ブログ 「ごまめの歯軋り」

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大分県教員不正採用疑惑  なにか政略が感じられる?

2008年09月04日 | 時事問題
asahi.com 2008年9月4日13時36分
教員不正採用巡る贈収賄、4被告認める 大分地裁初公判
 大分県教育委員会の一連の汚職事件で初の公判が4日午前10時から、大分地裁(宮本孝文裁判長)で開かれた。教員採用試験の得点改ざんの実行役とされ、収賄の罪に問われている元県教委義務教育課参事、江藤勝由被告(52)と、江藤被告らへの贈賄の罪に問われている3被告の計4人が出廷し、いずれも起訴事実を全面的に認めた。検察側は冒頭陳述で、長年にわたって教員の不正採用が繰り返されてきたと指摘した。

これは「国策捜査」ではないか。文部省のリークによる大分県日教組潰しの陰謀か
全国の都道府県と市町村の教員や役所の職員採用はほとんど縁故か議員紹介や情実採用である。その裏で金や謝礼が動いている事は容易に想像されている。なぜ大分県以外に波及しないのか。べつに全国の教員・職員は戦々恐々としていない。よそ事ではないはずなのに、おかしい。大分県日教組はご存知の通リ、日教組の力が一番強いところであり、日の丸掲揚、国家斉唱に強い抵抗を示してきた。文部省はいつも強権で潰そうとしてきたができなかった。今度は陰謀で教員の信用全体を崩しにかかったと読むのは、読みすぎか?

経済問題 春山昇華著 「サブプライム問題とは何かーアメリカ帝国の終焉」 宝島社新書

2008年09月04日 | 書評
米国の住宅バブル、略奪的貸付、証券化金融技術、世界資本市場からサブプライム問題を解明 第9回
第3章 サブプライムローンの崩壊と影響 (2)

住宅ローンが仕組み債として投資家に売る証券会社では、優良な儲かる商品としてもてはやされた。例えば、30年ローンで年利6%で借りているローンがまとめて1億5000万円あるとする。返済額は月あたり75万円(手数料を控除して)である。住宅ローンの証券化とは資産担保証券ABSを証券会社が買い取り、1億5000万円を分割して投資家に販売する。投資額に応じて約5%ほどの利益を投資家が得る仕組みである。国債などより利率は高いので飛ぶように売れた。投資家は持分権を所有する。ファンドは一部の債権を留保して運営者自身の利益とする。ところがバブルが崩壊して返済が滞るとABSに入る利子が少なくなる。投資家に払う金がすくなり、投資家の足抜けが始まった。2007年2月8日連邦銀行総裁は住宅ローンの焦げ付きは金融機関が負うべきだと発言したため、2月末に世界同時株安が発生した。6月12日ベア-・スターンズの傘下の二つのヘッジファンドが危機に陥った。ヘッジファンドは資金の10倍を借り入れるレバレッジと云う手法で住宅ローンにのめり込んでいたのだ。ベアー・スターンズのヘッジファンドはメリル・リンチから資産担保証券の1種のCDOで金を借りていた。このCDOに格付け会社がトリプルAというお墨付きを与えていた。ぼろぼろの商品にトリプルA という飾り付けをした。こうして8月1日より17日の間に、世界同時株安パニックが起きた。NYでは11%下落、東京では17%、香港で18%の下落となった。世界中の投資家がアメリカの住宅ローンに投資したおかげでアメリカンドリームとなったが、しかしそれは一時の夢と化した。

8月9日の欧州中央銀行ECBは無制限の資金供給を発表した。フル回転で輪転機を回して紙幣を印刷すると云うことだ。FRBもそれに続いた。8月10日にはGMが07年度自動車販売台数の下向き修正をした。いまや住宅価格が値下がりして、車を買う場合じゃないというわけだ。8月17日株安パニックとなった。FRBは遂金利を0.5%引き下げた。既に遅しである。


医療問題 真野俊樹著 「入門 医療経済学」  中公新書

2008年09月04日 | 書評
医療制度を考える上で、医療経済学的視点は欠かせない 第20回
医療の仕組みを経済学で分析する (3)

 現在の日本の医療にはさまざまな公的規制がある。経済的規制とは公定価格とか、先端治療(臓器移植)で独占を許して供給義務を負わせると云う規制である。社会的規制とは治療の水準(質)を保つために設備や医者・看護師・ベット数など一定の基準・制約を設定する。1985年より政府は地域医療計画を定めた。医療圏と基準病床数ほかを定めた。この制度は医師誘発需要仮説を抑制するために病床数を制約するものであった。東京、埼玉、千葉、茨城、神奈川、栃木など関東圏は10万人当りの病床数が1000以下と少なく、一人当りの医療費も12万円と抑えることができた。ところが鹿児島、徳島、北海道などの地方ではベット数が2000以上で、医療費も18万円以上であり野放図な状況がよく分る。市場では非合理的な存在は排除され退場するのが普通である。ここで医療機関の競争が問題となる。混合治療の禁止措置の一部緩和も検討されている。現在は株式会社による病院経営は認められていない。非営利(出資者への配当禁止)の民間医療法人が中心で、病院の61%、病床の50%を経営している。2004年から公益法人制度改革の検討が始まった。公益性の高い医療サービスを提供する法人にたいする公募債発行とか税制上の優遇、多様な収益事業展開を可能とする検討である。

環境問題 丸山茂徳著 「科学者の9割は地球温暖化炭酸ガス犯人説はウソだと知っている」  宝島社新書

2008年09月04日 | 書評
地球は寒冷期を迎え、人口爆発で石油は枯渇する事態こそ文明の最大危機だ 第11回

第1章:「地球温暖化」炭酸ガス犯人説のウソと「寒冷化」の予兆 (7)

 次に②地磁気の強さである。地磁気は外核の鉄とニッケル溶融金属の対流によって生じるという「ダイナモ説」が有力である。地磁気は地球に降り注ぐ太陽風と宇宙線の両方を遮断する効果がある。数億年の規模で見ると地磁気は失われたり逆転する事も明らかにされた。京都大学地磁気センターのデーターによると、1600年以来地磁気は弱まっており2000年で16%も減少した。地磁気の強さが1/3になると、宇宙線量は10倍にまで増加するという。過去400年間は地磁気の減少より太陽活動が優勢であったため放射線量が減少傾向にあった。これが将来は太陽活動が弱まり、地磁気の減少とあいまって放射線量の増加に転じるのである。地球は過去数回(23億年前と6-8億年前)「スノーボール」(全球凍結仮説)になったという学説がある。スターバースト(新星爆発)によって宇宙線が地球を覆ったのが原因とされる説である。生物は絶滅すると同時に、大量の宇宙線を浴びた生物の爆発的進化があった可能性がある。100億年かかる動物への進化が50億年で可能になったという説である。なんとこれは著者丸山茂徳氏の最近の説である。「生命と地球の歴史」(1998年刊)岩波新書では述べられていなかった。(核戦争で地球の人類が絶滅したあと、生き延びた人類は又爆発的に進化する可能性もあるのかな??)

自作漢詩 「江村秋意」

2008年09月04日 | 漢詩・自由詩


荷衰応候暑威     荷衰え候に応じ 暑威収まる

爽節送涼梧葉秋     爽節涼を送る 梧葉の秋

素昊風清雲漠漠     素昊風清く 雲は漠漠 
     
長江雨後水悠     長江雨後 水は悠悠

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(赤い字は韻:十一尤 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)