角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

素朴な疑問。

2014年01月15日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き[四阡八百円]
青と紫は同系色のため、組み合わせも自然に映ります。そして青と紫は女性になかなか人気ですね。双方共に落ち着いた色ですが、比較的お若い女性がお選びくださる気がします。おっと、これまでの経験則でも、むしろ中高年の女性が派手好みでしたね。

お休み一日目は予定通り自宅周りの雪を片づけました。真冬日が続いたせいで雪が軽く、わが家の小さな除雪機も存分に働けました。おかげで思ったより疲労が小さく感じます。
地元民がよく言うのは、『春になればどうせ融けるものを、なんでこんなに降るかねぇ』。地球温暖化が進むと日本海側の降雪量が増えるというのも、素朴な疑問のひとつです。

明るいうちから寝転んでテレビを観るなんていうのは、一年に何度あるでしょう。ワイドショーでは今話題のあれやこれやを報道しています。ひとつに東京都知事選。ここにも素朴な疑問がいくつかありますよ。
15年前に政界を引退した75歳にもなる人が出馬するそうです。一般的な世の中ではあまり聞かないと思いますね。出馬するご本人の意思もさることながら、その人しか推す人がいないのかと支持者にも素朴な疑問がわいてきます。都知事選に原発云々の争点もよく分かりません。

かつて航空幕僚長を務めた人は、石原慎太郎元都知事も推すくらい生粋の日本人です。私も嫌いなタイプではありません。こちらの方は、NHKのとある報道に対して『日本人がバカになる』と批評しました。それはイタリアセリエAに移籍した本田圭佑選手のデビュー戦を、トップニュース扱いで12分間も割いたからなんですね。

NHKが取り上げるべき重要な話題が他にもあるという意味だと思うのですが、それによって『日本人がバカになる』とはどうなんでしょ。どこぞの個人がネット上でつぶやくくらいならよしとして、オリンピック開催地の都知事選に立つ人がわざわざスポーツファンを敵に回しますかね。これも素朴な疑問です。

都知事選に要する費用は50億円だそうです。民主主義の根幹ですから、これが必要経費であることは分かります。テレビを観ていたカミさんが、『猪瀬さんの5千万円のせいで、50億円もかかっちゃうの?』。これが一番素朴な疑問かもしれません。
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喜寿の贈り物。

2014年01月14日 | 実演日記
今日の草履は、1月9日のブログ黒田官兵衛の故郷「姫路市」の話題で触れたオーダー草履です。ご注文主である女性のご両親とご主人のご両親へ、それぞれペアで贈りたいとのことでした。間もなくそれぞれのお父上がお誕生日で、しかもご主人のお父上は喜寿を迎えられるそうです。そんなおめでたい記念に角館草履をお選びいただいたことは、嬉しさと共に責任をも感じますね。



ご注文主の女性がこのブログをご覧くださり、『喜寿ですから金の草履もいいかなって…』。金の布地はもう在庫が少ないので、新たにお作りできません。ご主人のご両親の靴サイズをうかがって、ちょっと驚きました。25cmと23cmの「金の草履」が、ちょうどペアで展示してあったんですね。女性にもお話しましたが、これがご縁と思うわけです。




ご実家のご両親には、お洒落な黒地にエンジを組み合わせたのがお父上用です。中高年の男性に「赤」を身に着けて欲しいのは、たびたびブログでもご紹介の通りです。
お母上は「卯年」で紫がお好きとのことでしたから、まさにピッタリの配色にしてみました。私も「卯年」ですから、うさぎプリントの布地は欠かすことなく在庫にしています。

ご両家のお父上の誕生日に合わせ、まもなく兵庫県へと旅立つ4足の草履たち。作り手として私の気持ちも届いてほしいですが、なによりご注文主である娘さんの心が伝わってくれたら嬉しいですね。

さて明日と明後日の二日間、「草履を編まない日」として手の休養日とさせていただきます。ただ数日来の寒波で雪の量が一気に増えました。自宅周りの雪を片づけ終えたとき、草履を編むより疲れているのは間違いないでしょう。
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ヘタレ親父。

