今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き[四阡四百円]
こけしプリント同柄二種を組み合わせてみました。プリントも配色も可愛らしく仕上がったと思います。冬に入荷した日暮里生地はほぼ底を尽き、こちらの布地も「今日の草履」をもって最終となりました。一点限りの草履をどなたがお持ち帰りくださるのか、それがとても楽しみなんですね。
そして来週、春の日暮里生地が到着する予定です。これもまた大きな楽しみであります。
「こけしプリント」、平生地はこちらです。
「こけし」を見ると私はとても懐かしく感じます。かつてサラリーマン時代、百貨店で催される物産展に出店することがありました。その業者仲間に湯沢市のこけし職人でいて、よく一緒に飯を食ったものです。23年余り前、彼は結婚のお祝いにと私に大きなこけしを作ってくれました。その当時で数万円の価値があったと思います。
近年こけし販売のアイデアに、出産のお祝いがあるそうです。出生児の身長と体重をそのまま「こけし」に表現するんですね。実際の赤ちゃんは日に日に成長しますが、「赤ちゃんこけし」は生涯出生児の姿を残すわけです。子ども本人も大きくなってそれを知るのは面白いですし、親はときに出生児の喜びを思い出すことが出来ます。これはなかなかいいですよ。
親はわが子がこの世に誕生したとき、無上の喜びに浸ります。おそらく大部分の親は、健康でさえ育ってくれたらそれだけで十分と思うでしょう。嘘偽りない本心だと思います。私もそうでした。それがやがて「健康だけ」では満足しなくなるんですね。「這えば立て、立てば歩めの親心」とはよく言ったもので、親の要求はだんだんエスカレートしていきます。
「こんなことも出来ないのか」「何を勉強してきたんだ」「どうして勝てないんだ」等々、「健康でさえ…」は忘却の彼方ですよ。そして親の期待に沿えない子どもは行き場を失い、場合によっては問題行動を引き起こします。
わが家は私もカミさんも、子ども時代から勉強の出来がよくありませんでした。そんな二人から出来た子どもに、無理な期待を寄せるのは酷というものです。これを比較的早く気付けたことが、大きく間違わない子育てに繋がったのかもしれません。
ときにはわが子が生まれたときの、「健康でさえ…」を思い出させてくれる「赤ちゃんこけし」。少し値が張るはずですが、私に孫が生まれたとき頑張ってみようかと思っています。