晴れ、ときどき映画三昧

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『名探偵登場』 80点

2011-01-16 16:22:45 | 外国映画 1960~79

名探偵登場

1976年/アメリカ

徹底したパロディと豪華キャスト 

プロフィール画像

shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

劇作家ニール・サイモンが探偵小説をパロディ化したナンセンス・コメディ。5組の名探偵がトランクから現れるチャールズ・アダムスのタイトルバックが楽しく、ミステリー・ファンを喜ばせてくれる。その5組とはアガサ・クリスティのエルキュール・ポアロ、ミス・マープル、E・D・ビガーズのチャーリー・チャン、ダシール・ハメットのサム・スペード、ニック&ノラのチャールズ夫妻。もちろんパロディなので少しずつ名前を変えている。プロットはクリスティお得意の密室殺人事件風で、大富豪が晩餐と殺人事件の招待状を送りこれから起こるミステリーを謎解きさせようとする。
何しろ豪華キャストが嬉しい。ピーター・セラーズ(チャーリー・ワン)、デヴィッド・ニーヴン(ディック)、マギー・スミス(ドラ)のチャールズトン夫妻、ジェームス・ココ(ミロ・ペリエ)、ピーター・フォーク(サム・ダイヤモンド)エルザ・ランチェスター(ジェシカ・マーブルズ)に加え盲目の執事役にアレック・ギネス、極めつけは大富豪ライオネル・トウェイン役に作家のトルーマン・カポーティとくれば、それだけで驚きのキャスティング。付録としてペリエの運転手で「ベイブ」のジェームズ・クロムエルが映画初出演している。
なかでもピーター・セラーズのワンはモデルを知らなくても独特の風貌とセリフ廻しで、このパロディの中心的存在。最初は誰が演じているのか見分けがつかなかった。ピーター・フォークはハンフリー・ボガートが「マルタの鷹」で演じたサム・スペードより「コロンボ」のイメージが強過ぎて損をしてしまった。
良質とはいえパロディなので、真面目なミステリー・ファンはおちょくられたような気分がして怒り出すかもしれないが、名優たちが楽しげにその役を演じているだけでも貴重?であり、T・カポーティが唯一出演している映画としても意義深い?作品。登場人物の雰囲気を盛り立てるデイヴ・グルーシンの音楽も聴きどころのひとつ。



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