2014年01月12日 | 家族の話




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
黒地の和柄にピンク色がとても可愛らしく映ります。「エレガント」や「キュート」という表現がピッタリでしょう。
私の家族は私以外皆女性ですが、「エレガント」も「キュート」も日常にありません。こうした草履を編むのは、そんな日常の裏返しかもしれませんね。

先日東京にお住いの常連さんから、ご注文フォームでオーダーを賜りました。二種類の配色で2足と3足、計5足です。初めてとは言わないまでも、一度に5足のご注文はそう多くありません。メッセージ欄には次の文言が記されていました。

『お正月、故郷で竹馬の友との新年会で「角館草履」の紹介をしたところ、「是非履きたい」と希望がありました。ならばプレゼントしようと…』

故郷のご友人にご紹介いただいたというのは、ほんとに嬉しいですね。その嬉しさを超えて感服したのは、5人のご友人にプレゼントするという太っ腹ぶりですよ。作り手が言うのもナンですが、安価とは言えない角館草履。ご注文メールの返信には、『太っ腹ぶりが実に小気味いいですね(笑)』と記しました。

年末のこと、仙台に暮らす次女が帰省し家族5人が揃った夕食。焼肉のリクエストに応えて肉屋を訪ねました。目当てはその日の折込チラシにあった、100g980円の黒毛和牛。日ごろ辛抱させている償いもあって、たまにはオヤジも太っ腹なところを見せたいわけですよ。
ショーケースの前に立って『この肉をください』。店員さんが『いかほど差し上げましょうか?』。おそらく一人100gはいけそうですから、合わせると500gになります。すると金額は…、この暗算は私にも容易でした。一種類の肉に5千円…。ここでオヤジのヘタレが出ます。『400gにしときます~』。

家族が「エレガント」にも「キュート」にも無縁なのは、もしかしたら私のせいかもしれません。
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男は「金」。

2014年01月11日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ27cm土踏まず付き[五阡四百円]
おおむね25cm以上の男性用でも、在庫の中にこうした赤い配色を必ず作るようにしています。ブログでもたびたびご紹介している通り、元気やエネルギーを象徴する「赤」は、中高年の男性にこそ使っていただきたいですね。おばさまパワーの何分の一かでも、草履がお役にたてれば幸いであります。

トイレに飾るミニ草履の話題もたびたびお伝えしていますが、そのエピソードには事欠きません。つい最近はよく知ったお顔のおばさまが二人、それぞれお買い上げくださいました。その配色選びが面白いんですね。一人のおばさまは、『やっぱり赤がいいな~、目立つものっ』。よくある選択基準です。

もうお一人のおばさまは、男子用と女子用に二つと言います。女子用トイレは、やはり明るく目立つようにと赤系をお選びでした。次は男子用の選択です。
『あっ、この金色っぽいのがいいんじゃない。男はやっぱり“金”でしょ!?』。

実演席では比較的珍しい「下ネタ」。ここにもおばさまパワーを感じるわけです。
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15日・16日お休みです。

2014年01月10日 | 製作日記




今日の草履は、彩シリーズ27cm土踏まず付き[五阡四百円]
金茶の和柄に同系色の辛子色を組み合わせてみました。ちょっと高貴な贅沢感を感じる配色と思います。年齢的にはやはり年配者になりますかね。お洒落な中高年の男性をお待ちすることにしましょう。

前評判通りの今冬最大級と云われる寒波が来ました。今朝一番の様子は寒さこそ強かったものの、降雪量はさほどでなかったです。それが時間の経過とともに風雪が強まり、一日で結構な量になりました。それでも大曲や横手に比べるとだいぶ少ないようですね。角館では未だ屋根の雪下ろしほど積もっていません。

一月ですからお客様が多いわけはないのですが、こんな寒波の日はさらに少なくなります。今日はとうとう草履をご説明する場面に巡り合いませんでした。もちろんそんな日もありますよ。
JR東日本大人の休日倶楽部乗り放題チケットが、1月21日(火)~2月2日(日)の期間で発行されます。真冬の北東北ですから夏場ほどではないにしても、それなりのお客様がお越しくださると思います。この時季は温泉もいいですからね。

