晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
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「ワンダー 君は太陽」(17・米) 80点

2018-12-15 13:50:06 | 2016~(平成28~)


・世代を超えポジティブになれるベストセラーの映画化。

R・J・パラシオの児童文学書「ワンダー」を、「美女と野獣」の脚本を手掛けたスティーブン・チョボウスキーが監督・共同脚本で映画化。

「ルーム」(16)の天才子役ジェイコブ・トレンブレイが顔に傷害を持つ少年を演じ、ジュリア・ロバーツ、オーウェン・ウィルソンが両親役でサポート。

遺伝子の突然変異により顔に疾患を持つオギー(J・トレンブレイ)は、幼い頃から両親や姉から愛されて育ち、スターウォーズ好きな10歳の少年。

母と自宅学習してきたが、将来のために小学5年生の年になって初めて学校へ通うことに。

周りから奇異な眼で見られながらも、徐々に馴染んで友達もできて行くが・・・。

いわゆる<感動ポルノ>と呼ばれる、お涙頂戴の物語では?と敬遠する向きもありそうな展開ながら、フィクション故の原作がしっかりしているのと監督のユーモアセンスやディズニーならではの仕掛けで世代を超えて楽しめる作品に仕上がった。

オギーの心情をナレーションに込めた冒頭では、彼が顔以外は普通の元気な少年で、両親・姉に可愛がられていることが分かる。彼を学校までまで送り出す両親の不安は如何ばかりか・・・。
案の定子供の残酷な反応に遭いながら不登校にならなかったのはオギーの賢さと逞しさが幸いした。

姉のヴィア(イザベラ・ビドビッチ)は手のかからない娘で弟とも仲が良いが、両親が自分を注目してくれないことや親友ミランダ(ダニエル・ローズ・ラッセル)が無視することで密かに悩んでいる。ボーイフレンドには一人っ子とウソをついてしまう。

オギーの同級生ジャック(ノア・ジュプ)はオギーと仲良くなったのに、ハロウィンでの出来事からオギーに避けられてしまう。母親の女手ひとつで育てられ奨学生のジャックは、いじめっ子のジュリアン(プラース・ガイザー)と喧嘩して退学になることを心配する。

ミランダは両親が不仲で夏休みにイケてる友人たちと過ごし、何となく大人しいヴィアを避けるようになる。

オギーを取り巻く人たちは、姿形は勿論それぞれの悩みを抱えていることを視点を変えて描いているので10歳の子供やティーンが観ても共感できる中身が盛り沢山。

オギーが太陽で出てくる人全てが善き衛星という非現実的な描き方に異論もあろうが、こんなポジティブな作品で最後まで観客を惹きつける映画は、流石にディズニー資本らしい作りだ。

天才J・トレンブレイを初めする子役たちはこれからハリウッドを背負って行く逸材揃い。「プリティ・ウーマン」以来四半世紀を経て、こんな抑えた演技で感動を誘うJ・ロバーツの変わらない存在感も凄い。

家族揃って鑑賞できる貴重な作品に拍手を送りたい。




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