夢うつつ♪つれづれ草子

書いて残しておきたい事が、たくさん出来ました(*^^*)
自分自身のための備忘録なんだけれど…いろいろ書きたいな♪

『琥珀色の雨にぬれて』(星組全国ツアー・仙台)

2012-09-25 23:57:27 | 宝塚観劇つれづれ

星組の全国ツアーを仙台市で観てきました

昨年は震災の被害で会場が使えず、公演ができなかったので、一昨年の宙組の『銀ちゃんの恋』以来になります。

今回は、“宝塚を観るのは人生で2度目”という友人と一緒に行きました。
なので、早めに会場に向かった方がいいと思い、開演30分前に着きましたら、あたりは、人、人、人
まさに〈きょうはイズミティ(会場名)はたいへんな人ですこと〉状態


『琥珀色の雨にぬれて』

初演は観ていませんが、10年前に東京宝塚劇場で、春野寿美礼さん主演の花組公演を観ました。
かなり好きな演目なので、「あれをまた観れる」と期待が大きかったです。

幕開けの「ジェラシー」で踊るタンゴは、やはり印象的で、これから始まる物語に、わくわくo(^o^)o

少ない人数でよくこなしているとは思いました。

特に娘役さんたち。

シャロンの夢咲ねねちゃんは、周りの男たちを虜にする大きな華がありました。

対するフランソワーズの音波みのりちゃんも、不安をかかえる婚約者を丁寧に演じていました。

ソフィー(クロードの姉)の万里柚美組長は、貴族的な美貌と雰囲気をお持ちだし、エヴァ(クラブのマダム)の花愛瑞穂さんもちゃんと裏社会を仕切るマダムに見えました。

男役さんたちはどうかというと‥‥‥‥

頑張っているのに見た目で損をしてしまった役、ノアーユ子爵(実はエヴァのパトロン)の壱城あづさくんや、ボーモン伯爵(銀行家)の十碧れいやくんの役などは、専科さんでやって欲しかった気がします。
ふたりとも演技は上手いのに残念な気がしました。
十碧れいやくんはかなり下級生なのに、雰囲気や台詞がしっかりしていると思いました。

ルイの十輝いりすくん。
ゆうひさんの傍らにいてくれた人なので、どうしても特別な眼で見てしまいます
長身にタキシードが似合って、ちゃんとクロードの恋敵でした
まさこさんの持ち味は『TRAFALGAR』のヘンリー王子のような真っ直ぐな役で発揮されると思うのですが、今回は影のある役を丁寧に演じていたと思います。
ソロも聴けて、嬉しかったです
ちゃんと違和感なく“星組のまさこさん”だったので、良かったな、と思いました。

柚希礼音くんは退役軍人のクロード・ドゥ・ベルナール公爵。
すみません
ちえちゃんが“ふさぎの虫にとりつかれて静養中”にはみえない
スーツ物のお芝居は、自分の持ち味ではないキャラクターを表現するのは、難しいのでしょうね。
でも、シャロンに一途に惹かれていく様が手にとるように伝わってきました。
シャロンとフランソワーズとの間で板挟みになる、つまり感情と理性との板挟みになる、そして感情が勝ってしまう様も。
これは、光の射す表通りを歩いてきた青年の成長の物語でもありますね。
クロードの事業が成功し、シャロンがマヌカンとしてもっと名を上げたら、今後も社交の場で、望まなくてもふたりの接点はあるのだろうな‥‥
クロードはまた同じことを繰り返すのではないか…
とか、後日譚をいろいろ想像させる『琥珀色の雨にぬれて』なのでした。


過去に充実したキャストの本公演を観ていて、しかも思い出は美しい
退団するトップさんの休演という前代未聞の代役公演で、当時の花組の気迫や纏まりがすごかったように覚えています。
そんな状態でツアー公演を観たので、辛口の観方になってしまったのは、残念なことでした。
もっとリセットして観れたら、良かったな


同行の友人(仙台市民です。)に感想を訊いたら、まず満席の会場の様子に感心し、他の催し物のときよりも観客の服装のレベルが高い、と言われました。(意外な感想にびっくり彼女はクラシックのコンサートをよく聴きにいくのだけれど…そちらの方が皆さんきちんとしているのでは)

○○の役の人は歌が下手、とか、○○の役の人は台詞が下手、とか、率直な感想ももらいましたが(私もそう感じたし)、ストーリーはちゃんとわかったそうで「主人公のふたりは違うね~きらきらしている」とのことでした


ショーの『Celebrity』は私も初見だったので、ここにちゃんとした感想は書けません

友人は、黒燕尾の場面やフィナーレなどは身を乗り出しておりました。
ちえちゃんの客席降りの時は、通路側の席だったので、「来る来る」と興奮していましたが、後方だったので、ごめんなさい
もっと前方席で見せてあげたかったです
今回に限って、今までになく後ろの座席がきてしまった‥‥本当に申し訳ないことをしました

ちえちゃんは、当然のごとく、ナイヤガラをバッサーと客席に向けて翻すわけですが(しかも先端が余裕で床に付く)、「すごいね、すごいね~」と驚いていました
ねねちゃんが長身なのにも気づき、「だとあのトップの人は、170以上だよね?」と聞くので、「175くらいかな。ルイをやった人は180近いんだよ。」と教えたら、また「すごいね~」と感心してくれました。
こういう素直な反応は、とても嬉しいです

「星組のトップは、ダンスが上手くて、今いちばん勢いがあるんだよ。」
と解説しておきましたが、
「少し前に退団した私のご贔屓は、ああいうお辞儀はできないトップだったけれど、包容力のある演技をする、頭のいいひとだった。」
と付け加えてしまいましたとさ

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きょうはベルサイユはたいへんな人ですこと

2012-09-23 11:53:28 | 極私的「ベルばら」語り@危険地帯

行ってまいりました
『40周年記念 ベルサイユのばら展』

シアタークリエでの観劇のあと、平日の午後5時半頃に会場に着きましたら、思ったよりも空いていて、余裕をもって見ることができました
‥‥ので、タイトルは私の場合、当てはまっていません

一歩、足を踏み入れますと、宝塚のオスカルさまとアントワネットさまのお衣装とガラスの馬車がお出迎え

まずは原画の展示。
原画は、いつみてもネ申
描線の繊細さにうっとりして緻密な背景の書き込みに感嘆しオスカルさまの瞳をまじまじと眺め
連載当時の、4色刷りと2色刷りのページの原画を見ることが出来たのが、目新しかったです

次は、宝塚のお衣装とポスターの展示。
ここは軽く流しましたが、立ち止まって眺めるポスターは、89年雪組からはじまるいわゆる“平成のベルばら”シリーズ(各組に特別出演が必ずありました。違和感のある部分も確かにありましたが“どんぐり編”よりは、はるかによかったです)と、'06年の星組(この公演をきっかけに、大劇場まで遠征するというお財布に優しくない生活が始まりました)。

そして、アニメーションのコーナー。
セル画とか、人物の書き方を指定してある絵とか、いろいろありました
思わず見入ったのが、オスカルさまとアンドレさんの部屋の見取り図。
こういう裏設定で、アニメを作っていたのね~。
個人的な突っ込みどころはかなりありましたが

「ベルばらKids」の原画コーナー。
ここは順番にざっと見て、最後のあたりに、理代子先生のインタビュー映像が流れていまして、「ベルばらKids」のペン入れの様子が映っていました。
ささっとリズミカルなペン入れ

理代子先生をトリビュートする40人(主に漫画家の先生方)の“我が心のオスカル・フランソワ”。
色紙に書かれたオスカルさまの肖像画です。
知らない漫画家さんの方が多かったのですが、いろいろと個性的で楽しかったです
ただ、しまった~と思ったのは、この絵をすでにビジュアルガイドブックである「ベルばらミュージアム」で事前に(予約していたら、発売日である13日に届きました読みごたえありです)見てしまっていたのですね~なので、新鮮な感動が薄かったのは、残念なことではありました

最後に、「マーガレット」の表紙になったりetc.のカラー原画。
息を呑む美しさ
ところどころには、海外で発売された本や、過去のフィギュアやグッズがガラスケースに入れて展示してありました

出口の先は、広い物販コーナー。
まずは絵はがき(新作もかなりありましたが、やっつけ仕事で作ったなぁと思えるのも有り。どうして大好きなジェローデルさまのがないのだろう)、クリアファイルをはじめとする スティショナリー、手拭いやストラップなどの雑貨、お菓子、いろいろありました
でも、冷静に考えると、まっとうな一般人の前では使えない
ひとり密かに愛でるしかない
ということで、物欲を抑え(自分としては)控えめな買い物をしてまいりました

最後になりましたが、
9月には東京に行けるのだろうか~と迷っていた時に、なんと招待券をプレゼントしてくれたMさま、本当にありがとうございます
おかげで弾みがつきまして、出かけることができました

写真は入り口。(さすがに内部は撮影禁止だったので。)

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DADDY LONG LEGS ~足ながおじさんより~

2012-09-21 08:15:18 | 宝塚歌劇以外の観劇つれづれ

「足ながおじさん」をミュージカル化した舞台です。

時代は20世紀初頭のニューイングランド。

出演者はふたりだけ。
孤児であるジルーシャに坂本真綾さん、あしながおじさん=ジャーヴィスに井上芳雄くん。

ジャーヴィスの本棚だらけの書斎を模したセットが奥に、あとは箱(トランク)を何個か使って、という舞台の使い方でした。

ジルーシャもジャーヴィスも常に舞台上にいます。
ジルーシャが足ながおじさんに手紙を書き、ジャーヴィスが書斎でそれを読む、というのが基本スタイル。
それが歌によって綴られていきます。
1部・2部合わせて、リプライズも含めて、30曲ほどナンバーがありました。

下手奥の客席から見えないところで、6人編成で生演奏

ふたりとも歌ウマさんなので、耳福でした。
芳雄くんが、わりと低音で歌うのが、新鮮でした。
さらさら前髪ではなくて、あの時代の雰囲気の髪型で三つ揃いのスーツ、というのも堂々として、立派な大人の男になっていました

ちょっとした思いつきで始めたジルーシャへの援助だったのでしょう。
何事にも新鮮な興味を示し、大学生活を謳歌しているジルーシャからの手紙に、そしてジルーシャにしだいに惹かれていくジャーヴィス。

真綾さんのジルーシャは、最初は瑞々しく、そして少しずつ大人になっていく様子がわかって、上手いなと思いました。

芳雄くんのジャーヴィスは、1幕目は大きな心の揺れもなく…だったのですが、2幕になると、恋に向き合う(と言っても、彼は“恋”とは意識していない。)不器用さに、切なくなりました。


行こうかどうか迷って、開幕してからとったチケットだったので、シアタークリエの最後列(22列目)のお席でしたが、見晴らしもよく想像していたよりも舞台が近くに感じられました。

そして、幕が降りたときは、しみじみ“良い舞台を観れてよかった~”と深呼吸したのでした。
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ジャン・ルイ・ファージョン ー王妃の調香師ー

2012-09-19 00:01:59 | 宝塚観劇つれづれ

バウホール公演は、盛況のうちに終わってしまいましたね。

フランス革命前後の激動期に、王妃マリー・アントワネットに仕えた、ジャン・ルイ・ファージョンという実在の調香師を中心に描いた作品です。
植田景子 作・演出
紅ゆずる 主演


「ベルばら」大好きなら、観ておきたいよねということで、バウホールで観てきました。

ロココ感満載の絵画をもとにした優雅なセット、ルドゥーテの薔薇の絵、一転して崩れかけた石壁に象徴される、理想を実現しえなかった革命期のパリetc.‥‥
広いとはいえないバウホールの舞台で、しっかり歴史の流れを感じる事ができました。

「ベルサイユのばら」「THE SCARLET PIMPERNEL」「天使のはしご」などでデジャヴなドレスやら軍服やらに、たくさんお目にかかりましたこれもまた楽し

植田景子氏の脚本は、分かりやすかったです
どこまでが史実かはわかりませんが、アントワネットの回りにいた当時の有名人が次々と登場して楽しかったです
で、フェルゼンの汚名を晴らしてくれてありがとうございます
ヴァレンヌ逃亡の失敗は、フェルゼンの責任ではないの。
むしろ、フェルゼンがずっと護衛していたら、成功した可能性が高いの。
と書かれた本が、少し前に出てました。
きっとそうだよね
(中野京子氏の著書より。)

音楽は、4人編成の生演奏だそうですが、聴いていて心地よかったです


ジャン・ルイ・ファージョン@紅ゆずるくん。
きらきらしてました。
自身の主演作を大事に演じよう、という気持ちが伝わってきました。
鬘も衣装も似合い、後ろ向きの立ち姿も綺麗でした。
ジレを当時の形で仕立ててあってよかったです(現在からみると滑稽なデザインだけどね)
下級生の頃、周りにスター候補生がたくさんいて、足踏みしてきたのが、花開いた感じですね。
私は、ゆずるくんでヨン・ホゲのような役を観てみたいと思いました。

王妃マリー・アントワネット@早乙女わかばちゃん。
可愛い娘役さんですよね
ルブラン夫人が描いた白いシュミーズドレスのアントワネットを、再現していました←植田景子氏の拘りの衣装かな?
革命後の王妃の威厳には欠けるけれど、まだ研5だしね

フェルゼン@真風涼帆くん。
王妃の恋人という自信が見えました。
フェルゼンは白い王子様系の役だけど、もっと感情の振り幅があってもいいかな~?
でも軍服が似合っていたのでOK

下級生たちは、お歌や台詞がぎこちなかったり、力んでいたりした部分もありましたが、ロココのお衣装に“着られてしまう”こともなく、ひとりで何役かこなしたり、作品の世界観を大事にして頑張っていたと思います
また、美稀千種さん、美城れんさんという上級生が脇を締めてくれて、良かったです。

植田景子氏の作劇にまんまと嵌められて思わず涙腺がゆるんでしまいました
程好いリアリティーと、宝塚らしい華やかさを兼ね備えた佳作だと思います
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女性作家おふたりのトークショー・3

2012-09-14 09:37:59 | 小説や漫画や映画やテレビや音楽のこと。

第一部が約1時間
休憩のあと、第二部が開始されました。


◎第二部 「文学と恋愛」

川上弘美さんと小池真理子さんとでは、恋愛小説を書く際のアプローチの仕方が、まるで違っていて、面白かったです。

川上さんの場合は、恋愛に到るまでの履歴がなく、突然、恋愛をはじめてしまう、とおっしゃっていました。
それを小池さんは「フランス映画のようだね」と。
川上さんは、初めから「これは恋愛小説にしよう」と書いたのは、何と1作だけで、あとは成り行きで登場人物たちが愛しあってしまった、とおっしゃっていました。
「そのかわり、食べものを美味しそうに書くのは、自信があるんですよ」とも。

対して小池さんは、
「物語性を重視し、文体や言葉を吟味して品格を失わないようにします。」
「性愛描写が深まれば深まるほどに、言葉の美しさに気を配ります。直截的な表現は一切使わない。ところがその方が反って、エロスを感じますね~」
と、例として三島由紀夫の『春の雪』をあげられました。

川上さんもそれに同意し、「私は直截的な表現で書いてしまう。そういう表現は乾いた感じがする。」
とおっしゃり、そこから官能小説に話が拡がりました。

「官能小説の表現は、作家によって違い、個性的で感心しますねえ。」
などと、いろいろとおふたりで話されていたのですが、“官能小説”と“文学における官能”は、どこに焦点を当てるか(視点)によって決まる、という話が新鮮でした。

因みにこのあたりになりますと、司会者氏は口をはさめなくなっていました。


前回も書きましたが、おふたりの“作家脳”は素晴らしい

なんとなくの流れで、あるいは意外性を狙った構成のようで、実は、その先のもうひとつ先までが、しっかり考えられている、そうやって何作も書き続けている、という事が素晴らしいと思いました。


私は、今まで、かなりの数の小説を読んできました。
ところが、タイトル、内容を全く覚えていないものも、数知れず
「面白かった~」「最後で勢いが落ちたなぁ~」「はらはらする!」くらいの感想は持ちますが、しみじみしたり、じんわりしたり、はっと気づいたり、怒ったり、私ならこうすると考えたりする事が少なくて、字面を追っているだけのような気がします。

力量のある作家は、力量のある読み手を求めているのだろうな。
本望な読まれ方をされたら、作家冥利につきるのだろうな。

受信する力(読むこと・聞くこと)の不足を改めて感じたのでした。
だからといって、発信する力もそれ以上に不足していますが‥‥

ということで、ここを読んでくださっているみなさん、力量のない書き手ですみませんm(__)m
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