角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

プチ旅行の勧め。

2012年09月21日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡四百円〕
過去にも登場した緑のベース生地には、美しい「御殿まり」がプリントされています。これにエンジを組み合わせ、少し小さめの22cmに仕上げたことで、可愛らしさが際立ちました。
「今日の草履」は、秋田市からお越しのおばさまがお持ち帰りです。

秋田県由利本荘市は、古くから「御殿まり」の産地です。はじめてその美しさに触れたのは、30年以上前の18歳のときでした。サラリーマン一年生の頃、本荘市のお得意先でのことです。18歳の若造の目にも、その細工の美しさは分かりましたね。

日々の実演で、秋田県内にお住まいのお客様と出会わない日は、まずありません。そんな中に、『初めて角館をゆっくり歩いてますぅ。面白いものがいっぱいありますよねっ』といった言葉がよく聞かれます。

桜やお祭りなど、そのときだけのイベント目当てに訪れる人も多いですが、角館は「日常の散策が楽しい町」ということを、県内にお住まいの方は広くイメージされているのでしょう。

数日前に定番配色⑧でオーダーされた女性は、秋田県男鹿市にお住まいです。スキーが大好きで、田沢湖スキー場へは一冬に何度も足を運ぶとのこと。その際角館は通過のみなんですね。
こちらの女性も、『なかなかゆっくり歩く機会がなかったんですけど、やっぱり角館は面白いですね』。

こうした「プチ旅行」は、私も少し見習いたいと思っているんです。かつてサラリーマン時代にあれだけ県外を走り回っていたのに、秋田県内で訪れたことのない町が結構多いんですよ。

若かりし日に出会った御殿まりのように、おっさんでも新しい出会いがあるかもしれませんね。
コメント
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