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『ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵(バプリック・エネミー)No.1と呼ばれた男...』 75点

2011-06-24 16:48:01 | (欧州・アジア他) 2000~09

ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵(バプリック・エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1 ノワール編

2008年/フランス

ネタバレ

戦争で殺人を犯した男の刹那的な軌跡

プロフィール画像

shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 75

ストーリー ★★★★☆75点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆75点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆75点

長い題名はのちに封切りのジョニー・デップ主演の米映画「パブリック・エネミーズ」と混同されるのを避けたせいか。60~70年代実在した凶悪犯ジャック・メスリーヌの自叙伝をもとにジャン=フランソワ・リシェ監督で映画化された前篇。自伝は美化され過ぎていたため、大幅に脚色されてはいるが、足取りは事実をもとにしているためエピソードを積み重ねた構成。アルジェリア戦争で初めて殺人を犯した男の刹那的な軌跡が窺える。
観客は恰幅の好い髭の中年男が射殺されるシークエンスで始まり、この男がジャックだと知らされる。
除隊したジャックが父親の探した地道な仕事には馴染めず、幼ななじみの悪友と窃盗や銀行強盗を重ね、益々悪の道に進んでゆく様がテンポよく描かれて退屈はしない。
結婚して子供も生まれ、いちどは堅気の仕事に就くが運悪くリストラされる。家族を愛しながら地道な生活は長く続かずまた元の道へ。
女好きで博打で大金を湯水のごとく使いながら居場所がなくなってゆく男が、女には優しく仲間への信頼が厚いため妙な魅力がある。
ヴァンサン・カッセルが本人に乗り移ったような演技を見せて大奮闘。ボスのギドには貫録たっぷりなジェラール・ド・パルデューが扮し裏社会の掟の凄みを効かせていて流石の存在感。ウマが合うパートナー・ジャンヌ(セシル・ド・フランス)が登場してモントリオール、アリゾナと悪事の旅へ。自己顕示欲の高いジャックは金持ちから金を奪って何が悪いとメディアに伝えることで一躍有名人となってゆく。
待っていたのはUSC(特別懲罰刑務所)で拷問に遭うが耐え抜いて脱獄するというヒーロー振り。USCへ襲撃するという破天荒なことまでする。ある意味で絶頂期の人生を迎えた半生で前篇を終える。ここまで観るとどうしても後篇が見たくなる。



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