晴れ、ときどき映画三昧

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「羊たちの沈黙」(91・米) 80点

2014-11-23 12:46:00 | (米国) 1980~99 
 ・サイコ・サスペンスの傑作だが、初見では面白さが分からない?

                    

 この年の賞を総なめしたトマス・ハリスのサイコ小説シリーズ2作目の映画化。アカデミー作品、監督(ジョナサン・デミ)、主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)、主演女優賞(ジョデイ・フォスター)、脚本(テッド・タリー)の主要5部門を受賞している。

 公開時はA・ホプキンスの演じたレクター博士の特異なキャラクターが最大の話題となった。筆者も早速映画館に駈けつけたが、想像していた恐怖映画ではなく寧ろ30歳前にしてJ・フォスターの可憐さが印象的だった記憶がある。

 その後何度か見直してみると、A・ホプキンスの猟奇殺人犯容疑者で元精神科医という複雑な役柄を見事にこなした演技が際立って見え、女性FBI訓練生クラリスに興味を持った奇妙な交流が物語の核となって行く展開に納得している自分がいた。

 J・フォスターは女性蔑視の世界で頑張っている頭脳明晰な野心家を好演、「告発の行方」(88)以来2度目のオスカーを獲得した。想えばこの頃が彼女の全盛期だった。その後は作品を選びながらコンスタントに出演しているが、童顔がネックとなって?ヒット作には恵まれていない。近作「おとなのけんか」(11)で健在ぶりを魅せてくれたが、これからも顔を見せて欲しい女優だ。

 クラリスのトラウマに興味を持ったレクター博士が、連続殺人事件解決のヒントと交換条件に自らの自由を得る手並みが、あまりにも鮮やかで圧倒される。

 太った女性を殺し皮をはぎ、女装癖とメンガタスズメを育てる連続殺人犯<バッファロービル>。名だたるFBI捜査官を迷わせる犯人でありながら余りにも、あっけなく犯人逮捕の経緯に辿りつくのが、不自然な気がするが・・・。

 ここは天才的洞察力のレクター博士に敬意を表して、流れに乗ってクラリスの奮闘ぶりを楽しみたい。

 古い友達とは? 夕食に行くとは? 続編の期待が込められる見事なエンディングに拍手を送りたい。
 


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