ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

日本相撲協会と横綱審議会の抜本改革を

2008年09月07日 | 時事問題
asahi.com 2008年9月7日3時4分
若手親方、臨時総会で「理事長は責任を取った方がいい」
 簡易検査に続いて出た精密検査での陽性反応。力士は否定し続け、北の湖理事長も公の場に姿を見せない。決着が見えぬまま長引く騒動。「ファンの納得が得られない」「早急に対応を」。危機感を募らせ急きょ、親方たちが集まった。執行部に対する批判も公然と出始めている。

暴力しごき致死事件や大麻事件は朝青龍問題とは異質の刑事事件である。相撲協会理事会は責任を取って辞任が相当
朝青龍問題ではいつも元気な古館のオバサンは今回は沈黙しています。北の湖理事長は自分の部屋から容疑者を出したため今回は被告席です。暴力しごき致死事件では部屋の親方の辞任、兄弟子の追放という処置を取った理事長は、今回自分で自分を処置する事ができないので、即刻辞任して後任の理事長と理事会が処置を決めるべきでしょう。日本相撲協会も外国人力士を大量に採用し、その強さと人気で興行ができている以上、人種差別的横綱審議会は入れ替えるべきです。大麻汚染も他のスポーツ並に国際化してきたのもやむを得ません。ドーピング問題もこれから心配になってきます。大麻は麻薬取締法と云う刑事事件ですので、厳格に対応すべきでしょう。

経済問題 春山昇華著 「サブプライム問題とは何かーアメリカ帝国の終焉」 宝島社新書

2008年09月07日 | 書評
米国の住宅バブル、略奪的貸付、証券化金融技術からサブプライム問題を解明 第12回

第5章 サブプライムローン問題の対応と解決法

 住宅バブルの後処理には、金融機関の証券化などの仕組みに一定の歯止めが必要だし、金融機関のリスク管理規制を厳しくしなければならない。それには社会の常識による自浄作用が働かないといけない。投資市場では格付け会社の問題がある。企業にはトリプルA はごく限られているのだが、金融商品にはトリプルAが多すぎる。エンロン社の粉飾会計を許した会計事務所は解散させられた。会計事務所は納税や投資家が投資する際に必要な情報を正確に提供するため法的責任を負っている。だが格付け会社には参考意見であって法的責任はないとされている。この格付け会社のありかたを正さないと投資家の利益を損なう。日本でも2007年8月から金融庁からリスクの総点検指示が出された。2007年9月イギリスの銀行ノーザンロック(住宅貸し付け)が緊急融資をうけた。ノーザンロックはサブプライムローン証券に投資していたが総資本の1%に過ぎない。市場がサブプライムローンと聞いてABCP資金調達用債権購入を拒否したからである。住宅ローン貸付資金を債券発行から調達していた自転車操業であった。貸付資金の預金依存比率が30%以下であり、市場からの直接資金調達に頼っており、そこで支障が出ると直ちに資金繰りに窮するのである事は第四章に述べた。銀行はいまや昔からの預金と貸付が主体ではなくなっている。運用部隊ではデリバティブというリスク回避商品を使ってレバレッジを利かせた運用手法にのめりこんでいる。これを中央銀行や国家はコントロールできなくなっている。市場勢力とはヘッジファンド、エクティファンド未公開株投資、LBOファンド(レバレッジ、企業買収)などのグローバルファンドのことである。銀行預金は死んでいるようだ。市場投資家から直接集める「市民経済民主主義」の時代である。

医療問題 真野俊樹著 「入門 医療経済学」  中公新書

2008年09月07日 | 書評
医療制度を考える上で、医療経済学的視点は欠かせない 第23回
医療のプレーヤーとその行動 (2)

