晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『黄金の腕』 80点

2009-06-17 16:10:18 | 外国映画 1946~59

黄金の腕

1955年/アメリカ

何かと話題の多い人間ドラマ

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆90点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆90点

ネルソン・オルグレンの原作をルイス・メルツァーとウォルター・ニューマンが大胆に脚色、オットー・プレミンジャーが監督した人間ドラマ。
シカゴを舞台にした麻薬の禁断症状に苦しむカードのディーラーが主人公で、フランク・シナトラの演技が話題となっている。
ジャズをテーマ音楽に取り入れた草分け的存在のエルマー・バーンスタインの音楽をバックに、タイトルバックも奇抜でグラフィック・デザイナー、ソール・バスを一躍有名にするなど、何かと話題の多い作品。
当初マーロン・ブランドで企画されたこの映画をF・シナトラが惚れこみ役を獲得するとともに恋人のキム・ノヴァクまで出演させたという。さすがのちに一家を築いた親分シナトラの面目躍如という逸話もある。もしM・ブランドがやっていたら、もっとシリアスで違った雰囲気の暗い作品になっていただろう。
愛する人を失いたくないため悲劇を生むヒロインのエレノア・パーカーは美しいが、K・ノヴァクの妖艶で献身的な優しさに食われてしまい同情を誘わない損な役回りになってしまった。
シェリー・マン、ショーティ・ロジャーズなどのウェストコースト・ジャズの第一人者が特別出演しているのも見逃せない。