ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

当面 政治空白続く

2008年09月03日 | 時事問題
asahi.com 2008年9月3日3時3分
年内「補正後」解散論強まる 小池元防衛相の擁立模索
 福田首相の辞任表明を受け、自民、公明の与党内で2日、新首相の下、秋の臨時国会で景気対策を盛り込んだ08年度補正予算案を成立させた後、年内に解散・総選挙に踏み切るべきだとの意見が強まった。一方、自民党の総裁選は10日告示、22日投開票の日程が決定。麻生太郎幹事長への対立候補として、小池百合子元防衛相の擁立を模索する動きもある。

洞爺湖サミット以来、政治は止まったまま
消費者行政庁設置後、内閣改造をしたところまでで政治の動きはなくなった。メデァがいう所の洞爺湖サミット、北京オリンピックを花道?とした福田首相の退陣が意外に早くきた。給油法案の改定も迫っている中で、ねじれ国会を理由に退陣とは解せない。ねじれ国会は1年前からあった。民主党抱き込みに失敗した福田首相は返って民主党の硬化にあって、舵取り不能の難破船になった。政治日程を見れば、これでは9月は政治空白だ。舛添厚生労働大臣一人ががんばった。他の大臣も浮き足だたないで、職務に専念してもらいたいものだ。

経済問題 春山昇華著 「サブプライム問題とは何かーアメリカ帝国の終焉」  宝島社新書

2008年09月03日 | 書評
米国の住宅バブル、略奪的貸付、証券化金融技術、世界資本市場からサブプライム問題を解明 第8回
第3章 サブプライムローンの崩壊と影響 (1)

 アメリカの住宅バブルは2005年にピークを迎え崩壊した。その実体経済への影響は2008年末まで続くといわれている。日本の土地バブルの崩壊を見ているはずなのに、米国消費者と金融機関は住宅価格は下がらないという住宅神話にドップリ浸かっていて、容易に頭を転換できなかった。ニンジャローンとは「無収入、無職、無資産」でも住宅ローンを組めますと云うキャッチフレーズであった。猫でもローンを組めるのだ。「浮かれ、悪乗り、非常識」と云うバブルの三拍子が揃っていた。2005年8月初め宅建業者の株が暴落した。宅建業者の株指数が700から500以下に下がった。木材価格の下落、住宅販売戸数も130万戸から80万戸に下がった。にもかかわらずこの状態をバブルの崩壊とは見なかったため、対策は二年近くも実施されずに傷口を広げた。住宅ローン返済の遅れは中以上の所得者向けプライムローンでは2%程度で尋常なリスクだったが、サブプライム固定ローンでは2006年以降12%と増加したし、サブプライム変動ローンでは17%に増加した。2004年以降FRBは金利を引き上げており、2006年以降変動金利で借り人が返済不能に陥った。そして住宅の競売処分は変動ローンでは2006年初めから急増し4.5%となった。固定ローンでは2%、プライムローンでは0.3%に過ぎない。返済不能で住宅を追われた人はもともと低所得者で生活レベルを一気に低下せざるを得なかった。そして消費が減退し実質経済へじわじわと影響し始めた。最初の恐慌は2006年12月世界的な銀行HSBCの株価が暴落した。そして住宅ローン専門家銀行モーゲッジ・ソルーションが倒産した。

医療問題  真野俊樹著 「入門 医療経済学」  中公新書

2008年09月03日 | 書評
医療制度を考える上で、医療経済学的視点は欠かせない 第19回
医療の仕組みを経済学で分析する (2)

 近年の医療技術革新には目覚しいものがある。ヒトゲノム解読に始まった遺伝子診断技術、創薬、細胞医療、再生医療、テーラーメード医療と云うイノベーションを生んだ。経済学では医療費との関連で、CT、MRI、PETのような医療費を増大させる技術革新をビッグチケット技術と呼ぶ。1940年代から始まった第1次医療革命では感染症が克服され、疾病克服から患者減少、医療費削減と云う流れがあった。1960年代以降の成人病の時代は第二次医療革命と呼び、診断技術が長足の進歩を遂げた。所謂ビッグチケット技術革新であった。21世紀は第三次医療革命に入った。臓器移植や生殖治療、再生治療が実現しつつある。個別医療費でみると診療点が10万点以上の高度医療(高額医療)が増加している。遺伝子診断・遺伝子治療についても巨額の治療費が必要になった。2005年の薬剤市場は7兆円となった。技術の進歩は医療費を押し上げる方向に動いている。また臓器移植という規制の多い先端治療では日本を避けて、医者も患者もアメリカに移ると云う空洞化現象が目立っている。滞在費を含むと1億円程度のお金をカンパで集めて渡航する患者の話を新聞でよく聞く。

環境問題 丸山茂徳著 「科学者の9割は地球温暖化炭酸ガス犯人説はウソだと知っている」 宝島社新書

2008年09月03日 | 書評
地球は寒冷期を迎え、人口爆発で石油は枯渇する事態こそ文明の最大危機だ 第10回

第1章:「地球温暖化」炭酸ガス犯人説のウソと「寒冷化」の予兆 (6)

まず①太陽活動である。2007年カークビィーらは文献上から17世紀以降の太陽の黒点数を精しく調べ、周期的に黒点数が変化しており、それが炭素13同位体温度計の示す気温低下パターンと一致することをサイエンス誌に発表した。東京大学の吉村教授は約11年周期の小周期と、約55年周期の大周期が現れると指摘した。現在は1980年から始まる大周期Ⅵのピークを過ぎて太陽活動が徐々に弱まる時期に入った。小周期では太陽活動の最低期にある。小周期の周期では海洋の熱容量が大きいため太陽活動は気温には反映せず、数年遅れで気温が下がってくるだろう。大周期の太陽活動と気温変化のパターンはよい相関を与える。太陽活動が弱まれば地球が受け取る太陽エネルギーが減少するだけでなく、宇宙線を吹き飛ばす太陽風も弱まる。したがって雲量が増えて地球は寒冷化に向うだろう。宇宙線量の減少傾向は別の10Be(ベリリウム同位体)の測定からも明らかである。


自作漢詩 「九月秋夜」

2008年09月03日 | 漢詩・自由詩


臥看双星九月     臥して看る双星 九月の秋

月光耿耿雨初     月光耿耿 雨初めて収まる

千山寒露樹黄葉     千山寒露 樹は黄葉 
   
一夜蕭霜人白     一夜蕭霜 人は白頭 

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(赤い字は韻:十一尤 七言絶句仄起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)