夢うつつ♪つれづれ草子

書いて残しておきたい事が、たくさん出来ました(*^^*)
自分自身のための備忘録なんだけれど…いろいろ書きたいな♪

女性作家おふたりのトークショー・3

2012-09-14 09:37:59 | 小説や漫画や映画やテレビや音楽のこと。

第一部が約1時間
休憩のあと、第二部が開始されました。


◎第二部 「文学と恋愛」

川上弘美さんと小池真理子さんとでは、恋愛小説を書く際のアプローチの仕方が、まるで違っていて、面白かったです。

川上さんの場合は、恋愛に到るまでの履歴がなく、突然、恋愛をはじめてしまう、とおっしゃっていました。
それを小池さんは「フランス映画のようだね」と。
川上さんは、初めから「これは恋愛小説にしよう」と書いたのは、何と1作だけで、あとは成り行きで登場人物たちが愛しあってしまった、とおっしゃっていました。
「そのかわり、食べものを美味しそうに書くのは、自信があるんですよ」とも。

対して小池さんは、
「物語性を重視し、文体や言葉を吟味して品格を失わないようにします。」
「性愛描写が深まれば深まるほどに、言葉の美しさに気を配ります。直截的な表現は一切使わない。ところがその方が反って、エロスを感じますね~」
と、例として三島由紀夫の『春の雪』をあげられました。

川上さんもそれに同意し、「私は直截的な表現で書いてしまう。そういう表現は乾いた感じがする。」
とおっしゃり、そこから官能小説に話が拡がりました。

「官能小説の表現は、作家によって違い、個性的で感心しますねえ。」
などと、いろいろとおふたりで話されていたのですが、“官能小説”と“文学における官能”は、どこに焦点を当てるか(視点)によって決まる、という話が新鮮でした。

因みにこのあたりになりますと、司会者氏は口をはさめなくなっていました。


前回も書きましたが、おふたりの“作家脳”は素晴らしい

なんとなくの流れで、あるいは意外性を狙った構成のようで、実は、その先のもうひとつ先までが、しっかり考えられている、そうやって何作も書き続けている、という事が素晴らしいと思いました。


私は、今まで、かなりの数の小説を読んできました。
ところが、タイトル、内容を全く覚えていないものも、数知れず
「面白かった~」「最後で勢いが落ちたなぁ~」「はらはらする!」くらいの感想は持ちますが、しみじみしたり、じんわりしたり、はっと気づいたり、怒ったり、私ならこうすると考えたりする事が少なくて、字面を追っているだけのような気がします。

力量のある作家は、力量のある読み手を求めているのだろうな。
本望な読まれ方をされたら、作家冥利につきるのだろうな。

受信する力(読むこと・聞くこと)の不足を改めて感じたのでした。
だからといって、発信する力もそれ以上に不足していますが‥‥

ということで、ここを読んでくださっているみなさん、力量のない書き手ですみませんm(__)m
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