角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

医者の不養生。

2006年07月25日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm〔靴サイズ24cmまで可・・・2300円〕
ピンク基調に細かな花がプリントされた綿生地をベースに、薄い茶色で三本帯を入れてみました。とても柔らかい仕上がりで、中高年の「優しいお母さん」に履いていただきたい一品です。
作り終えて間もなく、まさにそんなイメージの奥様にお買い上げいただきました。

今日の角館は、朝から小雨がぱらつく梅雨空でしたが、昼過ぎからスッキリ晴れ上がりました。気温が上がった割に心地よい風がありましたから、梅雨時期としては過ごしやすい一日と思います。

横浜からお越しのご夫婦、私のホームページをご覧になり、ぜひ実物を見て買いたいとのことでお訪ねくださいました。
『ホームページの写真ではいっぱい並んでましたけどねぇ‥』と奥様。確かに、「選べる」ほどの在庫はすでにありません。それでも、ちょうどそのとき作っていた草履を気に入っていただき、出来上がるまでの20分ほどをご覧のうえお買い上げくださいました。
『作りたてを買えるなんて、やっぱり来て良かった!』。そのお言葉で私も救われます。

昨日東京からお越しの男性が、『この間中国マッサージの先生に、緒のある履物を履くように言われたんですヨ』とおっしゃり、オーダーくださいました。なんでも足裏の一点を押されたとたん、飛び上がるほどの痛さを感じたんだそうです。
確かに、「足は第二の心臓」だの、「足裏はツボの宝庫」だの聞きますが、では緒のついた履物が具体的にナニに良いのか、これまで調べることをしませんでした。

こちらのお客様がお帰りになったあと、私のサイトでお馴染みの「藤さん」が遊びに見えました。藤さんは看護士を目指す若人で、角館の祭りの囃子方でもあります。
藤さんの顔をみたとたん、この「足裏」を思い出しました。彼ならいろんな勉強をしているだろうと思い尋ねてみると、『いやぁ~、ツボの勉強はしたごどねんシなぁ‥』。
そこで“宿題”となり、早速ネットで調べた資料を持って来てくれました。

一通り目を通してみると、一点に絞ったツボと言うよりは、足裏全体をマッサージすることによる「血流促進」が最も説得力がありました。心臓から一番遠い足裏を刺激するのは、体温を上げて運動能力を高める効果があるそうです。すでにお履きになっている方々はお分かりですが、「イ草」の堅さが適度な刺激を生むのが、私の草履の最大の特徴と思います。ですからその点では、「体に良い」とする理論に叶っていると考えてイイと思うんです。

ちなみに足の親指の付根は、「首」に直結した働きがあるそうです。「首が疲れる」「首が凝る」という症状には、どうやら草履が効きそうです。
毎日々々草履を編み続けていると、どうしても肩から首が凝ります。一番草履を履かなければならないのは、もしかしたら私自身かもしれません。

コメント (6)
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