バーバー吉野
2003年/日本
里山風景での「スタンド・バイ・ミー」
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 75点
キャスト 75点
演出 80点
ビジュアル 80点
音楽 80点
「かもめ食堂」「めがね」の荻上直子監督・脚本による長編デビュー作品。
100年以上続く伝統である少年の髪型・通称「吉野刈り」。町に一軒しかないバーバー吉野のおばちゃん(もたいまさこ)が頑なに守る伝統を、東京から来た坂上君の髪型がキッカケで、息子慶太(米田良)達が疑問を持ち始める。
大人達が理想とする里山でのライフ・スタイルが、徐々に壊れようとする地方都市に暮らす少年達の大人への第一歩が微笑ましく、「スタンド・マイ・ミー」を想わせる。
秘密基地でエロ本を見る彼らは、大人の世界を垣間見るが実感がなく、同級生(岡本奈月)が皆な好きだったりする。
男なら誰でも経験する、少年の背伸び振りが微笑ましい。少し物足りなかったのは、父親(浅野和之)や先生(三浦誠己)など大人の描き方で、実感が乏しくメルヘンの域を超えられなかったことか。