ・ストーリーはその時点で興が殺がれてしまう。
男の中ではボールドウッドを演じたピーター・フィンチが良かった。からかい半分のラブレターを受け取ったことがキッカケで年の差を気にしながらプロポーズしたが、愛していないと言われながら諦めず好意を寄せる。一歩間違えればストーカー呼ばわりされ女性には好まれないが、厳しい環境で行う農業経営には誰かの支えが必要だ。現代ではボールドウッドやガブリエルのように、ここまで一途な男も存在しない。
男が男らしく、女が女らしくあれという19世紀はバスシーバのような女性は異色の存在だったのだろう。終盤、落ち着くところへ落ちつくが、大画面でみるイングランドの美しい風景が最も印象に残っっている。
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