 医療の供給者は病院・診療所・保険薬局である。病院数や病床数は世界的に減少傾向にある。日本の病床数も1990年から減少に入ったが、先進国では一番遅くかつ緩やかである。地域医療計画では医療圏と基準病床数ほかを定めた。この制度は医師誘発需要仮説を抑制するために病床数を制約するものである。これにより病人が切り捨てになるのか、無駄な病院依存体質(社会的入院)を改善して医療費削減につながるのか今後の検討を待つ。スウェーデンでは1992年エーデル改革により急速な病床数減少と社会的入院が減ったと云う。1000人当りの病床数は日本では13、平均入院日数は28日で、ドイツでは1000人当りの病床数は9、平均入院日数は11日である。反対に100病床当りの医師数は日本で16人、ドイツで40人、看護婦数は日本で42人、ドイツで102人である。短い入院日数と手厚い看護のほうが望ましいのではないか。市場経済は生産効率と消費効率を別々に論じる必要がある。患者のニーズが価格に対応していないため消費効率改善が市場原理は有力ではない。医療においては供給者の生産効率も甚だ定義するのが困難である。よって医療制度においては全世界的に成り立つ市場原理と云うものは存在しない。無闇に医療界の効率化を叫んで市場原理を導入しようとすれば、医療は根底から崩壊しかねない。医療機関の効率的な経営のため自らの方向性を戦略的に考える時、すべての治療を行う垂直統合、特化した分野の規模拡大をする水平統合、専門性に特化する方向が考えられるが、日本ではIHNという保健・医療・福祉複合体による内部化が進んできたといえる。全国的親組織のもとに外来、病院、老人福祉、在宅、保健部門まで統合するのである。企業内の活動を市場よりも効率的にするためには、規模の拡大と範囲の統合と費用の削減である。一時は外部化による競争促進で費用削減を図るのが主流であったが、内部化による取引費用の削減も重要な戦略である。

環境問題 丸山茂徳著 「科学者の9割は地球温暖化炭酸ガス犯人説はウソだと知っている」 宝島社新書

2008年09月07日 | 書評
地球は寒冷期を迎え、人口爆発で石油は枯渇する事態こそ文明の最大危機だ 第14回
第2章 「成長の限界」と人類の危機

 人口の増加と資源の枯渇に着目したローマクラブのドネラ・メドウズらが1972年に「成長の限界」を発表した。2050年には世界人口は100億人に達すると予測し、資源や食糧との均衡が破れるのは2020年に訪れるとした。所謂2020年問題である。当時の人口は38億人で、36年後の2008年には世界人口は68億人に達した。倍化したのである。中国・インド・パキスタンなどの人口爆発を見ていると、2050年には世界人口が100億人を超えるという予測は妙に現実味がある。そして石油枯渇は待ったなしで進行している。可採年数はあと37年、枯渇年数はあと68年という。既に原油は湯水のように出ているのではなく、乾いた雑巾(砂層)から搾り出しているのである。石油価格はうなぎのぼりで上昇し2008年の先物取引では金融資本のたくらみもあって原油価格はバレル150ドルにもなった。八月段階では沈静化して110ドルぐらいになったとはいえ、基本的に原油価格は高値を維持するだろう。本格的脱石油時代にはいったのだ。欧米では2020年問題に真剣に取り組んでいるようだが、日本の政治家官僚は2020年問題には一向に対応せず、炭酸ガス排出量削減目標という自縛政策にうつつを抜かしているのはSMものである。寒冷化が来て食糧危機になると日本には中国難民が何百万人と押し寄せるだろう。飛鳥時代の渡来人の比ではない。世界中が大動乱になって戦争と飢饉で数十億人が死ぬ事になるだろう。ローマクラブはこの大動乱で21世紀後半には100億人の人口は40億人に減少すると予測している。恐ろしい阿鼻叫喚地獄が待っている。ここまでは石油枯渇と人口爆発のもたらす近未来予測である。アメリカ、ロシアは必死に石油を確保しようとしている。世界最終戦争に勝つためである。石油がなければ戦争は出来ないのである。爆撃機は飛ばない、戦車は走らないでは戦争は負けるのである。太平洋戦争の短期決戦、竹やり精神では戦争は出来ない。

自作漢詩 「秋夜年老」

2008年09月07日 | 漢詩・自由詩


月色沈沈獨自     月色沈沈 獨り自ら斟む

客心懐郷二毛     客心懐郷 二毛侵し

蟲吟遠聴悲年老     蟲吟遠くに聴き 年老るを悲しむ 
   
母慕難禁語夜     母慕を禁じ難く 夜深に語る 

●●○○●●◎
●○○●●○◎
○○●●○○●
●●○○●●◎
(赤い字は韻:十二侵 七言絶句仄起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)