角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

縁起木の意味。

2016年04月15日 | 実演日記






今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き[五阡四百円]
辛子色の井桁プリントに茶の唐草を組み合わせてみました。シブい草履と思っていますが、場合によっては「田舎くさい」の評価があるかもしれません。しかし角館にギラギラのネオンを期待する旅人は皆無でしょう。そう思えばむしろ秋田らしい、角館らしい配色といえるかもしれません。
「今日の草履」は、東京からお越しのおじさまがお持ち帰りです。

縁起木としてお馴染みの「カネの成る木」。ご家庭で育てている人も多く、実演席の目の前にあるこの木がよく話題に上ります。今日お立ち寄りのおばさまもそんなおひとりで…

『水をやっちゃダメって聞くけど、やっぱりそうですか?』

『なんでも極限の状態で育つと綺麗な花を咲かせるらしいですよ』

『はは~、人と同じですね!』


はたと気づきました。「カネの成る木」が縁起木とされるのは経済的な裕福ではなく、価値ある人間を創るという意味ではないでしょうか。とすればお客様がよく言う、『うちのカネの成る木もずいぶん大きいのに、ちっともおカネは増えないのよ』も頷けるというものです。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする