『もうひとりのシェイクスピア』
すべての物語はシェイクスピアが書いてしまった、と言われるほど偉大な作家。
しかし彼の自筆原稿は、400年経った今、一切見つかっていない。
高等教育を受けた形跡も、英国から出た形跡も見当たらない彼が、どうしてあのような膨大な壮大な物語を書けたのか?
シェイクスピアとは何者なのだろう?
そうして…
当時から取り沙汰されていたある噂…
シェイクスピアは別にいる
以下、ネタバレ。
すごく面白かったです
2時間を超える映画なので、寝るかも~と思ったのですが、スクリーンにぐいぐい引き込まれました。
ストーリー以前に、時代考証に則って作られた映像がすごい
エリザベス朝の、ちょっと猥雑なロンドンの下町。
貧しければ土間で、お金があれば桟敷席で、貴賤いっしょに楽しんだ陽気な劇場。
感情までも冷えきってしまいそうな石造りの宮殿や貴族の館。
エリザベスカラーに象徴される、当時の貴族たちの衣装。
そして、当時の戦場や平原を再現したであろうロケの映像。
歴史好きにはたまりません
エリザベス女王の恋人と噂されたオックスフォード伯爵は、劇作に高い才能を示すが、彼を取り巻く政治状況は、彼が自分の名前で作品を発表することを許さない。
政治を牛耳るセシル卿は、演劇が庶民に与える政治的な思想を恐れ、演劇を嫌っている。
そのため、オックスフォード伯爵は別人に依頼して、自作を上演する。
別人が名乗ったのは、ウィリアム・シェイクスピア
一方、独身でいまや高齢のエリザベス女王の後継者問題が、逼迫してくる。
女王に嫡子はいないが、隠し子は何人もいて、貴族としてそれなりの地位を占めている。
オックスフォード伯爵は、否応なしに、後継者問題に巻き込まれていく‥‥
シェイクスピアが誰なのかだけではなく、エリザベス女王の宮廷の人間関係を絡めてあって、私としては、俄然、後者に興味を覚えました。
シェイクスピアの作品は、知らなくてOK
ヨーロッパ、さらにはイングランドの歴史好きには、かなり楽しめる映画だと思いました