乗り放題チケットが始まる前に、少しお休みを入れたいと思います。1月15日と16日の二日間、草履を編まない日(休業)とさせていただきました。確定申告に向けて決算作業をするつもりですが、この後の寒波によっては除雪でクタクタかもしれません。
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憧れの大河ドラマ。

2014年01月09日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ27cm土踏まず付き[五阡四百円]
男性用草履に赤い配色をよくお勧めしますが、それは配色選びに悩んでいる場合です。男性が自ら選ばれるのは、やはりこうした紺系が一位でしょう。27cmまでは一定の需要がありますから、このサイズも春までにしっかり作っておくつもりです。

年明けから大河ドラマも新しくなりました。豊臣秀吉に仕えた軍師「黒田官兵衛」です。過去の大河ドラマを視聴率比較すると、幕末維新ものと戦国時代ものが平均して高いそうです。私もこの二つはストライクですよ。そう考えると「八重の桜」のあとの「官兵衛」ですから、NHKは連勝を確実にしましたか。

角館も歴史と文化の町を名乗り、佐竹北家の城下町として観光地の末席にあります。するとこの大河ドラマというものに、崇高なほどの憧れを持ちますね。ドラマに登場する歴史上の人物は知らない人がいない超有名人、そして時代は日本を大きく変える場面ばかりです。確かにこれを秋田県や角館に求めるのは若干の無理がありますね。それが憧れにつながるのでしょう。

一昨日、東京にお住いの女性からお電話でご注文を賜りました。お父上の誕生日に贈りたいとのことで、直送のご依頼です。ご住所をお訊ねすると、『兵庫県姫路市…、あっ、今はじまったばかりの大河ドラマの…』。

一度使ってみたい言葉であります。
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白岩焼きの花瓶。

2014年01月07日 | 地域の話




今日の草履は、、彩シリーズ26cm土踏まず付き[五阡二百円]
茶系の草履がお洒落という話題をたびたびお伝えしています。明るめのレンガ色に茶色の唐草もまたお洒落ですね。
女性用サイズの在庫が一通り揃ったところで、ここ数日男性用サイズを集中的に編んでいます。粋でお洒落な男性用草履を、この冬もしっかり編んでおきたいものです。

角館草履の代表的素材である「イ草」。このイ草を草履素材としてではなくお求めのお客様が、かねてからおりました。ひとつに「笹餅作り」です。近隣にお住いのおばあさんたちが、『こごでイ草売ってるって聞いだんだども…』とその季節になるとお越しになります。お年寄りのお役に立てているようで、それはそれで嬉しいものですよ。

そしてもうひとつの使い方が、「装飾」なんですね。手ごろな花瓶に挿して、玄関や床の間など室内に飾るわけです。イ草は大気中の水分を吸収すると匂いを発する性質がありますから、雨の日など湿度の高い日にとても良い香りを放ちます。万遍なく霧吹きをしてあげれば、いつでも香りを出すことができるんですね。

しばらく前から実演席でも花瓶に挿して飾っておりました。それを見たお客様がもう何人もお買い上げになっています。一束300円ですから、好きな方であれば二つ三つの場合もありますね。
ひとつ懸案と思っていたのが、花瓶のほうです。これまではガラス製を使っていて、これが実演席にどうも馴染みません。そこで思いついたのは、カミさんの父親が最近夢中で取り組んでいる「白岩焼き」でした。

産地と呼べる生産量がないまま現在に至る白岩焼きですが、かつては大きな陶器産地でした。江戸時代秋田藩の命により産地を形成するわけですが、奔走したひとりが当時肝煎りを務めていた「千葉伝右衛門」。今の世でいう「町内会長」みたいなものでしょうか、この伝右衛門というのがカミさんの生家です。そんな由来も手伝ってか、父は今この白岩焼きに燃えているんですね。

