ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

事故米の「マネーロンダリング」 洗浄の仕組み明らかに

2008年09月12日 | 時事問題
asahi.com 2008年9月11日10時33分
事故米、架空の転売繰り返し「食用」に 三笠フーズ 
 米販売会社「三笠フーズ」(大阪市北区)が、工業用の事故米を食用として不正転売した問題で、三笠フーズから事故米を仕入れていたとされる佐賀県唐津市の米穀仲介業者が、三笠側の依頼で商品の授受を伴わない伝票だけの取引を繰り返していたことがわかった。朝日新聞の取材に認めた。事故米は三笠の関係者が作ったペーパー会社を経て転売が繰り返され、最終的には「食用」になっていた。三笠側が不正が発覚しにくいよう工作していたとみられる。

架空の取引を繰り返して、出発点を不明にする手口。
たいして高級な手口ではないが、気休めにはなるのかな

政治問題  砂田一郎著 「アメリカ大統領の権力」 中公新書

2008年09月12日 | 書評
クリントン、ブッシュJr大統領とリーダーシップの低下 第4回
大統領制 と議院内閣制 (2)

アメリカ:大統領制での権力分立論
アメリカは独立に際しモンテスキューの権力分立論を導入した。連邦制は州政府を基本とした国家体制で、連邦政府の権限は憲法で定めら得た範囲に限定された。立法権は権限の対等な二院制に分けられ両院が賛成したときのみ法が成立するが、大統領に拒否権を与えられるという抑制的な制度であった。外交や軍事に関して大統領に権力が集中している。19世紀南北戦争後共和党、民主党の二大政党体制になった。1930年代ルーズベルト大統領は行政国家化して大統領権限を強化した。ホワイトハウスは大統領官邸ではなく巨大な行政組織として機能するようになった。そうして次第に三権分立の原則が崩れていった。

経済問題 神田秀樹著 「会社法入門」 岩波新書

2008年09月12日 | 書評
21世紀の「会社法」はIT革命と資本市場への対応をめざすもの 第4回
新「会社法」をめぐる環境 (2)

 2001年以降改正ラッシュにある会社法の基本的な考え方は、ファイナンス分野では市場機能の重視で、事前の手続き規制の緩和である。もうひとつは「オプション理論」の認知と適用である。将来の新株発行のみならずそれ自体の価値を計算する「ブラック・ショールズ式」を採用した。ガバナンス分野では法遵守のコンプライアンスと競争力強化のためのガバナンス体制の議論である。委員会設置や監査役制度強化をむしろ企業価値を高めるために適用する事である。会計法制では国際会計基準を受けての改正である。「剰余金分配規制」も重要である。ベンチャー企業育成のための最低資本金制度廃止がある。新「会社法」の条文は1:総則、2:株式会社、3:持分会社、4:社債、5:組織変更、合併、分割、株式交換、株式移転、6:外国会社、7:雑則、8:罰則からなり全979条からなる膨大な「会社法」である。

文藝散歩 五味文彦著 「源義経」 岩波新書

2008年09月12日 | 書評
源平合戦の英雄「源義経」像を文献・史料から探る 第3回
序 (3)

 私は何故か鎌倉幕府を開いた源頼朝は権力の権化の様な気がして好きになれない。むしろ芭蕉が好きだった木曽義仲とか九郎判官義経に愛着を感じる。それを「判官びいき」というのだが、その判官びいきがどのようにして形成されてきたのかをやさしく文献・史料から根拠つけるのが本書である。私は本当は粗野で田舎者と酷評されている木曽義仲の人間像を知りたいのだが、あまり義仲に関する本はない。義仲寺の義仲の墓にとなりあって墓を作ってほしいとまで言わせた芭蕉の気持ちを知りたい。まず義経関係の年表をまとめる。そして手の内を明らかにするため関係資料(基本史料)を明示しておこう。

自作漢詩 「冷気始驚」

2008年09月12日 | 漢詩・自由詩


今宵如水冷生     今宵水の如く 冷は秋を生じ

寒気吹来嘆弊     寒気吹き来り 弊裘を嘆く

残月西郊光耿耿     残月西郊に 光耿耿たり 
     
蟲聲切切響啾     蟲聲切切 響啾啾たり

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(赤い字は韻:十一尤 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)