本人も言う通り、確かにまだ素人作品でしょう。それでも昔の白岩焼きに少しでも近づけるよう日々奮闘している、70代半ばの作品を観て欲しいと思っています。


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今冬の積雪量やいかに。

2014年01月05日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
美しい和柄をベースにエンジと組み合わせれば、まず角館草履の王道的配色と言えるでしょう。特に女性のリピーターさんは角館草履に「綺麗さ」を求めてお訪ねくださいます。今年もそんな欲求を満たして余る草履を編みたいと思っています。美しい和柄の平生地はこちらです。



明けて新年5日、もうお正月気分は抜けた頃でしょうか。明日から通常勤務という方が多いですから、正月休み最終日はゆっくり自宅で過ごされているのでしょう。観光地角館はそんな様子が伝わる静けさでありました。
わが家の次女も今朝の便で仙台へUターンし、長女も明日から勤務再開です。事実上もう正月ではありませんね。

寒の入りを迎えた今日、角館は今冬一番の冷え込みとなりました。朝布団から出るとき、すでにその寒さが分かりましたよ。それでも雪の量はだいぶ助かっています。正月を過ぎようというときに屋根の雪下ろしを心配しなくていい冬は、もう何年もなかったような気がします。おそらく昨冬と比較して50cmやそこらは少ないんじゃないですかね。これはとても嬉しい現象です。

と、近所で建築業を営む男性に話したら、『いや、あの~、除雪がないと冬の収入が…』。
当地で土木建築を生業としている人たちは、冬場の大きな収入源が除排雪なんですね。ゼロではないにしても、冬場に家を建てる人はそう多くありません。かつて仕事の薄い冬場は、雪の積もらない関東や関西へ出稼ぎしていたものです。それが少子高齢化に伴って除雪の手が足りなくなり、また出稼ぎそのものも負担が大きいのでしょう、今や大工さんの冬仕事は除排雪となっています。

そしてこの冬仕事がなかなかの収入らしいですよ。適切な言い方をすれば、収入が増えるというより支出が減るんですね。それはあまりの多忙にお金を使う暇がないのと、週に一日のお休みは体を休めないと身が持たないそうです。つまり大雪になると、遊びに行く時間も体力も奪われるわけですね。春先になると大工さんが新車に乗り換えるなんて話が、まことしやかに囁かれています。

一般市民として大雪が困るのは確かながら、一部とはいえ景気の良い話もまた結構なこと。さて今冬はどうなりますか、知るのはお天道様ばかりですな。
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あけましておめでとうございます。

2014年01月02日 | 実演日記




新年初めての今日の草履は、金の草履24cm土踏まず付き[五阡八百円]
神々しい金一色の草履は、まさに新年に相応しい色と思います。地道でもしっかり歩を進めることを誓うのが新年らしいと思いながら、「一攫千金を目指す」とか「大金持ちになる」みたいな初夢の話もいいんじゃないでしょうか。「金」にはそうした力があると思います。
すぐに売れるとは思っていませんが、いずれお選びの方が現れましたらご紹介いたしましょー。金色の松が美しい平生地がこちらです。




あらためまして、あけましておめでとうございます。角館の年明けは今日こそ雪の一日となったものの、降雪量としては比較的少なめに始まりました。明日からまたしばらく真冬日がなさそうですから、まず過ごしやすいお正月ではないでしょうか。
予定通り元日から草履実演を始めています。観光で訪れるお客様はどうしても少ない中で、2014年初お買い上げは香港からお越しのご夫婦でした。今年は国際的な一年になるやもしれません。

とにかく賑やかなのは地元商店会の「福引抽選会」です。金賞の現金三万円10本を目指して、悲喜こもごもの様子がとても面白いです。この抽選に訪れる方々の中には知人も多く、年始挨拶がこの場になっていますよ。一年にほぼ一度しか会わない人もいますから、私にとっても貴重な機会ですね。



本日めでたく三万円をゲットしたのはこちらのお母さんです。抽選に並ぶ人が途切れた直後、ほかに誰もいない場面で大きく鐘が鳴らされました。直前に抽選を終えた人が私の知人だったこともあって、この差はなんだろうと思ってしまいます。もっとも私も5回抽選してすべて末当でしたから、大きなことは言えませんがね。

金の草履を編んだ人が、一番金にご縁がないかもしれません。なにはともあれ、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。




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